-映画の感想-

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映画の感想

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『ティン・カップ』 Tin Cup, 1996

 ケヴィン・コスナー、レネ・ルッソ、チーチ・マリン、 ドン・ジョンソン、デニス・バークレー出演、ロン・シェルトン監督
 優勝という記録より、記憶に残るようなプレーをする。 ロイはゴルフのレッスンプロをしていたが、彼にゴルフを習いに来た心療内科のセラピストに恋をしてしまう。 しかし、彼女は別のプロゴルファーの恋人であった。彼は、彼女を振り向かせるために全米オープンに出場しようと決意する。 全米オープンの予選を勝ち抜き、本選に出場するが、これまでの無謀な挑戦や意地を克服することができず、優勝を逃してしまう。 しかし、セラピストの彼女は彼の性質を理解し、それを受け入れられる関係となる。 ストーリーは全体的にゴルフのことなのだが、それほど、ゴルフのことが描かれている感じがしない映画であった。 彼と彼女の関係や、彼のキャディーとの関係が中心的な感じがした。

『テキサス』 TEXAS ACROSS THE RIVER, 1966

 アラン・ドロン、ディーン・マーティン、ローズマリー・フォーサイス、マイケル・ゴードン監督
 アメリカ映画
 西部喜劇である。事故で兵士が死にその罪から逃れるためにテキサスへ逃げ込む。そこで婚約者と落ち合う約束をする。 美徳や紳士的であることを追及するが、あさはかで、単純な軽薄さが混ざっている。また、登場人物の人物像は重みがなく、単純である。 西部劇のような格好よさ、実直さ、傍若無人さ、人間の荒々しさなどはないが、笑えるところもない。ただストーリーが流れているだけのように感じる。

『テス』 TESS, 1979

 イギリス、フランス合作映画、ナスターシャ・キンスキー、ピーター・ファース出演、ロマン・ポランスキー監督・脚本
 トマス・ハーディの小説 Tess of the D'Urbervilles, 1891 の映画化。
 19世紀のイギリス・リアリズム小説は、社会の矛盾や暗黒面に鋭い批判の目を向ける一方で、人間の心理の複雑で繊細な動きの分析も怠らない、 一つの大きな総合的文学形式であった。
 主人公のテスには次ぎから次ぎへと不運が舞い込んでくる。リアリティはそれほど感じない。 テスの内的な描写も十分ではない。事柄が唐突に起こっていて、それに登場人物の心情描写に追いついていないようで、 いまいちすっきりとしない。しかし、そうであっても運命的な出来事は本人には操作できるものではないし、 自分以外の感情も本人にとっては手に取ってわかるものではない。 自己の価値観は自己の特有なものであろうし、積極的にそれを表現しなければ他者にはわからないものだろう。 運命的な、悲劇的出来事の遭遇に翻弄されるテスは自分にはどうしようもない力によって支配されたということなのだろう。

『鉄コン筋クリート』 A terra-cotta Warrior, 1989

 マイケル・アリアス監督
 アニメーション
 暴力を生きる手段とする少年たち黒と白は宝町を自分たちの町と言う。 古くからいるやくざと警察、新しく進行してくる開発目的の輩たちが宝町を舞台にせめぎあいをする。
 表と裏の世界があるなら、裏の世界のみが描かれている。秩序などはない。ある種、特殊なパワーを持つ者たちが描かれている。 犯罪や暴力を極端に誇張したような内容である。また、超越した人間の力があるような印象を持たせる言動がある。 心の中に黒と白があり、白を信じるところが道徳的な部分である。なお、常識的には分かりにくい内容である。
 絵や映像は独特なものがある。

『テラコッタ・ウォリア』 A terra-cotta Warrior, 1989

 物語上ではずっと秦の時代を描いていたほうが良いと思う。 現実的にはとてもありえないことであるから、時代を変えないほうが私は好きだ。 また、アナクロニズムとかを表現するのには少し無理が出てくるように思える。 失われたものを取り戻せない感情は切なく描かれていると思う。 後に残された人間のはかなさや哀愁はとても良いと思う。 靴の出来事がよくフラッシュバックでよみがえるが、とても一人の人間にとっての想いを描くのには効果的だと思う。 不老不死になって生きてきた時代の感覚を永遠に持って生きていくのはかなり辛いことではないかと思う。 それまでの感情を全て持って、また新しい出会いをするのはかなり酷なのではないかと思う。

『テルマ&ルイーズ』 Thelma & Louise, 1991

 スーザン・サランドン、ジーナ・デイヴィス、ハーヴェイ・カイテル、マイケル・マドセン出演、リドリー・スコット監督
 男は外で働き、女は家で家事をすればいいという夫に家に半ば閉じ込められ管理されている妻テルマと ウェイトレスをして生計を立てているルイーズが週末の2日間友人の山小屋に旅行へ出かける。 全体的な印象としては、友人の制止を無視して、自重せずに悪乗りした女が自ら自滅の道へと進んでいくという感じである。 その原因となったのが、不必要に干渉され、管理され何事にも自分の意思で行動できなかった女を作り上げたことであろう。 年齢的には大人でも、判断能力は幼稚なままである。浅薄さを見せ付けられているという感じである。 浅はかで、軽率で、計画性のない女が場当たり的な行動をする。その後始末をする過程でさらにどじをふむ。 また、開眼したことで解放的な気分となり、さらに自分の行動を律することができなくなる。 解放されたというよりは、無謀になったという感じである。 最後の結末は、クレイジーであるが、なんだか納得するものである。 全体的に楽天的なタッチで描かれているが、実際にはかなりひどいことをしていることを忘れてはならないと思う。 また、二人の心情が交互に入れ替わって、ポジティブになったり、ネガティブになったりしている所は、人間の精神的な部分をよくあらわしているように思う。

『天空の城ラピュタ』 , 1986

 声:田中 真弓、横沢 啓子、初井 言栄、寺田 農、宮崎 駿監督
 アニメーション
 父の意志を継ぎ空に浮かぶ城を目指していたという少年と、正当な継承者としての末裔の少女がその城を目指し、 その城を悪者の手に落ちないように阻止する冒険物語である。
 アニメーションではあるが、少年の一生に一度しかないようなチャンスをものにし、自分の夢をかなえようとする実行力には感心する。 現実の世界にもこのような夢や希望のある事柄がまだ残っていればいいように思う。

『天国の約束』 TWO BITS, 1995

 アル・パチーノ、メアリー・エリザベス・マストラントニオ出演、ジェームズ・フォリー監督
25セントを中心に生と死に遭遇する。25セントが手に入ることはおじいさんの死を意味していたが、 25セントがいつ自分の手にはいるかが分からないので、自分で稼ごうとする。 彼のこの行為は、人生において、何かが自分に転がり込んでくるのを待つのではなく、 何かを自分からつかみに行くような方向性が感じられる。 25セントを稼ぐために、人間の惨めなところや醜いところを見る。 夫婦の秘密、飢えへの苦悩、貧乏での苦痛、複雑な大人の悩みがある。 大人の世界に少しずつ足を踏み入れていく。 キリスト教精神の日常生活の中で、姦淫にたいする懺悔や、 人を苦しめたことへの後悔などを抱えつつ人生を送っている。 宗教の精神構造が人々の精神を救済させつつもあり、人々の精神を縛り付けてもいる。

『天使にラブソングを2』 Sister Act 2, 1993

 ウーピー・ゴールドバーグ、マギー・スミス、キャシー・ナジミー、ウェンディ・マッケナ、メアリー・ウィックス出演、ビル・デューク監督
 シスターの資格はないが、シスターとして高校生を音楽(歌うこと)を通して生徒にやる気を出させ導くストーリーである。
 ストーリーの展開が速く、飽きさせない。また、物事がうまくテンポ良く進んでいくので、とても見た印象が良い。 やる気を出させたり、意欲を持たせることは簡単なことではないが、ひとつのことに集中させ、 成功させることで次へのステップとさせる点はうまく行きすぎであるがとても正当なことだと感じる。なかなか良い映画だと思う。  

『天使の涙』 Fallen Angels, 1995

 レオン・ライ、ミシェル・リー、金城 武出演、ウォン・カーウァイ監督
 香港映画
 地下道、地下鉄、屋台。生活に密着している印象を受ける。原題からlucifer になるのかと思った。 よく、スロー画面になる。その人の物理的な時間ではなく、精神的な時間を表現するのに効果的だ。 キーワードは「過去」「期限」「音楽」だと感じる。 期限切れのパインの缶詰を食べて口がきけなくなり、期限が切れて失恋する。自分のことをうまく表現することができない。 ある曲で別れを告げて、その曲を聞いて再会をしようとする。また、 カメラを一点に固定して、その特定の場所の時間の流れをうまく表現している。
 小型のカメラから見たその人の像、鏡ごしに見たその人の像。普段の像とはまた別のように見える。
 自分の過去に追い回されたり、他人の記憶に自分をとどめておこうと必至になったり、複雑な人間関係がある。 自分の存在意義を絶えず求めようとする。自分が生きていたことを誰か他者を通して確信したいのかもしれない。 自分の居場所を探そうとしている。何が自分かを問いつづけして試行錯誤する。 人のそういう自己探索を描き出しているように感じた。

『天気の子』 , 2019

 新海誠監督
 アニメーション
 見た感想は、正直この脚本でよかったのか、だろう。
 高校生が家出する、拳銃を拾う、拳銃を2度発砲する、公務執行妨害する、鉄道営業法違反、暴行する確率など。 ファンタジーなら空を飛んだり、雨雲を散らしたりするのは理解できるし、そういう方向だけでよかったんじゃないかと感じる。 拳銃と刑事は不要で、家出捜索の警察と児童養護施設の職員の設定だけでよかったのではないかと思う。

『ディア・ハンター』 The Dear Hunter, 1978

 ベトナム戦争を知らない人間にとってはあんまりベトナム戦争の深刻さは伝わってこない。 ベトナム戦争を知っていることを前提にするのなら分かりやすかったかもしれない。 戦争でひどい苦痛を受けて精神に異常をきたした事は理解できるが、 ベトナム戦争の前後の、一人の人間の社会的待遇に焦点を当てたほうが良かったのではないかと思う。 ベトナム戦争はアメリカ社会では好意的には受け入れられなかったようである。 その社会での兵士の扱いを織り交ぜながら描いていったほうがもっと深みが出てくるのではないかと思う。 ベトナム戦争の前と後の生活の変貌は明確に描かれている。 戦友を見捨てられないということは理解に苦しまないが、もっといろいろな葛藤を表現したほうが現実味が出るように思えた。 ロシアンルーレットで勝ったことは生きる意志を持つ者が失うもののない者の強みよりも勝っているということだろう。

『ディアボロス』 The Devil's Adocate, 1997

 キアヌー・リーブス、アル・パチーノ、チャーリズ・セロン出演、テイラー・ハックフォード監督
 本当に「黙示録」という印象を受けた。現実的ではなく、むしろ聖書のなかの物語のような気がした。 一つの裁判から、2つの話が展開する。
 John Miltonという名もParadise Lostを書いたミルトンと同じだ。やはり、聖書の影響を受けていることを示している。 最後の頭を撃ちぬくところは、自分が利用されるとわかっている時、相手が死ななければ、自分が死ぬしかないということであろう。 身体的に生きれば、精神的に死んで、負けになってしまう。精神的に生きれば、肉体を失って、いわゆる勝つ(克つ)ことになる。
実務と神話(裁判と祈り)が対照的だ。また、固定カメラがその場所の時間の流れを作っている。
 妻の心の動きはとてもよくわかる。環境の変化、生活水準の変化が不安と極度のストレスを生む。夫が不在がちとなる。 それをアルコールが助長する。そして、自分の心にある「考え(弱さ、脆さ)」から出てくる幻聴、幻覚。 仕事や生活に追われていた頃には感じなかった心の隙間を慣れない習慣や生活が広げて行く。 孤独感を感じる。周りに人がいても、孤独感をぬぐえない。状況がどうであれ、いつも一人である。
 キリスト教的であり、教養小説のような映画となっている。

ヨハネ黙示録第18章
こののち私は天から下るもう一位の天使を見た。彼は非常な権威をもっていて、地上はその光に輝いた。 彼は力強く叫んでいった、「倒れた、倒れた、大バビロン。それは悪魔のすみか、すべての不浄な霊とすべての汚れたいとわしい鳥の住まいとなった。 すべての民はその売淫のぶどう酒を飲み、地上の王たちはそれと姦淫を行い、地上の商人達はその町の限りないおごりによって富を得たからである。」 私はもう一つの声が出てこういうのを聞いた、「私の民よ、その町を出てその罪にあずからず、それを打つ災難を受けぬようにせよ。 その罪は天まで積もり、神はその悪を思い出された。その町が払ったのと同じ額をそれに払い、その町の罪の二倍をそれに返し、その町が注いだ杯に二倍の量を注げ。 その町が光栄とおごりを誇ったなら、それと同じ程の苦しみと悩みを与えよ。(私は女王の座にいる。 やもめでははない。悲しみを見ることはあるまい)とその町は心で言った。それがために様々の災害、すなわち疫病、悲しみ、 飢えが一日のうちにその町に来て待ちは焼き尽くされる、それを裁いた神なる主は権勢あるお方だからである。
その町と姦淫を行い、そのおごりをともにした地上の王たちは、灰燼に立つ煙を見て町のために泣いて嘆く。 災難を恐れた彼らは遠くに立ち、(ああ、気の毒に。偉大な町、盛大な町バビロンよ、お前の審判は、一瞬にして終わった)と言うであろう。
中略
「天よ、聖人、使徒、預言者たちよ。この町について喜べ。神はこの町を罰しておまえたちのために復讐された。」
すると一位の強い天使が大きなひき臼のような石を持ち上げ、海に投げていった、 「偉大な町バビロンはこのように一投げで投げ捨てられ、再び現れない。 もう竪琴を弾き、楽を奏し、笛とラッパを鳴らす者の声はお前の中で聞こえない。どんな職人も、ともしびの光はもうそこには輝かず、花婿、花嫁の民はお前の魔力に迷わされた。 預言者と聖人たち、またすべて地上で殺された人々の血はこの町で見られた。」

注:予言の言葉で「売淫」は偶像崇拝を示す
大バビロンはローマ帝国のこと
(『聖書』講談社 1983)

『ディーバ』 DIVA, 1981

 フランス映画
 映像の間がいかにもフランス映画のような感じである。 どんよりとした、重々しい、しつこさ、油っぽさ、湿っぽさを含んでいる。 すがすがしいという空間ではなく、1枚膜が張ったような、フィルターを通しているようなスッキリしない 空間や時間をとらえることができる。 華やかでさっぱりした感じではなく、陰があるような印象を持つ。 ある部屋の感覚は、現代美術を思わせるような配置をなしている。極めてフランス風な印象を受ける。 シンプルであるが、そこには意味を持たせているようなそぶりを見せている。 無造作に置かれているのかもしれないが、何かを感じたり考えさせるような雰囲気を持ち合わせている。

『ディープ・インパクト』DEEP IMPACT, 1998

 全体的な印象として、いったい何?と思いたくなるような映画である。 モーガン・フリーマンが出演している割にはあまりストーリーが完成されていない。 ことが速く進みすぎて、plotが短絡的で薄っぺらい映画に感じてしまう。 滅亡の危機に遭遇するという設定とそれによって人間がどのように対処していくかという内容であるが、 そのような設定での登場人物自体の言動に矛盾が生じているような感じがする。 つじつまが合わないような、釈然としない登場人物の唐突な言動が「作りものの筋」だということを意識させてしまう。 映画を見ているものに共感を促さない登場人物の唐突な意思と行動に違和感を覚えてしまう映画である。

『デイライト』 Daylight, 1996

 シルヴェスター・スタローン、エイミー・ブレネマン、スタン・ショウ、ヴィーゴ・モーテンセン出演、ロブ・コーエン監督
 それほど退屈する映画ではないが、どこか作られたストーリーのように感じてしまう。 事故に遭遇して状況的に彼しかいなかったということなら救出に向かっても違和感はないが、 部外者一人を救出へ行かせてしまう行政はこれまで一体何をやっていたのだろうかと思う。 コンティンジェンシープラン(緊急時対応計画)などは策定されていなかったのだろうか。
 場面によっては緊張感、圧迫感を感じることができるが、事故発生当時、生存者がみな無傷であったのはなんだかできすぎのように感じる。 また、救出者も衰弱しているだろうが、怪我もなく脱出できたことには奇跡に値するだろう。 もっと人の感情的な部分の表出とその変遷が感じられると感動できるかもしれない。 カメラアングルはそれほど特出したものではない。

『DEATH NOTE デスノート 前編』 DEAD SILENCE, 2006

 藤原竜也、松山ケンイチ、瀬戸朝香、香椎由宇、細川茂樹出演、金子修介監督
 名前を書きこむことで死にいたらしめるノートを拾い、犯罪者を故意に殺害する青年がだんだんと暴走する。それを阻止しようとする警察側の人間との攻防である。
 漫画の『死神くん』(えんどコイチ)をスマートにスタイリッシュに描いている感じがする。 やっていること(殺人)は悪だが、悪人を殺しているということでヒーローとして認識してしまう心理は理解できる。人は絶対的な力(権力)を持ちたいとどこかで願っているような感じである。 また、人間味のない凶暴な行為をなんとも思わない青年は、かなり社会性が欠如しているように思う。

『DEATH NOTE デスノート the Last name』 DEAD SILENCE, 2006

 藤原竜也、松山ケンイチ、戸田恵梨香、片瀬那奈、マギー、上原さくら出演、金子修介監督
 名前を書くことで死に至らしめることができるノートを手に入れた人間と警察側の人間との攻防に決着がつく。
 理想の世界を作るために多少の犠牲は仕方がないという認識が世の中を駄目にするきっかけなのではないかと思う。 多くの人がそのように考えることによって、小さな悪が歯車を少しずつ、次第に大きく狂わしていくように感じる。 最初は悪人を憎む気持ちだったのが、徐々に増長していくさまは人間の弱さや驕りのように思う。 だんだんおかしくなっていく心理はとても興味深く描かれている。 秀才の大学生と売り出し中のアイドルというキャラクターの違う登場人物もなかなか良いと思う。 もちろん、警察側の探偵との対決が軸となっていてそれが見所である。 父を尊敬する念、子を無条件に愛する気持ちが的確な判断をあやませるということはなく、とても冷静な感じである。

『デッド・サイレンス』 DEAD SILENCE, 1996

 カナダ映画
 ストーリー的にはおもしろい。敏腕なFBIというよりは結構あっさりとした印象のある人物である。 偶然通りかかった盲学校の生徒たちを人質にするのだが、盲学校の先生は手話を使って警察と疎通を図る。 このあたりは目新しいシーンである。犯人の仲間はろう城した人数だけかと思わせるが、 意外な人間たちが協力者であった。FBIが女刑事の素性とかを知らなかったのはなんだかお粗末な感じがする。 間抜けな仲間が一人いたが、仲間と一緒にその人間はどうやって刑務所から逃げ出したのかは不思議に思う。 一部の人質が逃げ出すシーンは緊迫感が出ている。しかし、警察も助け出すことに専念するのではなく、 援護しようとは思わなかったのかは疑問に残る。犯人にまいた種をからせるようにガソリンに引火させて火をつける。 その時にマッチを車から持って出るところはちょっとできすぎかと思う。

『デッドマン ウォーキング』 Dead man walking, 1995

 スーザン・サランドン、ショーン・ペン出演、ティム・ロビンス監督・製作・脚本
 一番最初の面会時の二人の表情がとても対照的だ。 一人は、落ち着いているような、何も考えていないような、冷めているような、開き直っているような感じで、あまり表情を変えていない。 それに対して、もう一人はとても緊張した面持ちで、こわばっている。 面会が終了した帰り道で、自分の幼少期の出来事を思い出す。 高ぶった神経で、死刑や殺人という自分には無縁に思っていたことが自分が過去にしたことを思いがけず連想させる。
 被害者の両親からは、敵視されるが、彼女はただ純粋に、「責任」(responsibility)を取らせたいと願っているだけだった。 彼を世間から見られている animal, monster から人間へと引き上げたいと思っているだけだった。
 彼の死刑の期日が近づくにつれての心情の変化や彼の表情の変化を追ってみると興味深い。 最初に面会したときの表情とそれ以降の表情、また死刑執行が間近の表情。 だんだんと感情を表情に浮かべるようになり、とても一人の人間の表情とは思えないくらいの変化が生じている。これも死を確実に感じている人間の変化なのかもしれない。 心情の変化は、テレビで流れた人種差別発言の心情から死刑執行3日前の聖書を読む気になる変化、 そして当日の死を意識する変化、そこには怒りや憎しみがあったが、時間が経つにつれて初めて被害者の二人の事を考える。 それまでは自分のことばかり考えていた。
 加害者、被害者の親でも子どもを思う気持ちは皆同じである。 死刑が執行される午前零時近くになると彼の息遣いがとてもはっきりと聞こえてくる。 この場面で彼は動物ではなく、死を恐れる「人間」になったような感じがする。

you will know the truth, and the truth will set you free.
あなたたちは真理を知り、真理はあなたたちを自由にする

ヨハネによる福音書 8章  『聖書』 日本聖書協会 1997 より

『デビル』 The devil's own, 1997

 ハリソン・フォード、ブラッド・ピッド出演、アラン・J・パクラ監督
 万引きの小さな罪を追求して、銃殺の大きな罪は追求されないのか。 嘘をつく小さな罪は見過ごされて、民族、宗教によるテロの罪は追求されるのか。 殺人者を弁護することは罪にならないのか。程度の問題なのか。たくさんの人間を殺したほうが罪深いのか。 正義は何処にあるのか。覇権を持っているほうが正義なのか。覇権を持って抑圧することが正義なのか。 現実で起こっている罪と、非現実的な社会で起こっている罪は区別されるのか。 大義と正義は相反するものなのか。 舵を切り方向転換をすることは果たして正義だったのか。

『デモリションマン』 Demolition man, 1993

 シルベスター・スタローン、ウェズリー・スナイプス、サンドラ・ブロック出演、マルコ・プランビヤ監督
 娯楽映画であるから細かいところには触れるべきではないけれど、平和ボケしていて 全然事件がないのに、どうして警察という組織が存在しているのであろうか。 また、女性警部補のような人間がいるのに、他の一般市民は事件を起こさないのだろうか。 また、どうして、彼女のような危険な考えを持っている人間を警察という組織に採用したのだろうか。 汚い言葉を全然使わないのに、どうしてその汚い言葉を汚いと判断して、罰することができるのであろうか。 もう使わなくなったのなら、そのような言葉すら消えてしまわないのであろうか。 トイレの紙に関して、あれだけ、技術が進歩しているのに過去のデータを検索することをしないのか。歴史の授業はないのだろうか。 その当時の人間が生きているのにそういうことを全然知らないのは不自然なような気がする。 また、技術が進歩しているのなら、瞳でIDを確認することをしているくらいなのに、 パトカーを悪人に操縦できないようなシステムは組めなかったのだろうか。


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