-映画の感想-

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映画の感想

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『ターザン』 TARZAN, 1999

 ディズニーアニメ
 アニメーションとしてのCGというよりは、かけ離れた感じがする。 これはアニメーションでなくても良いのではないかとさえ感じられる。 躍動感や斬新なアングルがあるが、それがアニメーションを作るというよりは、 CGの技術のみが秀でているように感じる。それが、結果としてアニメーションに使われているだけで、実写の人物像に置き換えられても良いように思う。 そうすると、わざわざアニメーションにする意味があるのかどうかと感じてしまう。 アニメーションの意味は、イメージであったり、人間として表現できないような世界を創出することにあるように思う。 現実にはできそうも無いイメージの具現化の代替案であるように思う。 人や動物の動きがとてもすばらしく演出されている。 動きがとても気持ちがよい分、ストーリーが、アニメーション化されていないアニメーションみたいに魅力が乏しいように感じる。動物に育てられた人間が、人間の言葉や生活様式に順応できるかと疑問に思う。

『ターミナル』 The Terminal, 2004

 トム・ハンクス、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、スタンリー・トゥッチ、チー・マクブライド、ディエゴ・ルナ出演、スティーヴン・スピルバーグ監督
 祖国でクーデターが起こり、パスポートが無効となりJFK空港から出国も帰国もできず、乗り継ぎロビーに滞在するというありえない設定であるが、なかなかユニークな映画である。
 英語ができない状態から、日常会話が問題なくできるまで話せるようになる。 悪役が1人いて、知り合いが一人も無いところから徐々に信頼を得て仲間を増やしていく。 「ヤギの薬」の一件からいっきに有名となる。その間にささやかではなかい恋をする。

『ターミネーター』 THE TERMINATOR, 1984

 アーノルド・シュワルツェネッガー、マイケル・ビーン、リンダ・ハミルトン出演、ジェームズ・キャメロン監督
 パラレルワールドというか、未来から現在に何らかの影響を及ぼす人、ものが来れば、現在の世界は変革が生じるだろう。 もし来なかったなら、来た世界とは違っているのは当然だろう。 時間の流れが平行する形で世界がいくつも存在するような影響を及ぼす未来からの使者は来るべきではないだろう。
 迫力というか、破壊力など当時は圧倒的なインパクトであっただろう。

『ターミネーター2』 THE TERMINATOR 2:THE JUDGEMENT DAY, 1991

 アーノルド・シュワルツェネッガー、ロバート・パトリック、リンダ・ハミルトン出演、ジェームズ・キャメロン監督
 効果音がいい。夜の暗さも効果的に使われている。忍び寄る不気味さが感じられる。 血が通う人間と通わない金属の人形。摩擦で出る火花や火の赤色と夜のブルーが対照的になっている。 ロボットのような動き方もうまく表現されている。 液体金属自体がだんだんと再生能力を失うのもなんだか納得するものがある。 金属疲労が起こってくるようなものなのだろう。 緩急の差が良い。速い時は速く、ゆっくりとした動きのときはとてもゆっくりとしている。 最後に自ら溶鉱炉に沈んでいく時の間がとても悲しげな感じがする。 沈んで溶けていくさまが思いを増幅させる感じがする。

『ターミネーター3』 Terminator 3:Rise of the Machines, 2003

 アーノルド・シュワルツェネッガー、ニック・スタール、クレア・デインズ、クリスタナ・ローケン出演、ジョナサン・モストウ監督
 核兵器管理システムのスカイネットが自ら意思を持ち、人類を敵とみなし攻撃を開始する審判の日をくい止めるために戦う人間とターミネーターの話である。 未来から送り込まれたターミネーターによっていろいろと情報を与えられ、未来の出来事を阻止するために現在で未来で起こる芽を摘もうとする。 未来からやってきて、現在に細工をするので、未来も変更される。時間を操作できるようになると(時間を操作できる設定になると)この繰り返しは永遠に続くように思える。
 アクション性はかなり高い。動物病院の車で逃げるシーンのカーアクションは見所である。敵のターミネーターはもっと不気味な設定のほうが良かったように感じる。 または、もっときれいな感じのほうがギャップがあり面白かったかもしれない。 いろんなものを壊す、破壊するところがかなりあり、3作目なのでそれほど新鮮な感じはないが、とても大掛かりな感じがする。 効果音があまり印象に残らない。もっと恐さが欲しい感じである。静かで不気味な感じではなく、うるさく強いという印象の映画である。

『タイカス』 TYCUS, 1998

 デニス・ホッパー、ピーター・オノラティ、フィノラ・ヒューズ、アート・ラフルー、バート・レムゼン出演、ジョン・パッチ監督
 巨大な彗星が地球に接近してきていて、地球では異常気象が起こっていた。 その時、彗星の接近を核兵器で阻止しようとする組織が存在していた。その地下施設には、シェルターを擁して限られた人間のみを収容しようとしていた。 過去に従軍記者だった男がその組織に潜入する。
 なかなかつまらない映画である。悪の組織を倒すヒーローの映画でもないし、何をやりたいのかわからなかった。 政府が絡まなく、私財で作り上げられたという設定も良く分からない。 

『タイタニック』 Titanic, 1997

 レオナルド・ディカプリオ、ケイト・ウィンスレット出演、ジェームズ・キャメロン監督
 やたらと長い。150分ぐらいにまとめた方がすっきりするのではないだろうか。また、やたらとCGを使っている。 長すぎるとインパクトに欠ける。(しかし、ビビアン・リーの『風と共に去りぬ』Gone with the wind を長いと感じなかった。) この映画は内容が恋愛中心だから長すぎると見ているのが面倒になる。
 "unfair","I trust you." この言葉は印象に残っている。不公平なことも良く分かる。信頼することの大切さも分かる。 しかし、もっと、こういった階級制の理不尽さ、醜さを表現しても良いのではないかと思う。 もっと、善と悪の対比を強調しても良いように感じる。絵描きの青年は少し物分かりが良すぎるのではないだろうか。なんか洞察がいきなりすぎる。
 上と下の対比は良い。上流階級の人間と労働者階級の人間。一等船客と三等船客の人間の対比。 客室と機関区の対比。一等船客のパーティと三等船客のパーティ。
 絵描きの青年は、最初はポーカーのかけをしている時には汚れている手をしている。 それから、船上ではずっときれいな手をしている。そして、綺麗な手をしていた女をモデルにしていた。 また「目の凝視」はよく使われていたし、色々な意味を含んでいると思う。
パーティが終わった後と、救命ボートを抜け出した時の、時計の下で再開するもの因果かなぁと思う。
白い息を吐く人間と吐かない人間。
 沈没する時に、いろいろな人の意思(意志)をもっと強調しても良いのではないだろうか。 船長にとっての操舵。演奏家にとっての音楽。金持ちにとってのお金。紳士にとっての名誉。乗組員にとっての誇り。 親子、恋人にとっての。画家にとっての。設計家にとっての船。人それぞれの大切なものがある。
そうしたら、恋愛物語ではなくなるかも…。

『タイタンズを忘れない』 Remember the Titans, 2000

 デンゼル・ワシントン、ウィル・パットン、ウッド・ハリス、ライアン・ハース出演、ボアズ・イェーキン監督
 hate(憎しみ、嫌悪) から respect(敬意、尊敬) する気持ちへと変化する。そこへたどり着くまでには、自分たちだけではない問題が滞積していた。 町の人も、フットボールチーム内も含め、知ろうともしないし、知りたくもない。関わりを持とうとはしないし、関わりたくもない。 そこにはくっきりとした線が引かれていた。また、そういう社会で育ってきた。 本来、自分たちが体験してきたことではい昔から引き継がれてきたわだかまりや憎しみがある。 そういう感情からフットボールを通じて気持ちが解け、高校も待ちも気持ちをひとつに融合する。 コーチ間、選手間、コーチと選手、町や高校とチーム、偏見を取り除き、和を浸透させる。

『太陽がいっぱい』 Plein Soleil, 1960

 フランス、イタリア映画
 アラン・ドロン、マリー・ラフォレ、モーリス・ロネ、エルヴィーレ・ポペスコ出演、ルネ・クレマン監督
 金持ちの友人を殺害し、パスポートを偽造し友人になりすまして預金を引き出し、さらには友人の恋人まで奪おうとする。
 貧乏人がお金の魅力に惑わされるという動機はわかるが、殺害に及ぶような動機は余り感じられない。 しかし、アラン・ドロンにはかなりの魅力がある。友人になりすましている時に、友人の知人などが訪ねてくるシーンがたびたびあるが、 緊張感の演出はそこそこで切り抜けてしまう。なお、物悲しさも感じさせる映像も垣間見られる。 すんなり見られる映画である。

『太陽の少年』 陽光燦爛的日子, 1995

 中国、台湾合作映画
 場面は中国。中学生の少年達の物語。一人の少年の記憶(妄想?)をもとに構成されている。 中学生の時の「現実」と、思い描く「理想」をごっちゃにしている。 中学生の時の、「現実」には満たされることのない、そしてこれからもずっと永遠に満たされることのない憧憬を見事に描いている。 自分の理想を現実の中にくみ入れて回想しているのにはなんともいえない物悲しさを感じる。 自分を中心に空想しているところは共感できる。当時の思考は、自分の都合の良いように考えてしまうものだ。 恣意的な判断をしがちだ。理想と現実を織り交ぜて「自分」の物語を作っているのもよくわかる。 中学生の時の無謀さ、若さ、残酷さ、罪悪感のなさもよく表出されていると思う。

『太陽はひとりぼっち』 L'Eclipse, 1962

 アラン・ドロン、モニカ・ヴィッティ、フランシスコ・ラバル出演、ミケランジェロ・アントニオーニ監督
 フランス、イタリア映画
 2人の男女の微妙な距離や関係を描く。
 全般的に日常的な時間が描かれているが、男女の関係に終止符を打つ永遠と会話がつづられていたり、株の暴落で多くの人が大損する状況が描かれていたりする。 また、男と別れたその女性が、別の男と恋仲になる過程が描かれている。なお、劇的な出会いがあるわけでもなく、重苦しい雰囲気が漂う感じである。会話から全体を判断するというより、感じる映画である。

『大陸横断超特急』 SILVER STREAK, 1976

 fake, forgery(贋作) がキーワードであろう。本物と偽物との差が事の発端である。 ユーモアも含めて素直に見ることができる。緊急時に牛の乳を絞っていたり、パトカーで逃げている時に 泥棒がひょっこり現れたり、出来事のギャップがおもしろい。 最後の列車が駅に突っ込むシーンはとても迫力がある。列車が駅を壊してなぎ倒していくところは鉄の重みを感じる。 重量感あるシーンである。相棒となる泥棒がいい役を演じている。 列車の中で変装で給仕として働いているシーンなどもほくそえむようなところである。

『宝島』 Treasure Island, 1950

 ボビー・ドリスコール、ロバート・ニュートン、ベイジル・シドニー出演、バイロン・ハスキン監督
 一枚の宝の地図を手に入れたことから、怪しげな船員をつれて海賊の宝が隠されている島へ出航する。
 だましたり、裏切ったりするのだが、基本的には人情を持っていて、残酷な殺戮などはしない。 海賊には容赦はしないが、堅気の人間にはきちんとした礼を示す。悪いことをしているのだが、無意味な殺人をしないなど、そういうところは救いがある悪者である。 素朴でストレートなストーリーであり、とてもよい。

『誰がために鐘は鳴る』 FOR WHOM THE BELL TOLLS, 1943

 サム・ウッド監督、ゲーリー・クーパー、イングリッド・バーグマン出演
 戦争の任務中に出会った男女の物語である。 端の爆破任務を遂行するために現地へと赴く。 そこで出会ったのは戦争で両親を失い、人間的尊厳を損なわれた過去を持つ女性だった。 男は女性の過去を受け入れようとし、女はこれからの人生を前向きに生きようとする。 橋を爆破する必要がなくなったことを将軍へ伝えにいく時間だけが二人の幸せな時であった。 間に合えばずっと幸せなときが続くはずであったが、その望みもはかなく消えてしまう。 戦争によって引き裂かれる男女の霧のかかったような人生を描いている。

『黄昏』 ON GOLDEN POND, 1981

 湖畔で娘の13歳の男の子と過ごす。多少、痴呆の入った80歳の男性にとって13歳の孫はとてもいい遊び相手である。 難しい年頃の少年にはもう覇気のない人と接したほうがいいだろう。 同年代の少年とはうまく接することはできなくても、年が離れている人とは案外うまくいくものである。 一人の人とうまく接することができるようになると、別の人ともうまくいくものである。 一人の人と深く付き合うことができれば、同年代の別の人とも仲良くできるものである。 少年にとっては湖畔での生活は一種の社会へ適応する過程だったのだろう。 また、このことは同時に孫を通して自分の娘ときちんと向かい合う準備になったのだろう。 父娘関係の修復の役割をこの少年は無意識的に果たしたのだろう。 祖父と孫の関係が父娘の関係を修復し、少年と母親と、少年とまわりの人との関係を良いものとした。 優雅な風景の湖畔でのゆったりとした生活は人の心をゆったりさせる役割を果たしていた。

『たそがれ清兵衛』 , 2002

 真田 広之、宮沢 りえ、大杉 漣、小林 稔侍、吹越 満出演、山田 洋次監督
 日本映画
 哀愁が漂う映画である。貧しいながらもそれに耐え、子供の成長を見守ろうとする。 出世をすることを考えず、人にこびず、その日を精一杯家族とともに生きる。 そういうひたむきさが日本人として共感できるのかもしれない。 飽食の時代を体験し、飢えることがないという幻想を抱いている現代の日本社会で、貧しかった昔の忍耐、心の豊かさを感じることができる。 子供をいたわり、生活に追われ子供とともに生きる。さらにその成長を自分の喜びとし、季節とともに生きる。 本来、人間として当然の生活を送り、人生を全うするその姿がとてもよい。 他人の生活、身分と比較するのではなく、現時点としての自分の生活をこなす。 誰かに認められようとするのではなく、自分として生きる。かけひきもなく、そういう自然な姿が表現されている。 清貧を生き、それに悔いることなく、幸せに生活する。 エンディングの歌はあっているのかと思う。

『旅路』 Separate Tables, 1958

 リタ・ヘイワース、デボラ・カー、デイヴィッド・ニーヴン、ウェンディ・ヒラー、バート・ランカスター出演、デルバート・マン監督
 coward(臆病)から勇気を出す。臆病であることから、奇怪な行動をする。臆病であることから、人生を楽しめない。 臆病者同士が無意識のうちにつながっている。人生においてそのことに気づいていない。母親に管理され、意思までも奪われる。 臆病であることから、自分を偽り、別の自分を作り出す。
 また、過去の離婚したことのある二人は、お互いに一緒にいれば傷つけあい、別れればお互いに自分を責めあう。 まだプライドを持っているが、相手のことを想い訪ねて来る。 話し合い、お互いの気持ちを表現し、偽りを取り除けば、素直な気持ちが表現できる。
 リタ・ヘイワースは複雑な魅力がある。

『たまゆらの女〈ひと〉』 周漁的火車), 2002

 コン・リー、レオン・カーフェイ、スン・ホンレイ出演、スン・チョウ監督
 中国映画
 男女の恋愛を描く。彼の家に週に2回電車に乗って通う。しかし、彼の転勤を機に離れ離れになる。 もう一人、別の男が彼女の事を追いかけ、微妙な男女関係が描かれている。 相手に対して舞い上がるあまり、周りの状況判断が鈍くなる。 誇大に評価してしまう。しかし、実態はとても淋しいものであり、そこには現実という評価が待っている。 心と体のつながりが、時間と共に、回数を重ねるたびに、さらに強固なものとなる。 しかし、さまざまな要因により、リズムが狂い出すと次第に放れていってしまう。 感情や心情の変化というよりは、大人の男女の関係に焦点が当てられ、 さらに経験の少ないような愛情による短期間の「盲目」な部分を描かれ、それが美化されているようだ。

『タワーリング・インフェルノ』 THE TOWERING INFERNO, 1974

 ポール・ニューマン、フェイ・ダナウェイ出演、ジョン・ギラーミン監督
 destiny 運命は予め決められているにしても、結果として運命だったと認めるにしても、 その事態が突然に訪れるまでは全くわからないものである。 結果を受け入れるための言葉であるとしても運命というものは突然すぎるものかも知れない。
 煙、火の上昇、爆発、高層ビルなので飛び降りようにも飛び降りれない非難方法、 消火手段など、上に伸びる密閉された空間での人間の動きの制約を思い出させられる。 火や煙の動きは純粋にわかっていることなのだが、 企業の利益とリスク管理の甘さが防災の妨げとなり人災として被害が拡大する。 高層ビル火災の恐怖をとてもひどく感じさせる映画である。


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