-映画の感想-

☆英語で書いた感想へ In English

映画の感想

ア(は)〜

ア〜(な)  ウ エ  カ行 サ行 タ行 ナ行  ハ行 マ行 ヤ行 ラ行  ワ行

『AVALON』 Fire Birds, 2000

 マウゴジャータ・フォレムニャック、ウラジスラウ・コワルスキ出演、押井 守監督
 ゲームの中で仮想の敵を倒し、経験値を積んでいく。また、それが稼ぎとすることができる。 敵を倒し、レベルが上がり、さらに、強敵を倒す。また、中毒的に難易度の高さを求めていく。 難易度を求めるがあまり、現実の自分をだめにしてしまう。また、ゲームの世界と現実の世界を交錯させてしまい、自分を滅ぼしてしまう。

『アパッチ』 Fire Birds, 1990

 ニコラス・ケイジ出演
 スピード感はあまりない。戦う理由は分からなくないが、特に納得するものでもない。 極端な女性蔑視をするパイロットが別の女性パイロットといい関係になる。 そのあたりの伏線も理解しがたい。訓練と実践が別物だということも分かるが、 実践を積んだパイロットは撃墜されるが、実践のないパイロットが簡単にヒーローになるストーリーは受け入れがたい。 相棒は打たれるが、自分ひとりで敵を撃ち落すという内容は見ていて到底同意できるものではない。 対空ミサイルで戦闘機を撃ち落すという荒業を披露するが、現実でそんなことがあるのだろうかと思う。 飛行機やヘリコプターが飛んでいるのを見るのは悪くはないが、緊張感やスピード感がないのがとても残念である。

『アフターショック ニューヨーク大地震』 AFTERSHOCK earthquake in New York, 1999

 一つの事柄について多くの視点や心情を多く描くのは良いと思うが、それをすることで何かのテーマを感じさせてほしい感じがする。 個々のケースを描くのは良いが、そのケースがただ単につながりのないものならそれは何を意味するのだろうか。 ドキュメンタリーではないのに何を伝えたかったのかわからない。 父と娘、母と息子、親子関係の絆でも表現したかったのだろうか。もっと関連性のあるケースをたくさん集めて 何かを伝えようとしたほうが良いように思う。全体的に人々の会話に違和感を感じる。 地震が起こったのだが、緊迫感が感じられない。悲惨さというか恐ろしさを感じさせない映像であった。

『アポロ13』 APOLLO 13, 1995

 トム・ハンクス、ケビン・ベーコン出演、ロン・ハワード監督
 事故発生前と、後の観客の反応の違いが大きい。マスコミなども事故発生前にはあまり興味を持たなかった。 当たり前だが事故後には興味津々となる。 事故が起こってからは、それまで想定していた「数字」がすべて狂ってくる。 酸素量、3人分の二酸化炭素排出量、アンペアの残量、持ち帰るはずだった月の石の質量。 二つの宇宙船がある。一つは実際に打ち上げられた宇宙船。 もう一つは、ケンがシュミレーションをしていた船。 同じ状況下にして善後策を模索する。 再突入時にLEMを切り離すときの乗組員の表情がよい。 月面着陸の夢の象徴だったものが完全に失われたということと、 事故後から命を預けてきたカプセルを失ったということだろう。 狭くて閉鎖された宇宙船と、知を持った人間が集まっている管制室とが問題解決に全力を尽くしている映画である。

『アマデウス』 Amadeus, 1984

トム・ハルス、F・マーリー・エイブラハム、エリザベス・ベリッジ出演、ミロシュ・フォアマン監督
 モーツァルトを殺したという男がモーツァルトの生活や作品について語る。 宮廷作曲家としての立場からモーツァルトと接し、見て、感じたことや作品を通して彼の人生を語る。 モーツァルトの才能へ対しての嫉妬を交えながら彼とのかかわりについて話す。他者の能力を見極めることができるが、自分には作曲能力がないことに苦悩する。 作品中に流れるモーツァルトの曲を聴くと改めてすばらしさを実感する。 短くはかなく散っていったが、人生を謳歌し、才能を枯らさないエネルギーの源、それによって自ら命を縮めた感じがする。

『アメリ』 Le Fabuleux destin d'Amelie Poulain, 2001

 オドレイ・トトゥ、マチュー・カソヴィッツ、リュフュ出演、ジャン・ピエール・ジュネ監督
 住人によりビデオに残されたメッセージがこの映画の主張であるなら、どこにでもあるような印象が残るだけである。 映像の色合い、顔のアップの多用は特徴的であるが、空想の世界でしか張り合いがもてないのであれば、本当はむなしいだけであろう。 また、人生の中でそれに気づいて、社会性を回復させ、奇行ではあるが行動的になるというストーリーであるなら、新鮮味はあまり感じられない。 まじめな話や切実な話を軽いタッチで面白おかしく映像にするのなら逆に効果があるが、 このような内容の映画ではナレーションにより淡々と進んでしまったのであまり効果は無いように思う。

『アメリカの災難』 Flirting with disaster, 1996

 ベン・スティラー、パトリシア・アークエット、テア・レオーニ出演、デヴィッド・O・ラッセル監督
 実の父母と会うためにいろいろな人たちを巻き込んで旅をする。 血縁が与える人間の心理へのあいまいさ表している。 血がつながっていることで自分のルーツを確かめられるという安心感と これまで自分が築いてきた自分自身との隔絶がある。 祖先を確かめることで自分自身が大地に立てるかのように錯覚する。 自分が何処から来て、自分が何処に帰属しているのを血によって確認しようとする。 同じ行為でも血縁者と他人とで対応が違ってくる。 同じ行為でも人間の感情次第である。血がつながっているか否かにより受忍するか拒絶するかが決まってくる。 ルーツを探すことで結局は自分自身を本人だと認めて自分を個として納得させようとしているに他ならない。 「自分の意思」だと気づき、判断する基準は、人間そのものが持っている心理状態に強く影響するということがよく分かる。

『アメリカン・バッファロー』 AMERICAN BUFFALO, 1996

 ダスティ・ホフマン、デニス・フランツ、ショーン・ネルソン出演、マイケル・コレント監督
 短絡的で頭の弱い現実性を欠いた理性のない人間は金儲けはできないということだろう。 一枚のコインから馬鹿なまねを仲間内ですることになる。 一枚のコインに振り回され、金儲けをするつもりが逆に損をすることになる。 金の使い方も知らないし、金の稼ぎ方も知らない。 体力も気力も消耗してしまう。しかし、自分の馬鹿さ加減には気づくことのないところが良い。 無駄な労力を使う一日を描いている。筋の通らないその場かぎりの言葉を並べる。 お互いに間抜けさを露呈させるような対話をする。潜在的な犯罪は街中にはいくらでもありそうな情景を描いている。 大人になっても馬鹿なことをやっているというやり取りをとてもうまく演技している。

『アメリカン・ビューティ』 AMERICAN BEAUTY, 1999

 ケヴィン・スペイシー、アネット・ベニング出演、サム・メンデス監督
 虚構と真実、虚構で固められた現実。 美は美しい、美は真実である。 真実は汚い。虚構で彩られた美、その美の真実は美しい。 見た目に美しい美、その真実は薄汚れている。 自分らしさという解放、自分らしさという身勝手。 平常心とはずれている日常、平常を装っている日常。 倦怠と平凡、そこに虚構の美を求める。 綺麗は汚く、汚く見えるものは綺麗であったりする。 病的な日常と健全な日常との境があやふやになる。 何が正常で何が異常であるのか。自分を見出し、それを維持していく難しさを感じる。 幸せな家庭、限りなく崩壊に近い家庭。崩れ去る家庭はどちらであろう。 それは両方であるかもしれないし、幸せに見えるほうかもしれない。 何かを維持できるできないは、人間の中にあるちょっとした「冷静さ」なのかもしれない。

『アメリカン・フライヤーズ』 AMERICAN FLYERS, 1985

 ケヴィン・コスナー、デヴィッド・グラント、レイ・ドーン・チョン、アレクサンドラ・ポール、ジャニス・ルール出演、ジョン・バダム監督
 疎遠になっていた兄弟、親子の間の絆を病気とレースによって取り戻す。 怒りによって意思は離れて行き、死を確実に感じることによって人の意思が歩み寄ろうとする。 弟のために兄ができること、兄のために弟ができることがある。 病気が遺伝しているかどうかについてそれぞれが不安を感じる。 いつ死が訪れるかわからず残った人生で兄弟のことを考える。 事実がわかることにより想いを理解し、想いが伝わる。

『嵐の中で輝いて』 Shining Through, 1992

 マイケル・ダグラス、メラニー・グリフィス出演、デイヴィッド・セルツァー監督
 見所はどこだろう。見所らしい見所が無いように感じる。ストーリーに抑揚が無い。 回想なら、現在の感想も効果的に入れるような設定が必要のように思える。 淡々と出来事が進んでいき、それほど、激動の時間を過ごしたとは感じられない。 スパイ活動を重要視するのか、人種差別、迫害の問題を取り扱っているのか、 恋愛や救出活動を重要視しているのかいまいちはっきりしないストーリーである。 恐怖感や、緊迫感をあまり感じない映画である。

『あらしのよるに』 , 2005

 声:中村獅童、成宮寛貴、竹内力、山寺宏一、林家正蔵[9代目]、KABA.ちゃん、杉井ギサブロー監督
 アニメーション
 ヤギと狼が嵐の夜に真っ暗の中の小屋で出会い、言葉だけで意思疎通をしてお互いを認識できずに仲良くなってしまう。
 狼に向かない狼もいて、ヤギと仲良くなり、気の合う友達になる。狼としては能力が欠ける。 後に狼とヤギはお互いの仲間に関係がばれてしまい、相手を利用し行動パターンを聞き出し裏切ることを強要される。 しかし、仲間のために裏切るより、狼とヤギは友達を選ぶ。 命を狙われ、追われる身となることを覚悟し、群れとは離れ、自分の望む道を選択する。 もう後戻りはできない。新境地の緑の森を求めて命を賭ける。
 ヤギの目はかわいらしく、狼は愛嬌がある。設定が難しいながら、うまくストーリーをつなげているように思う。 弱肉強食や食物連鎖などあり、なかなか心境は複雑な映画である。

『アラジン』 Aladdin, 1992

 ディズニーアニメ
 現代では失われつつある夢や希望を与えてくれるような映画である。 "truth", "trust me" という言葉がキーワードであろう。 信じるという言葉はとても素敵な言葉だと思う。自分以外の人に対して使うのならなおさらだ。 自分の思想や体が自由であるといこともとてもすばらしいものだと思う。 何をするのも自由と言うわけにも行かないが、秩序のある中で自由と言う概念があればそれはとても良いことだと思う。 真実の姿が偽りの姿に勝り、それが自分にとってプラスの方向へと進めばとても良いだろう。 挿入歌はとても良い。

『アラベスク』 Arabesque, 1966

 グレゴリー・ペック、ソフィア・ローレン、アラン・バデル出演、スタンリー・ドーネン監督
 疑心暗鬼や猜疑心によって、何が本当なのか信じられなくなる。 人の言葉だけではどのような真実が隠されているかわからなくなる。 信じる前提が異なっていたり、真実に近づいたり、遠ざかったりしながら、一歩一歩着実に真実に接近する。 首相を連れて畑を逃げるシーンや、橋の上でヘリコプターから銃撃されるシーンなど逼迫した感じが表れている。 ソフィア・ローレのが魅力的でシャープな感じがよく出ていると感じた。

『アリ・ザ・グレーテスト』 THE GREATEST, 1977

 モハメッド・アリ出演、トム・グライス監督
 差別や宗教、黒人問題、ベトナム戦争など 混沌とした社会の中でボクシングのチャンピオンになる。 暴力、アルコール、麻薬、退廃的な息がつまるような閉塞感がただよう社会秩序の中で 自分が信じるものを見出す。 信じるものの価値観を基準に自分を戒め、耐え、不利な状況を打開していく。 白人社会で貧乏で無知であったところから、宗教に触れ周りを見渡す。 強靭な精神力と生まれ持ったセンスという血をみなぎらせ、頂点へ上り詰める。 意識的に社会を扇動するとか、他を導くというよりは、 自己の状態を認識し、そこから自分ということを達成する力を強く感じさせられる。 他はその力を自然と感じることとなる。

『アルカトラズからの脱出』 THE PORTRAIT OF A LADY, 1979

 クリント・イーストウッド、パトリック・マクグーハン、ロバーツ・ブロッサム、ジャック・チボー、フレッド・ウォード、ポール・ベンジャミン出演、ドン・シーゲル監督
 孤島にあるアルカトラズ刑務所から囚人が脱獄する過程を描く。これまで一度も生きて脱獄できた者はいないという刑務所から囚人達が脱獄しようと企てる。爪切りやスプーンを調達し、脱獄用の穴を掘りつづける。 厳しい監視や拷問などの様子は描かれていなく、囚人達の心情などもそれほど綴られていない。緊張感や切迫感は無い事もないがそれほど手に汗握るという印象はない。しかし、きちんとした筋立った映画である。  

『ある貴婦人の肖像』 THE PORTRAIT OF A LADY, 1996

 ニコール・キッドマン、ジョン・マルコヴィッチ、バーバラ・ハーシー、マーティン・ドノヴァン出演、ジェーン・カンピオン監督
 イギリス映画、ヘンリー・ジェイムズの同名小説(1881)の映画化
 ヘンリー・ジェイムズ Henry James, 1843-1916 は、人間の内面的リアリティに目を向けて、 近代心理主義リアリズムを創始した。彼は、また人間の意識と外的世界との関係について相対的な考え方を持ち、 それに基づいて、小説技法を発展させ、理論化し、後の作家に大きな影響を与えた。 彼は、意識そのものと、意識の変化によって変わって見える外部世界を描いた。
 主人公のイザベルは女性としてというよりも人間として自立して生きようとするのだが、 結婚に失敗したこともあり、苦悩する人生をおくる。私個人的には残された遺産で生活していたわけだから、 そもそも労働をせずに人間として自立しようとすることは精神的には自立していようとも、 社会的には自立しているとは言えないのではないかと思う。 生活が保証されている状態で精神的な独立を望んだところでそれは、自己満足に過ぎないのではないかと思う。 精神的発展を何かの形で社会に還元していくことがなければただの個人的な満足でしかないと考える。

『アルマゲドン』 ARMAGEDDON, 1998

 ブルース・ウィリス、ベン・アフレック、リヴ・タイラー出演、マイケル・ベイ監督
 地球が滅亡の危機をアメリカが救うというストーリーである。
 人間的には荒くれ物であっても掘削にかけてはプロの集団であるというヒーローを作り出す設定である。 また、父親と娘の関係とその娘と恋人の関係、その恋人と父親との関係を短絡的に描いている。 娘たちのために父親が犠牲になるという自分が身を引いて他者を幸せにするというアメリカらしからぬ筋である。 宇宙では、さも地球のように振る舞い、地球のように動き回る。 地球で道路工事でもやっているような感じがした。宇宙から戻ってくる宇宙船は無傷であったのには不思議な感じがする。 また、地球に戻ってきて颯爽と歩いたり、走ったりする所は驚かざるを得ない。

『或る夜の出来事』 It Happened One Night, 1934

 クラーク・ゲーブル、クローデット・コルベール出演、フランク・キャプラ監督
 principle(主義)なのだろう。このことが決め手となる。彼女にとっても、その父親にとっても。 金持ちや上流階級に迎合する人間も確かにいる。しかし、自分のスタイルを持ち続けようとする人間もいる。 スタイルに沿って、認められることは認める、しかし、認められないことは断固拒否する。そういう姿勢が大切なのだろう。 損得勘定なしで自分の主義を貫こうとする。その結果、感情がともなってもそれは避けがたいことである。 彼が求婚するためにガソリン代を捻出しようとする姿はとても痛ましい。 しかし、彼には希望があったのだろう。そこには、これから先に対するささやかな思い入れが感じられる。 お金を手に入れ、彼女の元へ車を走らせている彼の姿がとても切ない。

『暗黒街 若き英雄伝説』 馬貞永/Hero, 1997

 金城 武、ユン・ピョウ、ヴァレリー・チョウ、ユェン・ワー、ユエン・タク出演、元奎(コーリィ・ユン)監督
 香港映画
 裏切り、騙しあいによって命を狙われたり、負傷したり、辱められたりするのだが、変なところで信頼感や人情がある。 裏の世界で暴力によって力を手に入れ、力によって人を支配する。その次は、表の世界での権力を握ろうとする。 暴力を暴力で抑制しようとし、新たな暴力を生み出す。ボスが命を落としたとしても血を血で洗う抗争は止むことはない。 一瞬の栄華が過ぎ去ると傷跡だけが残る。

『暗黒街のふたり』 Deux Hommes Dans La Ville, 1973

 アラン・ドロン、ジャン・ギャバン、ミムジー・ファーマー、ミシェル・ブーケ、イラリア・オッキーニ出演、ジョゼ・ジョヴァンニ監督
 フランス映画
 結果としての事実のみを拾い上げると、銀行強盗で服役した男が出所後、再度罪を犯した、ということだろう。 自分に打ち克つこと、他人の偏見に影響されないことが重要であるが、環境がそれを許してくれない。 社会の中で生活するということは、一人だけで生きていくことではない。 誰かと関わりを持って生きることである。住居や職場で全く孤立した環境に置かれることはまずないだろう。 自分は更正しようとするが、周りの疑いの目が犯罪へと掻き立てる。自分を更正するということは並大抵のことではないだろうし、 社会として助長させるのではなく、抑止できる環境を作り上げられるようにしなければならないだろう。

『暗殺者の家』 The Man Who Knew Too Much, 1934

 ピーター・ローレ、レスリー・バンクス、エドナ・ベスト出演、アルフレッド・ヒッチコック監督
 イギリス映画
 暗殺の陰謀を暴く手がかりを知ることで、暗殺者の集団に娘を誘拐され危険に去らされる夫婦が描かれている。 警察の手にすべてをゆだねるのではなく、自分たちで娘を救出しようとする。 映画の最後、立てこもっている家での警察との銃撃戦で無機質で不規則な銃声がむなしく響いている。これははかなさを象徴しているように感じる。 親というのは際立っていなくても子どものためには自分を犠牲にできるものであるということが描かれている。 やはり、対価を求めない愛情なのと思う。懐中時計の音が自分物を特定することになる。 特徴的なカメラアングルや音楽などは使われていない。


home page