-映画の感想-

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映画の感想

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『OK牧場の決斗』 Gunfight at the O.K. Corral, 1956

 バート・ランカスター、カーク・ダグラス、ロンダ・フレミング、ジョー・ヴァン・フリート、ジョン・アイアランド出演、ジョン・スタージェス監督
 OK牧場で、決闘をする。以前からいざこざはあったが、弟が闇討ちされたことがきっかけとなり、決闘をすることなった。 その前に、助けられたことで恩を返そうとするうちに、ドク・ホリデーと保安官ワイアット・アープの間に妙な友情というかつながりができる。借りは返すという、義理堅い性質を持っている。 泣き言を言うこともなく、正義を貫こうとする。悪に立ち向かい正義や敵のためなら女も捨てて仇を討とうとする。そういうまともな映画である。 正義と悪がいて、正義が正当に闘って勝つという設定はとてもいい。ケイトとドクの関係も微妙な縁で男女関係の複雑さをあらわしていると思う。

『オーシャンズ11』 OCEAN'S ELEVEN, 2002

 ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット出演、スティーブン・ソダーバーグ監督
 ストーリー自体は悪くは無い。それほど飽きることも無く見ていられる。 技術的な面はともかくとして、やりたいことはよく分かる。人選をし、その結束力が維持できるのかどうかは疑問だが、よくまとまっている。それほど違和感無く見ていられるし、元妻の存在は微妙な位置関係を示しているが、面白い役割を果たす。 プロの集団なのか、素人の集団なのか分からないような微妙な人間模様と、指揮官がいるのかいないのか、 それなのに、まとまっているようなチームワークには驚きがある。 Let's do it. ですべてを始める。

『オーシャンズ12』 OCEAN'S TWELVE, 2004

 ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、ジュリア・ロバーツ、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、アンディ・ガルシア、マット・デイモン出演、スティーヴン・ソダーバーグ監督
 『オーシャンズ11』で大金を盗まれたラスベガスのカジノ王、テリー・ベネディクトが復讐をしようとする。
 ストーリーのきっかけと、結末を聞かされただけの映画である。中身が省略されている感じでおもしろくない。キャストは豪華であるが、ただ集まっただけのようである。 それぞれの仲間の役割や個性が出ていない。キャストだけの話題であり、内容の無い映画である。

『オーシャンと十一人の仲間』 OCEAN'S 11, 1960

 フランク・シナトラ、ディーン・マーティン、サミー・デイビス・ジュニア出演、ルイス・マイルストン監督
 戦争中、同じ部隊にいた仲間とともにラスベガスのカジノに強盗に入るストーリーである。計画を練り何度も手順を繰り返し万全の体制で臨むが、最後のところで邪魔が入ってしまう。 最後の場面では虚無感が漂う。なんともしようがない脱力感を醸し出している。 欲を出したり、裏を掻こうとするとすると突拍子もない不運が舞い込んでくるという思いがしてしまう。なんとも、残念だ。くやしいという感情が沸き起こる映画である。 

『オースティン・パワーズ ゴールドメンバー』 Austin Powers in Goldmember, 2002

 マイク・マイヤーズ、ビヨンセ出演、ジェイ・ローチ監督
 品のないネタとばかばかしい笑いは健在だが、1時間も見ていると少々飽きてくるところはつらい。もっとしっかりした部分とのメリハリがあればよいと思う。 節操のない女性のエロさが気になる部分もある。品のある女性の露出の仕方もほしいところだと思う。

『オースティン・パワーズ・デラックス』 Austin powers the spy who shagged me, 1999

 子供のけんかのようなばかばかしさがある。しかし、それほど笑えたわけでもない。 モジョを取り戻すためにいろいろとばかげたことをしながら敵に立ち向かう。 パロディ的な要素をとりいれ、コアな笑いを作り出している。

『オーバー・ザ・トップ』 OVER THE TOP, 1987

 シルベスター・スタローン出演
 負けず嫌いで、頑固さを持つ小賢しい小紳士と粗野なトラックの運転手がいる。 初めて子ども同士で対戦した時に、自尊心を傷つけられる。気高いだけの子どもであって、精神力が強くない。 子ども同士であってもコミュニケーション不足な感じがする。 父と子のふれあいを描いている。子どもの成長を描く。 父と子の橋渡しを母親がする。母親と電話をすることで子どもは父親との親近感を強める。 十数年間の空白の時間を埋めるかのように、父親との時間をおくる。 母親がその空白の期間を補うかのようにフォローをしていく。 アームレスリングの試合はお互いの顔がクローズアップされていて、試合の雰囲気が出ている。 試合の結果には小気味良い心地よさがある。

『オーファンズ』 ORPHANS, 1987

 アルバート・フィニー、マシュー・モディーン、ケヴィン・アンダーソン出演、アラン・J・パクラ監督
 両親のいない兄弟が廃屋で生活している。強盗などをして生活費を捻出していた。 飲み屋で知り合った男を廃屋につれて帰り、その男を誘拐して身代金を取ろうと計画するが。
 男から自制心を体験し、地図の読み方を教えてもらい、中庸の大切さを学ぶ。 変な関係な3人だが、兄弟にとっては人生においてかけがいのない宝を手に入れることになる。 これまで誰にも教えてもらえなかったことをその男から学ぶ。また、これまで場当たり的な生き方をしていたが、自分の行動の結果など先を考えることを学ぶ。

『ALWAYS 三丁目の夕日』 , 2005

 吉岡秀隆、堤真一、小雪、堀北真希、三浦友和、もたいまさこ出演、山崎貴監督
 集団就職で六子(むつこ)は青森から東京へ働きに出てくる。自動車会社に就職のはずが、そこは小さな修理工場であった。 自分が想像したところと違い、がっかりするが・・・。
 戦後十数年が経ち、希望や夢を持ち始める。 現実はまだまだ厳しいが、「これから」が待っている。 豊かさを手に入れようとし、実現させようとする骨太な気力、活力がある。 また、本音をぶつけ合い喧嘩をすることもあるが、同時に感謝や優しさもそこにはある。 お金が無く買えなかったので実際には指輪は無いが、その指輪をはめるシーン、淳之介との別れのシーンと手紙のシーンや、六ちゃんの里帰りのシーンなどエピソードの集まりとなっている。 万年筆を持って淳之介を追いかけ、転んだ時に、腰につけている手ぬぐいの状態やズボンの汚れ具合がなんとも悲哀を誘う。 ヒロミが指輪の入っていない指輪の空箱を持って、夕日に向かって左手を向けている所は、指輪を想像しているようで今後の希望があって良い。
 夕日はきれいであり、明日をつれてくる。その夕日は明日もあさっても50年先でもやってくる。それを家族や大切な人と共に迎える。 夢中になるものを持ち、わずかな幸せを願い、人とのつながりを大切にする。そうやって明日を迎えるのであろう。
 タバコ屋のおばちゃんとして、もたいまさこはやはりいい存在感である。

『ALWAYS 続・三丁目の夕日』 , 2007

 吉岡秀隆、堤真一、小雪、堀北真希、三浦友和、もたいまさこ、薬師丸ひろ子出演、山崎貴監督
 東京タワーが完成した後の東京、下町の人々の生活を描く。
 コンクリートジャングルではない木や土の風景がある。人の気持ちに人が応える時代である。 金や名誉ばかりを目指すのではなく、人との温かいつながりを求める時代である。 裸電球が照らす下では、思いやりや気遣いであふれている。ギラギラしているわけではないが、力強く生きる姿がある。 内から沸き起こる感情があり、腹の底から怒ったり、落ち込むほど悲しくなったり、体が軽くなるほどうれしくなったりする。 いろいろな背景をしょっている人たちだが、そこには素朴に生きる人たちのあふれる活力がある。

『オール・ザ・キングスメン』 All The King's Men, 1949

 ブローデリック・クロウフォード、マーセデス・マッケンブリッジ、ジョアン・ドルー出演、ロバート・ロッセン監督
 不正をただし、みんなのためになることを目指そうとしていたが、結局はお金と権力におぼれてしまう。 お金をばら撒き、圧力をかけ、敵となる人物の弱みをちらつかせ黙らせる。 自分の敵となる人物はすべて排除しようとする。彼は本当はいったい何を求めていたのだろうか。 権力なのであろうか。それとも、豪遊、お金や女なのであろうか。悪事や不正は描かれているが、彼の本当の欲望は何なのだろうかと疑問に思う。 取引をし、協力者のそれぞれの思惑に沿うことをするが、自分がやりたいことをしているようには思えない。 彼の目的はただ単に地位の保全なのだろうか。 映画自体として理想を持って選挙を戦い、堕落していく過程は良くわかる。

『オーロラの彼方へ』 FREQUENCY, 2000

 デニス・クエイド、ジム・カヴィーゼル、エリザベス・ミッチェル、アンドレ・ブラウワー出演、グレゴリー・ホブリット製作、監督
 奇妙な話であるが、なかなか面白いストーリーである。 無線が30年の時の隔たりを結び、最初は30年の隔たりがあったが、ある事故を防いだことをきっかけにその隔たりを埋める事件へと発展する。 最後には、30年の時間を結ぶ結果となる。 30年の時間差を無線が相互作用させていろいろと影響を及ぼす。 過去で起きていることと現在で起きていることが同時に相互に影響を及ぼすということはありえないが、なんとなくその違和感を感じさせないような面白いストーリーである。

『桜桃の味』 1997

 イラン映画
 宗教的で、年功序列を重んじるような印象を持った。 ある一つの頼み事をするのだが、その反応が年齢を積んでいる人になるほどまともになっている。 宗教の教義を説いていろいろとアドヴァイスをするようになる。 きわめて狭い範囲での撮影になっている。カメラに写っているものもかなり限られた人物とものである。 本当に自分がやろうとしていることを望んでいるのか、自分がやろうとしていることを誰かにとめてもらいたいのではないのか、 自分がやろうとしていることに同調してもらいたいのではないか・・・、心を決めているのだが、 ぐらついているような印象を持つ。 いざ、頼み事を引き受けてくれる人が現れると、自分がやろうとしていることに不安を覚えたかのように狼狽する。 自分の中で迷いが生じる。本当にこれで良いのか、自分が本当にこのことを望んでいるのか・・・。
 彼がやろうとしていることの理由が全く映画の中で語られていない。 その行為を止めさせるための説明は語られている。その行為はお金と引き換えられるものなのか、 お金に引き換えられるのなら、その程度の値段なのか、自分一人でひっそりとその行為を成し遂げられないのか、 人の中にわずかにしかあらわれない、なにげない気持ちがこの映画に表れているようだ。

『大いなる遺産』 Great Expectations, 1998

イーサン・ホーク、グウィネス・パルトロウ出演、アルフォンソ・キュアロン監督
 この映画は1998年作である。ディケンズの小説『大いなる遺産』との比較はできない。
 幼少時代に彼女に対してそれほど強い憧憬があるようには感じられないし、 青年期に芸術的な美を感じているようにも思えない。彼女に純粋なものを汚されたとも、もてあそばれたとも感じられない。 むしろ女にたいしての彼の欲のほうが強いように思える。 また、婦人に対して、お金で道化を演じさせられたようにも、結果的に残酷なことをされたとも感じられない。 罪人に対して嫌悪感、最終的に感謝の念や罪悪感、恥ずべき行為をしたと感じているようにも見えない。 姉との関係や、ジョーへの感情表現も、時間の流れと自分の転機ごとに表現されていてほしいと思う。

『大いなる眠り』 THE BIG SLEEP, 1978

 ロバート・ミッチャム、サラ・マイルズ、リチャード・ブーン、ジェームズ・スチュワート出演、マイケル・ウィナー製作、脚本、監督
 脅迫事件の調査を依頼された私立探偵が、その裏に隠された殺人事件を解決する。
 正当に、真っ当に、調査をする。また、穏やかに勝つ大胆に行動する。理性を持ってポリシーを持って進んでいく。 探偵としての誇りを捨てず、依頼に忠実に役割を果たす。派手さはないが、男の重みを感じる役であり、ストーリーである。

『大いなる勇者』 Jeremiah Johnson, 1972

 ロバート・レッドフォード、ウィル・ギア、ステファン・ギーラッシュ出演、シドニー・ポラック監督
 山男になるべくロッキー山脈へ向かった男の物語である。すでに山で暮らす人たちに出会い、山のおきてや先住民族について学び、先住民族の娘を嫁にもらったりして山に根付こうとする。
 山の厳冬や先住民族との共生、戦いが描かれている。山の荘厳さ、冬の厳しさはわかるが、もっと民族とのかかわり、習性を感じさせる映画でもいいように思う。

『おおかみこどもの雨と雪』 , 2012

 アニメーション
 設定自体が難しいので何とも言えない。狼男と人間の女性の間に生まれた二人の子供を育てる話である。おそらく嫌悪感を持つ印象の人も多いだろう。嫌悪感を抜きにしても、 ストーリーの結末で満足する人がどれくらい多いのだろうかと疑問に思う。

『狼たちの午後』 DOG DAY AFTERNOON, 1975

 アル・パチーノ、ペニー・アレン出演、シドニー・ルメット監督
 緊迫した状況というよりはどこか楽天的な感がある。 銀行強盗に入った人間達が逃走経路を確保しようと警察やFBIと交渉する。 銀行強盗の最初の段階で仲間が逃げたりする。犯人達はずさんな計画だということを感じざるを得ない。 犯人のほうも監禁されている銀行員のほうも、そのこと自体を楽しんでいるような印象を持つ。 警察との交渉もなんだか八百長ではなかろうかというような間抜けな感じがする。 FBIは犯人の一人に意味深な発言をして犯人達を疑心暗鬼にさせようとする。 犯人達は一枚岩ではないので分裂するのではないのかと思われる。 時間が疲労をよび、疲労が敏捷さを失わせる。疲労することで最初の時の決意が鈍る。 ゲイの問題とか、ベトナム戦争のこととかいろいろと背景がありそうである。 "But I am me" と言ったところが本質だと思う。ゲイでも何でもまわりが何を考えようと自分は自分である。 ゲイであろうと、銀行強盗でも自分は「本人」であるということだろう。 しかし、人間は自分達の感情を吐き出しすぎている。自分達の欲望を巻き散らかしている。 自分の思い通りにならないと気がすまない。自制心の欠如が見える。

『百万長者と結婚する方法』 How to Marry a Millionaire, 1953

 マリリン・モンロー、ローレン・バコール、ペティ・グレイブル、キャメロン・ミッチェル、ウィリアム・パウエル出演、ジーン・ネグレスコ監督
 美貌を持っているがお金がない3人の女たちが、金持ちの男を見つけ結婚できるように奮闘とする。
 結果的には、恋愛をしてその結果、相手が裕福であればいいのだろう。お金ありきのみでは、結婚は成功しないだろう。 お金は物質的には満たしてくれるが、心を満たしてくれるものではないからである。 お金は刹那的な満足を得るかもしれないが、長期的な満足感を与えることはない。 人は物質的なものが満たされると、精神的な満足を得ようとする。そのときには、お金では得られないものがあると悟る。 お金では得られないものがあるとわかると、お金というものは最低限あればよいものとして認識されるだろう。 そう思うようになると、自ずと求めるものはひとつとなる。

『おくりびと』 , 2008

 本木雅弘、広末涼子、余貴美子、山崎努出演、滝田洋二郎監督
 オケのチェロ奏者だったが失業して夫婦で山形の夫の実家に帰ることにする。求人情報を見て旅行会社か何かだと思いとりあえず話を聞きに行くが、その場で就職が決まってしまう。しかし、それは遺体を扱う仕事であった。
 楽器のチェロと納棺師はそれほど関係性が無いように思う。ただ単に元チェリストが稀有な職業につき、遺体を通して死者の生前の生き様やその家族との関係を垣間見ることになる。 また、愛人を作って出て行った父親や、妻との関係も見つめなおす。

『お葬式だよ全員集合!』 PASSED AWAY, 1992

 父親の葬式に集まった家族模様を描いている。 家族のそれぞれがいろいろな問題を抱えて集まってくる。 それぞれが抱えている問題を葬式をする最中に表わしている。 電話はないのにファックスはあるとか、離婚しているのに体裁を整えるために一緒に葬式に出席するなど いろいろな理由がある。未婚の母の娘のことを恥と感じていたり、ピアスをあけている息子を隠したり、 それぞれの面子を考えて行動している。葬式を通じてそれぞれの思惑を吐き出しているように感じる。 人間は社会の中で生きていくのだと感じざるを得ない。 父親の愛人問題などいろいろな複雑な問題を踏まえて人間模様を描いている。

『おっぱいバレー』 , 2009

 綾瀬はるか出演、羽住英一郎監督
 練習もろくにしたことも無い男子バレー部の顧問となる。生徒たちのやる気を出させるために大会で1勝したら自分のおっぱいを見せるという約束をしてしまう。
 女性はこの映画をどのように見るのかは分からないが、思春期の男子生徒のばかばかしさが表現されていて、まぁ面白いコメディだと思う。 おっぱいのためにがんばるというくだらないやる気だが、生徒たちに良いきっかけを与えている。 女性教諭にとっても過去の苦々しい体験から、生徒たちとの約束を破りたくないという葛藤がある。 生徒たちがやる気を出し、それを見る教諭の微妙な心境がうまく表現されている。

『男が女を愛するとき』 WHEN A MAN LOVES A WOMAN, 2000

 フランチェスカ・スキャーボ 、ヴィンチェンツォ・ペルーソ出演、ニーノ・ビッツァーリ監督
 イタリア映画
 ありふれた男女の関係を描く。
 いまさらわざわざ見る必要もない気がする。 好きになったり、夢中になったり、うっとうしくなったり、嫌いになったり、寂しくなったりすることはよくある感情であろう。 関係に慣れると、そばにいる時には面倒になるが、いなくなれば優しくなったり必要と感じる。 自己中心的といえば、そうなのかもしれないが、程度の差こそあれ、基本的に皆当てはまることだろう。 基本的にはだれでも体験したり、感じることではないだろうか。 なお、社会生活を営むには正常な範囲を超えて、異常な行動が一部でこの映画では描かれていると思う。

『男たちの大和/YAMATO』 , 2005

 反町隆史、中村獅童、鈴木京香、松山ケンイチ、渡辺大、内野謙太出演、佐藤純彌監督
 戦艦大和の乗組員たちの話。1曹に戦後幼女として育てられた女性が戦艦大和が沈没した地点へ舟を出して欲しいと生き残った水兵に頼む。 船を出して目的地へ向かっていく途中に生き残った水兵から60年前の1曹などの話を聞く展開である。
 スケールは大きく、迫力がある映像である。しかし、ストーリーがいろいろ詰め込みすぎた感じがあり、まとまりが感じられない。 感情移入できそうでできない感じである。

『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』 , 2003

 織田裕二、柳葉敏郎、深津絵里、水野美紀、ユースケ・サンタマリア出演、本広克行監督
 実際に警察の捜査がどうかはわからないが、警察が犯人を捕まえ、さらに警察内で悪役をつくりだしそのほかの署員で連帯感を強めている。 本当の事件自体は、主義があっての犯罪であったり、場当たり的な突発的な犯罪であったり、怨恨であったり、衝動的な犯罪であったりするのだろうが、 映画中のそれぞれの事件が安易に遂行されすぎてあまり切実さを感じない。また、多くの特徴のあるせりふがあるが、それぞれが浮いている感じがする。 ばかばかしい会話は健在である。それほど長さは感じないが、もう一度みたいとは感じない。

『オペラの怪人』 Phantom of the Opera, 1943

 クロード・レインズ、スザンナ・フォスター、エドガー・バリア、ネルソン・エディ、レオ・カリーロ出演、アーサー・ルービン監督
 親としての愛情が、狂気となり歪んだ愛情となる。 自分が作曲した協奏曲が盗まれたと思い込み殺人を犯してしまう。それ以降、娘のことを思い、娘の成功を思い描く。そのために脅迫をし、さらに殺人を繰り返す。 オペラ座に住み着いた仮面をつけた男の悲しい愛情を描く。 娘をめぐる軽侮とソプラノ歌手のやり取りも面白おかしく描かれている。また、オペラの魅力もある。

『溺れゆく女』 ALICE ET MARTIN, 1998

 ジュリエット・ビノシュ、アレクシ・ロレ、カルメン・マウラ出演、アンドレ・テシネ監督
 フランス映画
 私生児として育ち、10歳のときに父親の屋敷に引き取られ、20歳までそこで生活をするが、あることがきっかけで家を飛び出してしまう。 それから3週間後に窃盗で捕まり、釈放後は兄の元へ身を寄せる。兄と同居中の女性と3人で生活を始め、彼はモデルの仕事をするようになる。 同居中だった彼女と恋仲になり、彼女が妊娠したことを知ると、彼の中でくすぶっていたあることが表に出始める。
 愛とは何か、家族とは何か、セックスとは何か、その結果はどうなるのかを疑問に感じる内容である。多くの人間は俗物的な側面を持って生きていくのだろう。 理性のある、尋常な愛をはぐくむことはなかなか難しいことであろう。

『汚名』 Notorious, 1946

 イングリッド・バーグマン、ケーリー・グラント出演、アルフレッド・ヒッチコック監督
 アメリカのスパイになり、ブラジルで諜報活動をするために偽装結婚し、対象の夫をスパイするが・・・。
 ばれるのではないかと見る者にスリルを与えるところがよい。音楽も場面に合わせて不安を掻き立てたり、はやる気持ちを増幅させるようである。 最後は、ドアが閉められるところが、彼のおしまいを暗示している。

『おもいでの夏』 The Summer of '42, 1971

 ジェニファー・オニール、ゲイリー・グライムス、ジェリー・ハウザー、オリヴァー・コナント出演、ロバート・マリガン監督
 思春期の男の子の性に対する興味を描いている。大人の女性にあこがれたり、同年代の女の子の体に触りたいという欲求が沸き起こる。 簡単に好きになったり、好きでもないのに安易に好きになったりする。性欲と好奇心と愛情が混同され、性に対する欲求を満たそうと一生懸命になる。 性に関して書いてある本をこそこそと読んだり、女性の下着などに関心が行く。避妊具を買いに行くことに妙に緊張したりする。 恋や愛情というよりは、一過性のいろいろな思いが描かれている。大人になったときには、ばかばかしいと思ったり、後悔したり、いい思いでであったりするものである。

『おもひでぽろぽろ』, 1992

 高畑 勲監督
 アニメーション
 ある意味で、「偽善」だったから…。 自分が自分にうそをつく。自分が他者にうそをつく。 自分が偽りの衣を身にまとい、知らず知らずのうちに自分も他者もだましている。 自分の本当の気持ちを理解できていなかった。小学五年生の自分と現在の自分を重ね合わせている。 心的な状態では共通する部分がある。停滞していた部分から、変わる自分がいる。
 温度差のある兄弟間の人間関係や親子間の人間関係がある。 同性という事もあるし、年齢がある程度はなれているという事もある。過去の自分の欲求と現実の状況があわない。 自分の希望と現実との落差を感じる。いろいろと過去の記憶のフラッシュバックが起こる。 そこから、洞察が始まる。洞察して認知を変えていこうとする。いろいろと今だから分かる部分がある。 過去のわだかまりが現在では解けるものもある。しかし、今でも解けないものもある。 それも、時間とともに、自分の経験とともに次第に解けるのかもしれない。 小学五年生のままの恋愛も、感覚も持っていられない。絶えず人は進歩(後退?)してる。 いくら切望しても過去へは戻れない。
 彼女にとってなぜ、小学五年生なのかというのは分からない。 しかし、いろいろな人生の上で、それぞれの人にとっての大事な時期がある。 彼女にとってそれが、たまたま小学五年生だったのかもしれない。第二次性徴のはじまりで、心身ともに変化する時期である。 そういう中で、多少屈折した部分があるのかもしれない。
 過去への憧憬だけではなく、過去を処理しながら自己を探索していく態度が描かれている。 若さや可能性を持っている人間にとっては特に思うことの無いことかもしれないが、 もう、ある程度若さや可能性を失った人間にとってはとても心のうちに響く映画である。 自分のこの先と過去を比較するととても悲しく切なく思う。

『オリバー・ツイスト』 OLIVER TWIST, 1997

 アレックス・トレンチ、イライジャ・ウッド、リチャード・ドレイファス、デビッド・オハラ出演、トニー・ビル監督
 道徳的に道をはずした女が子を産み落とす。出産直後に女は死に、ある女性の顔が入ったロケットを残す。 産み落とされた男の子が12歳になろうとしていたとき、あるできごとのために育った施設を追い出される事になり、彼はロケットのみを持ち出し、ロンドンへと行く。 そこで彼が盗みを働こうとした事がきっかけとなり、スリで生計を立てている集団と生活を共にする事となった。 後にある老人にスリを働こうとした事で彼の人生の転機が訪れる。

『俺たちは天使じゃない』 We're No Angels, 1955

 ハンフリー・ボガート出演、マイケル・カーチス監督
 エンジェル(Angel)という言葉はギリシャ語のAngelosに由来する。 Angelosとはメッセンジャーの意味を持ち、天使とは文字どおり、天からの神の使いであるわけである。 それらは人間に神聖なる無条件の愛、そして平和をもたらす使命を帯びている。
 囚人3人が屋根の上から3人称で部屋の中の家族を見ている。 屋根の上から客観的に家の中を見渡す。年頃の娘を持つ中の良い夫婦と囚人3人がいる。 屋根の上と部屋との隔たり。決して同一にはなれない。 一般人と囚人との一線をわきまえている。 3囚人は屋根の上から下へと降りて来る。クリスマスのディナーに招待される。 3囚人は一般人の生活に一瞬触れる。 刑務所にはないあたたかさや、和やかさがある。 大衆世界にもある正直さと狡猾さ。 見せかけと実際。たてまえと本音。 一般人の中にあるどこにでもありふれている卑俗な気持ち。 囚人から見ると刑法に抵触しないそういう一般人の道徳的な罪のほうが悪いように感じてしまう。 囚人からの視点と感覚で一般人を幸せにしようとする。

『愚か者の船』 Ship of Fools, 1965

 ヴィヴィアン・リー、シモーヌ・シニョレ、ホセ・フェラー、リー・マービン、オスカー・ヴェルナー出演、スタンリー・クレイマー監督
 just woman ただ女なだけである。本来はただ男であったり、女であったりするだけである。 しかし、そこに階級とか職業とか人種、宗教が付加されてしまう。付加されることによって、虚栄、偏見が生まれる。 個人的には利害関係はないが、社会や習慣によって忌まわしいと感じられる。 本来生活するうえではそのようなことはないのだが、ただの人間からいろいろなものを付加すると差別意識が芽生える。 愚かなことであるが、偏見を持つ人間、偏見をもたれる人間は、それぞれがいがみ合う。 それが誰かによって作り上げられているということは関係なく、お互いがいがみ合う。
 この映画は、船上で繰り広げられるいろいろな愚かなことを描いている。 日常的に行われている些細なことなのだが、どうでもよくなるような人間の愚かな側面を自然に描いている。


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