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映画の感想

ヤ行

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『野獣教師』 The Substitute, 1996

 トム・ベレンジャー、ダイアン・ヴェノーラ、アーニー・ハドソン出演、ロバート・マンデル監督
 高校を舞台に麻薬の密売と密売組織を代理教師となった傭兵が倒すストーリーである。
 かなり奇抜なストーリーである。校長が生徒を操り麻薬の売買をさせ、スクールバスで麻薬を運び、高校の地下倉庫に保管しているという内容はとてつもなく興味深い物語である。 しかし、荒廃している学校や社会であるなら可能性としては起こりうることかもしれない。通常のエンターテイメントである。 アクション的には通常のものであり、それほど大規模で大胆なものではない。

『山の郵便配達』 那山 那人 那狗, 1999

 トン・ルゥジュン、リィウ・イェ、ジャオ・シィウリ、ゴォン・イエハン出演、フォ・ジェンチイ監督
 中国映画
 息子は山間部を歩いて配達をする父の郵便配達の仕事を受け継ぎ、初回は、父と犬とともに配達にでる。道すがら、父の仕事といままで疎遠だった父のことを理解するストーリーである。
 仕事に対する責任や誇りを持つことの大切さが伝わってくる。紙飛行機はそれ自体には推力はないが、風に吹かれゆらゆらとゆれながらも前へと進んでいく。 人も前に進んでいく気持ちと人に支えられながら、助けられながら進んでいくものなのかもしれない。 父と息子、息子と母、母と父の関係を郵便配達をしながら息子は感じる。父は息子の成長を、息子は父の愛情を理解する。家族の思いやりや繋がりを感じることができる映画である。

『ヤング・シャーロック ピラミッドの謎』 YOUNG SHERLOCK HOLMES : PYRAMID OF FEAR, 1985

 ニコラス・ロウ、アラン・コックス、ソフィー・ウォード出演、バリー・レビンソン監督
 アメリカ映画
 新聞の三面記事に載った二つの死亡記事に疑問を持ったホームズはロンドン警視庁へこれらは事件であると助言をするが、警部補からは全く相手にされない。 ホームズの知り合いが同様になぞの死を遂げたことで疑問はさらに増し、助手のワトソンとともに自分たちで解決しようとする。 死亡した男性の姪で、恋人も事件に巻き込まれながら、真相に迫るが・・・。
 ホームズを演じている人はそれほど聡明には見えないが、若き日のホームズということであんな感じなのかもしれない。 また、原作に基づいている作品ではないということで特に推理に疑問符を投げかける必要もないと思う。 軽い感じの冒険物語である。

『ヤング・マスター』 The Young Master 帥弟出馬, 1980

 ジャッキー・チェン、ウェイ・ペイ、元彪、シー・キエン出演、ジャッキー・チェン監督
 香港映画
 孤児で一緒に引き取られた道場の兄弟子を連れ戻すために旅に出る。 道中、扇子をもっていることで囚人を逃がした犯人と間違えられる。濡れ衣を解き、、兄弟子を救うために、悪党のボスと対決する。 スカートを使用した格闘シーンは新鮮な感じがしたが、最後の決戦の格闘シーンはすこしマンネリした感じがした。 ユーモアや笑えるシーンはそれほどない。

『ユー・ガット・メール』 YOU'VE GOT MAIL, 1998

 トム・ハンクス、メグ・ライアン出演、ノーラ・エフロン監督
 最初のほうの部分で、メールでやり取りする二人が同じ街ですれ違っているシーンは 街の雰囲気や二人のそれぞれの生活を映し出しているのでとても良い。 街の匂いや、地道に生きている二人の様子がとてもよく表わされている様に思う。 しかし、後半部分の二人がくっつく過程はなんだかあまりロマンチックではない。 もっと、正体を知ってから思い悩むシーンなどが欲しいような感じがした。 現実と仮想の世界、それぞれの世界で作り上げられた人間たちが現実の世界で同一になる。 一人の人間が、二つの世界で平行に時間を作り上げていたが、その時間を一致させる。 それがうまくいくと良いのだが、現実と仮想の人物が何の問題もなくギャップを埋められるとは限らない。 むしろ、自然に、素直にそのまま現実の世界で受けいれられることのほうが不思議である。 仮想の世界の中で少ない情報で想像を駆使して作り上げられた人間同士が現実の世界でそのまま共感できるとは限らないが 可能性が無いわけではない。その可能性を最大限に膨らませた作品のように思う。

『U-571』 U-571, 2000

 マシュー・マコノヒー、ビル・パクストン、ハーベイ・カイテル、ジョン・ボン・ジョビ出演、ジョナサン・モストゥ監督
 ためらったり、立ち止まったりすることで部下を死なせる結果となることを助言と体験で分かるようになる。 やさしさや面倒見のよさで信頼されることから生死を任せられる信頼を得る。 物分りのよさや理解をすることよりも指導力、統率力があるほうが真に慕われる。 作品全体としては緊張感や恐怖感を感じられるが、後もう1つ圧倒されるような感じがかけているように思える。 それぞれの任務に対する巧拙が表現されていて、もっと専門的なことがあればさらにリアリティのある作品になるよう思う。

『ユージュアル・サスペクツ』 THE USUAL SUSPECTS, 1995

 ガブリエル・バーン、ケビン・スペイシー、スティーブン・ボールドウィン出演、ブライアン・シンガー監督
 素直に見れば、最後まで真犯人がだれかがわからないようなストーリーになっていて見ごたえがある。 謎の名前だけが人々の恐怖を誘う。実態があるのかないのかもわからぬまま、 憶測だけが先行してはっきりとしない不気味な不安が広がる。その名前にわけもわからぬまま踊らされることになる。 初対面であるということを利用して、自分自身を別の人間として作り上げていく。 自分の情報を設定してそれにそって言動する。 最初の情報が間違っているので、その人物を演じている限り不信感は浮上しない。 人間が持つ印象がどれだけ真実と違うのかということを痛感させられる。 人が判断するときに、客観的に見ているつもりでも、かなり人間の経験とか心情が入り込んでいることがわかる作品である。

『U・ボート』 DAS BOOT, 1981

 ユルゲン・プロフノウ、ヘルベルト・グリューネマイヤー、クラウス・ヴェンネマン、ベルント・タウバー、マルチン・ゼメルロッゲ、クロード=オリヴィエ・ルドルフ出演、ウォルフガング・ペーターゼン監督
 西ドイツ映画
 第二次世界大戦、ドイツ軍の潜水艦の出撃、戦闘を描く。潜水艦なので艦内での映像が多く、閉塞された感じがある。
 敵国との戦闘が前提だが、潜水艦内での自分との戦いが重要であるように思える。潜水している間は閉じ込められた感じであるし、 駆逐艦の機雷が襲ってくる時には、ものすごい衝撃と爆音と周の状況が見えない恐怖がある。潜水中はどこへも逃げ場のない恐怖がある。 恐怖に負けない自分がいることが前提のように感じる。戦闘におびえて持ち場を離れた兵に対して艦長が拳銃を持ち出したシーンや、 魚雷で撃沈させた船から助けを求める人が海へ飛び込んだが、助けることなく後退するシーンなどは儚さを感じさせる。

『郵便配達は二度ベルを鳴らす』 The Postman Always Rings Twice, 1946

 ジョン・ガーフィルド ラナ・ターナー セシル・ケラウェイ出演、ティ・ガーネット監督
 ヒッチハイクで旅の途中、求人の看板を見て、そこに美人の女がいることで即座に働くことを決めてしまう。しかし、その女は店主の妻であった。
 それほど、魅力的な感じではない女性だが、その女性を駆け落ちをしようとしたり、店主を完全犯罪で殺して二人で暮らそうとする。 最後の、死刑が執行するときに、店主に対する罪で死刑になるということを聞かされ、納得するシーンがとても印象的である。 一度は、無罪となったが、別の事件で有罪となり、その刑の執行が無罪となった罪で罰せられるというのである。 とても、道徳的というか、身から出たさびという感じである。

『郵便配達は二度ベルを鳴らす』 The Postman Always Rings Twice, 1981

 ジャック・ニコルソン、ジェシカ・ラング、ジョン・コリコス出演、ボブ・ラフェルソン監督
 ヒッチハイクをしながらロサンゼルスへ向かう途中、給油に立ち寄ったカフェ兼ガソリンスタンドで飯を食べようとするが、 乗せてきてもらった先に店を出た運転手に財布を盗まれたといい、カフェの店主に金を払えないという言い訳を始めた。 店主はいぶかしげだったが、男が修理工と聞き、自分のガソリンスタンドで働かないかと持ちかけた。 男は最初断ったが、料理を作った店主の妻に魅力を感じ結局そこで働くことにした。 不釣合いの夫婦であり、お互いの関係は冷ややかなものだった。 ある日、店主が仕入れに出かけていたときに、その妻を無理やり押し倒そうとする。妻は最初は抵抗したが、その男を受け入れてしまう。 そこから、その男と妻の人生がゆっくりと着実に壊れていく。
 悪い考えが浮かび、悪いことをすると、悪いことがばれないようにさらに悪いことでごまかそうとする。 うまくごまかせたと思っているところにさらに悪いことをしなければならなくなる事態が生じる。 結局、悪いことが循環して大きな罪を作り出し、その流れに沿わざるを得ない状況となる。 流れは変えることはできず、最後にはむなしさだけが残る結果となる映画である。

『ゆりかごを揺らす手』 THE HAND THAT ROCKS THE CRADLE, 1992

 アーニー・ハドソン、アナベラ・シオラ、レベッカ・デモーネイ、ジュリアン・ムーア出演、カーティス・ハンソン監督
 Solomon がいい役になっている。ソロモンという名ははユダヤ人に多い男の名前であり、 紀元前10世紀のイスラエルの賢王。ソロモンが「あの家族を助ける」と言ったようになっている。
 ベビーシッターは子どもを想うゆえの犯行のように思う。実際、二人の子どもには危害を与えていないし、 最初に赤ん坊を見た時に、自分のお腹をさすっている。子宮は無くなっても何かを感じているのかもしれない。 散歩中に赤ん坊を自分の子どものように知らない人に言われたり、自分の乳を赤ん坊に与えたりして 自分を本当の母親であるように勘違いしている。エマをいじめる子を懲らしめたり、エマと二人だけの秘密を持ったり 母親役を演じている。赤ん坊の部屋を前にいた自分の部屋の模様にしたりしている。
 奸計はうまい具合に効果を現してベビーシッターの思い通りにしている点は良い。 人の気持ちを操ってそれぞれの人間関係をだめにしている。家族の中に入り込んで彼女の地位を上げている。 それぞれが人間関係で混乱しているときでも第三者的な目を持っていたのは、ソロモンとベビーシッターであった。 ソロモンは追い出されてしまったが、家族をずっと見守っていた。 ベビーシッターは子どもを思う気持ちを出しすぎて破滅の道に行ってしまう。

『許されざる者』 The Unforgiven, 1960

 バート・ランカスター、オードリー・ヘップバーン、オーディ・マーフィ、ジョン・サクソン出演、ジョン・ヒューストン監督
 過去に先住民の娘を養女として育てたことによって牧場を営む白人間でいざこざが起こる。最初はその娘のことを誰も先住民の娘であることは知らなかったが、 一家に恨みを持つ老人によって吹聴された住民たちが事の真偽を確かめる。 また、そのことを知った先住民のカイオワ族は自分たちの民族の娘を取り戻そうとやってくる。 最初は平和的に馬と交換を申し出るが、交換を拒否されたことで娘を取り戻そうと襲撃に出る。
 レイチェル(オードリー・ヘップバーン)はとてもチャーミングであり、ほかの娘たちと比べてもはつらつとしていてよい娘であり、 先住民の娘なのにというギャップがある。 先住民との和解を拒絶したこと、「妹よ」という先住民を殺すことで「血」としても決別をする。

『許されざる者』 UNFORGIVEN, 1992

 クリント・イーストウッド、ジーン・ハックマン、モーガン・フリーマン出演、クリント・イーストウッド監督
 いろいろな対比がある。死を恐れる人間や、人を殺すことを恐れる人間。 無法地帯であることが人に夢を与えるが、人を苦しめもする。 理想の世界と現実の汚さがある。宗教的な葛藤もある。 自分の精神的な理想と、現実の言動のギャップに苦しむ。 自分の妻との約束や誓いを破ることへのためらいがある。 葛藤をしながら苦しむが、いったん葛藤がなくなると自分の中に自分の行動が正しいのだと思う気持ちが生じる。 自分の行動は正しくはないのだが、正しいことをしていると思いこむことで自分を納得させようとする。 思考が変われば感情と行動が変わる。感情が変わると、思考と行動が変わる。 行動が変われば感情と思考が変わる。一つを変えると何かが変わる。 人は生きるために何かを変えて生きている。

『揺れる評決』 SWING VOTE, 1998

 アンディ・ガルシア、ジェームズ・ウィットモア、ケイト・ネリガン出演、デヴィッド・アンスポー監督
 女性の権利と、胎児の人権との間で合法、違法を決めようとする。 子供を産む生まないの選択の権利と、胎児の生きる権利が対立する。 人間が取った行為に対する責任をどういった法律で取り締まるのかという問題がある。 望まれない胎児や、望まれた胎児、その胎児の生きる権利をどのように扱うかが焦点となる。 望まれない胎児が、望まれないまま生まれ、そのまま育つことを考えるととても残酷である。 しかし、その胎児がどのように育つのかは誰にもわからない。 また、その胎児がどのような意思をもっているのかも分からない。 できた胎児と、その胎児の意思の尊重が人間の裁量によって決められるという問題を扱っている。

『容疑者Xの献身』 , 2008

 福山雅治、柴咲コウ、堤真一、松雪泰子出演、西谷弘監督
 絶望を背負っている時に、ある母子に会い、一瞬光明が差した。その光明を受け止めるように、取りこぼさぬように、大切に何とか見守り続けようとした。
 石神と湯川が山に登る場面が人間の心情と覚悟を顕著に表現しているように思う。 一方は友達だと思っている、他方は友達なんていないと言う。そして、頂上で「今は僕の人生は充実している。この景色を見て美しいと感じることができる。」と言う。
 また、2通の手紙、一方はプリンタで印刷した文字、他方は直筆の文字。自己犠牲というより、ただ母子への見返りを求めない感謝なのだろう。

『容疑者 室井慎次』 , 2005

 柳葉敏郎、田中麗奈、哀川翔、八嶋智人、吹越満、柄本明出演、君塚良一監督
 捜査本部長の室井は特別公務員暴行陵虐罪の共謀共同正犯の罪で逮捕されてしまう。
 部分的にリアリティがあることで映画も真実味を帯びるが、この映画はちょっと行動や表現の演出がやりすぎな感じである。 笑える部分やわけの分からない会話の掛け合いはほとんど無いが、会話のやり取りでの沈黙、無音はなかなかよい。内容的に心情に訴える部分がある。 田中麗奈のシャープさが映画を引き締めている感じである。正義を追求し、何かに立ち向かう「勇気」がキーワードである。 新宿が舞台だが、あまり新宿の街並みが感じられない。なお、この映画単体で見たならば、ほとんど感情移入はできないだろう。 事件解決にたどり着く進捗がかなり省略されていて、逮捕されたきっかけを忘れるような感じである。

『浴室』 SWING VOTE, 1988

 フランス映画
 トム・ノヴァンブル、グニラ・カールセン出演、ジョン・ルヴォフ監督
 なんともけだるい感じがある。よりよい生活を追及するというよりは、自分のみの快適さを害するものを排除するような自己中心的な身勝手さのように思える。 社会性のある生活ではなく、自分がよければよい、他人の事は知らないし、知りたくもない、自分に優しくしてくれる人、快楽を与えてくれる人は好むが、 ひとたびそうでなくなると、興味を失う。自分のやりたい事の範囲でしか、かかわらないし、人とのコミュニケーションをとろうとしない。 人に何かを積極的には強要しない無関心さが、ある文化や風土では自己を満足させるものという精神的な豊かさになるのだろうか。 観念的な意味では興味深い内容である。

『欲情の媚薬』 EXIT IN RED, 1996

 ミッキー・ローク、アナベル・スコーフィールド、アンソニー・マイケル・ホール出演、ユレク・ボガエヴィッチ監督
 時間の流れを追うことができる。二人の男と一人の女が三人の現在を作っている。男二人は以前は面識は無かったのだが、 一人の女に巻き込まれてしまう。一人の女が別の男と二つの過去を進行させていた。 男の一人が過去を回想しながら現在が進行している。二人の接点がだんだん明らかにされ、一人の女の存在が明らかになる。 回想がだんだん現在に近づいてきて、過去のことが明らかになり、回想の過去の時間が現在に追いつく。 そこに女も加わって三人で現在を進行させている。
 人間関係のはかなさを感じる。人間を信頼することの不確かさ、不確実さ、あいまいさを感じる。 人を信じて、その思いを打ちひしがれて、信頼関係に虚しさを感じる。 裏切り、騙しに絶望的な焦燥感を感じる。虚無感がある。疲弊感を漂わせながら、人間味のない渇いた心を感じる。

『欲望という名の電車』 A Streetcar Named Desire, 1951

 ヴィヴィアン・リー、マーロン・ブランド、キム・ハンター、カール・マルデン出演、エリア・カザン監督
 貴婦人を装って妹夫婦の家に転がり込んできた女の不運と堕落、発狂までを描く。 妹の夫は、下品で酒に酔うと妹をぶったり物を投げて壊したりしていた。また、夜には仲間とカードにばかりはまっていた。 しかし、妹はそんな夫に愛想をつかしてはいなかった。しかし、気取った姉が来たことで妹の夫は不機嫌となり、夫婦喧嘩も増えていった。 義姉のことをよく思っていなかった夫は町で義姉のよくないうわさを耳にする。 それを義姉に好意を持っていた仕事仲間に告げ、義姉の誕生日にも来なくなってしまう。義姉はその彼に結婚を迫るが、男は冷淡にあしらう。 妹が産気づいた夜、義姉は夫に暴行され、翌朝発狂したまま病院へ送られることとなった。
 欲望によって放蕩生活をし、屋敷をかたに取られ、虚栄心から自分の身を崩していく、また、欲望によって暴行され、自分の人生を終わらせしまう。 「電車」が運んできたもの(事)と周りのその影響を考えると、複雑なものが残る。

『欲望の翼』 Days of Being Wild 阿飛正傳, 1990

 レスリー・チョン、カリーナ・ラウ、アンチイ・ラウ、マギー・チョン、ジャッキー・チョン、トニー・レオン出演、ウォン・カーウェイ監督
 効果的な音楽が流れることはそれほどなく、雨音、バスの音、電車の音、街の音が多く流れている。 映像的には何か無関心さがにじみ出ている。遠くから傍観している感じだ。 または、全体が見えないほどのクローズアップがある。欲望はあるが、それにはどこか無関心である。 求めても、望んでもどこかずれている、またすれ違いがある。そこに残ったのは後悔ではない。ただ虚無感である。 モラトリアム的な若い世代がそれぞれうごめいている。 英雄ではなく日常にいるが、どこかエネルギーの流れの方向が違っている若い男女がここに存在している。

『黄泉がえり』 , 2003

 草g剛、竹内結子、石田ゆり子、哀川翔、山本圭壱、伊東美咲、RUI出演、塩田明彦監督
 たった一瞬だったとしても、愛し合えている時間があったことで自分が幸せになれる。または、幸せを感じて生きていけるという。 設定はどうであれ、上記のようなメッセージが込められているのなら、映画の全体的な印象で感じてもよいかもしれない。 生きる上でのひとつの捉え方を示している。


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