-映画の感想-

☆英語で書いた感想へ In English

映画の感想

 ウ エ  カ行 サ行 タ行 ナ行  ハ行 マ行 ヤ行 ラ行  ワ行

『イージー・ライダー』 EASY RIDER, 1969

 ピーター・フォンダ、デニス・ホッパー出演、デニス・ホッパー監督
 マリファナの取引で大金を手にしたヒッピーの2人がバイクに乗って南部へ旅をする。
 男の長髪やひげ、マリファナに女、反体制や自然への回帰を心情とし行動する。 自由を求め、南部の謝肉祭へ向かう2人であったが、保守的で自由を恐れ、自由に脅威を抱く農民に殺されてしまう。 旅をする間に出会った人々と話し合い、、精神的自由や心の平和、神の存在を考え、南部へと進むが、そこには差別や自由を敵視する住人がほとんどであった。 特に他人に迷惑をかけているわけではないが、存在そのものが敵視されるということはどの時代でも起こりうることであり、 存在を抹殺したり、脅かす社会は未だに発達途上、未成熟ということだろう。
 なお、バイクに乗っている間に流れる音楽はとても映像を引き立たせている。

『E.T.』 E.T., 1982

 現在の考え方では、非現実的な物語である。しかし、現実的な考え方のみを重視して生活をするか、 非現実的なことも信じることができるかということで日々の生活は変わってくるだろう。 この映画は現実的な考えだけでは想像できないことがたくさん含まれている。しかし、この映画は非現実であるが、 それは本当の非現実ではない。子どもの時に一度でも非現実的なことを考えて夜を過ごしたことがあるかもしれない。 そういうものを子どもの時には信じていたことだろうが、年齢を重ねるたびにだんだんとその思いが薄れて忘れてしまう。 この映画は子どもの時の漠然としたはかない夢を描いている。 自分に何か人とは違う能力などがあると考えて、信じたかもしれない。 また、自分には何か「特別」なことができるのではないかと考えたかもしれない。 いつの日か、自分にとてつもないことが起こって冒険するだろうと考えたかもしれない。 今では忘れてしまった、子どもの時のその時点で持っていない「何か」を求めていた心をこの映画は描いているのだろう。

『硫黄島からの手紙』 , 2006

 渡辺謙、二宮和也、伊原剛志、加瀬亮、中村獅童出演、クリント・イーストウッド監督
 第二次世界大戦で、硫黄島を死守しようとした日本兵たちを描く。
 日本人を描いたハリウッド映画としてはよくできているように思うが、あまり感動する映画ではない。セリフの言葉遣いはあれで時代考証としては合っているのだろうかと疑問に思う。 また、映画のストーリーとして全般的に統一された感じがしない。見世物としての要素が強いところが残念である。

『硫黄島の砂』 Sands of Iwo Jima, 1949

 ジョン・ウェイン、アデル・マーラ、ジョン・エイガー、フォレスト・タッカー、アーサー・フランツ出演、アラン・ドワン監督
 第二次世界大戦で、ある小隊の軍曹率いる分隊の海兵隊員たちが硫黄島を占領し星条旗を立てるまでを描く。  視点や映像が三人称的であるのでそれほど感情移入するものではない。 音楽も平和的な感じがして、緊迫感があまりない。 しかし、戦車や火器などは迫力のあるものである。戦争について考えるよりも、父子や夫婦の確執、 上官と部下の問題に焦点が当てられているようである。

『生きてこそ』 Alive, 1993

 イーサン・ホーク、ビンセント・スパーノ出演、フランク・マーシャル監督
 この映画は、事実にもとづいて映画化されたものであるが、大変痛ましい映画になっている。
 映画のスキル的にあまり、良いとは感じないが、あまりにもグロテスクな描写が多い。 それだけ真実味を帯びているのかもしれないが、実際に気持ちが悪くなるかもしれない。 しかし、生きるためにはそうするしかなかったのだ。最初はみんなためらうが、現実との直面によって、葛藤がありながらも行動して行く。
 聖書の言葉が多用されているあたりは、我々日本人にはわかりづらい所があるかもしれない。 しかし、宗教からもたらされる葛藤だけではなく、人間的観点から、葛藤がもたらされる。 生きるためには何をしても許されるものかと疑いたくなる。しかし、実際にあの状況ではみな同じ行動をとったのではないだろうか。
 バベルの塔のようになってしまうことはないであろうが、人間という存在をあらためて考えさせられる。
 「生きる」ことを再考させられる。

『活きる』 活着, 1994

 グォ・ヨウ、コン・リー、ニウ・ベン、グオ・タオ出演、チャン・イーモウ監督
 中国映画
 中国の激動に時代で特殊な政治状況の中で生きる家族を描く。
 一瞬先は闇という状況で自分自身だけの力ではなんともしがたい政情があり、権力を持っていたら、そのこと自体が悪とされつるし上げられる状況へと変化する。 とりあえず、永遠に貧乏で労働者階級でいなくては身の安全が保証されないような政治状態である。 革命がおきると、これまでの身分階級などがひっくり返り、異様な権力によって支配されてしまう。 そういう世の中で、ばくちで一度はすべてを失った男とその家族が、何度続くのかわからない苦労、絶望を味わいながら、それでも自分の人生を送ろうとする姿がある。 政治によって陽動され、民衆がそれに従うざるを得ない世の中というのは極めて恐ろしいことかもしれない。

『偉大なるギャツビー』 THE GREAT GATSBY, 1974

 F.S.Fitzgerald, 1896-1940 の小説(1925)の映画化
 フィッツジェラルドは、第一次世界大戦の影響で好景気となり、繁栄を誇るアメリカ社会に託した夢が無残にも崩れる様を描いた。 人々は好景気に浮かれ騒ぎ、セックスやアルコール、ジャズに酔いしれた。物質的繁栄とは反対に 人間精神の荒廃を描き、倦怠と虚無からくるはかなさと、重苦しいさを漂わせていた。
 ギャツビーは自分の愛した女性が戦争のせいでほかの男と結婚したと知る。 日のあたらないビジネスで物質的富裕を手にしたが、自分が本当にほしいものは手に入っていない。 豪華できらびやかな生活の裏に精神的充足感を得られない社会で暮らすむなしさを感じていた。 自分の夢や希望をかなえるために、違法なことをして自分を犠牲にしてまでも自分が手に入れたいものを守るという 歪曲した達成感を持つ男であった。 何が正しいのか、何が正義であるのかを見失っているような雰囲気のある社会で、 既存の価値観や、判断基準が壊れてしまった状態で絶えず中心軸が揺れ動いているような 金持ちであるがすっきりとしないもどかしさを持った男が自分を確立できずにいる。

『ICHI』 , 2008

 綾瀬はるか、大沢たかお、中村獅童、窪塚洋介出演、曽利文彦監督
 一人で父を探す瞽女(ごぜ)が萬鬼(ばんき)という宿場町に居座る悪党どもを倒す話。旅の途中、刀を抜けない浪人と出会い、宿場町に用心棒として雇われたその浪人の手助けをする。
 映画には、圧倒的な派手さは無いが、綾瀬の凛とした姿が良い。横顔が格好いい。 スローモーションを多用した殺陣も要所要所にあるが、恋愛(愛情?)が淡白であり、独白も少ないことから人物像に同情することもなく、全体的な印象は弱い感じがする。 こういう映画には、音楽は新しい感じがした。

『愛しのタチアナ』 Take Care of Your Scarf Tatiana, 1994

 カティ・オウティネン、マッティ・ペロンパー、キルシ・テュッキュライネン、マト・ヴァルトネン出演、アキ・カウリスマキ監督
 フィンランド映画
 コーヒーばかり飲み母親とともに仕立て屋をやっている男とロッカーに憧れる車の修理屋の二人の男が計画もなく車に乗って走り出す。 途中、バスの故障で港まで乗せて欲しいという女二人を乗せ、またなんとなく車を走らせる。 若くもないが老人でもない男たちは女たちと会話をすることもなく片方はコーヒーを飲み、片方はウォッカを飲み続ける。 ホテルに泊まるが何かをするわけでもなく、コミュニケーションをとることはない。 シャイなのか無関心なのかわからないが、これまでこういう経験が多くなかったことは確かであろう。 また、意気地のなさも表れている。しかし、こういう大人が急に大胆な行動をとり、それに取り残された人間はとても寂しく、惨めな感じを覚える。 ある程度の歳になっても何もしていない大人が、何かが壊れたように突拍子もないことをしてしまうということなのだろう。 また、何かをすることができない大人はさらない何もしないでそのままこれまでどおりに事を進めるのだろう。 なんだか切なさがある。

『頭文字(イニシャル)D THE MOVIE』 , 2005

 香港映画
  ジェイ・チョウ、鈴木杏、エディソン・チャン、ショーン・ユー、アンソニー・ウォン、チャップマン・トウ、ジョーダン・チャン出演、アンドリュー・ラウ、アラン・マック監督
 群馬県秋名山の峠道をドリフトで走行する走り屋の話。 ストイックでクールな感じでもなく、コミカルで天然ボケのキャラクターでもなく、単なる豆腐を車で配達する高校生が主人公である。 しかし、後に豆腐屋のことは関係なくなる。 もっとオンボードカメラの映像とかがあったほうが迫力があるように思う。また、走りの流れがあまり分からないので、走りのシーンをワンカットで長く映像を流してもよいと思う。 映画の中としては、鈴木杏の役割があまりよくわからなかった。

『イヴォンヌの香り』 LE PARFUM D'YVONNE, 1994

 フランス映画、ジャン・ピエール・マリエル、イポリット・ジラルド出演
 美しいものを求めたのだったが、自分がいる場所でしかそれを求められなかった。 自分がいるステータスでしか自分を発揮できない。表面的でしかない美を求め、 表面的な美を偶然持ち合わせた。 老いは罪でも悪でも罰でもない、しかし、残酷である。 年はとるが、永遠に瑞々しい若葉を求めることはできる。 やわらかい若葉が硬い緑色の葉っぱになろうが、別の若葉を求めればよい。 しかし、自分が枯れ葉になることは許されない。 美しさを見せる側と、見せられる側があり、見せられる側は絶えず新しいものを見つけられるが、 見せる側は一瞬でしかない。見せられる側も老いを罰だと思わざるを得なくなるまでになると、 それが苦となる。 美しさを楽しめることは幸せなのだが、美しさに苦しめられる残酷さも裏にある。

『イノセンス』 , 2004

押井守監督
アニメーション
人間と人形とその中間的なサイボーグが存在する近未来。モニター提供された人形がその持ち主を殺したところから事件の捜査が始まる。
聖書の言葉やミルトンの言葉などが映画の中で出てくるが、それらはあまり役に立っていないようである。 人間的な部分が損なわれたこの映画の設定ではむしろ違和感が生じる。 映像や、電脳化、公安9課などの独特な設定自体は面白みのあるものかと思うが、映画自体の満足感は無い。 一般論として、アニメは、子供向けの動物モノや、キャラクター、大衆向けの教養や常識的なもの、または大人向けのアイドルが出てこないとそれほど人気が出ないように感じる。

『命』 , 2002

 江角マキコ、豊川悦司、斎藤由貴、樹木希林出演、篠原 哲雄監督
 私生児を妊娠し、その相手の妻帯者には認知を保留される。また、昔の恋人は癌に侵され余命はいくばくもない。生まれてくる命と死ぬ命が少しの間交差する。
 失うとわかってから生きたいと思う。終わるとわかってから生かしたいと思う。 普段当たり前のように生きている。そこにいることが当たり前のように生きている。 また、いることが当然のように続くと思っている。何も予期することもなく、疑うこともなく永遠に続くものと思っている。 死を身近に感じることで生を感じることができる。生を感じることで生きる喜び、生きている大切さを感じることができる。 大事なことを見出すことが生きようとする思いにつながることになる。

『いま、会いにゆきます』 , 2004

 竹内結子、中村獅童、武井証、浅利陽介、平岡祐太、大塚ちひろ、中村嘉葎雄、小日向 文世出演、土井裕泰監督
 一歩さがっている、一歩前にいるではなく、「隣」にいるということでハンディキャップがあったとしても二人は対等な立場であるということであろう。 この映画には、時間軸の設定を超える人の「気持ち」がある。とても優しい気持ちである。いたわりや思いやりが含まれている。 何度会ったとしても、互いに惹かれあうというつながりは、やはり運命というべきことなのだろう。 また、魂がつながっているような印象を受ける。ひまわり畑の映像はとてもきれいである。暖かい空気が二人を包んでいるようである。

『いまを生きる』 DEAD POETS SOCIETY, 1989

 ロビン・ウィリアムズ出演、ピーター・ウィアー監督
 "seize the day" この言葉が生徒たちにとってかけがえのないものになる。 思春期から青年期へと移行する生徒たちは自分とは何かを次第に考え始める。 今までの型にはまった考えから解放させてくれる人が先生としてやって来る。 最初は戸惑いを感じざるを得ないが、先生の言葉や態度によってだんだんと人生を楽しむことに目覚める。 自由な考えや自由な発想、これまでに考えつかなかったことなどを体験する。 ものを見る目、多角的なものの捉え方を学ばせてくれる。 生徒たちにとってはとても刺激的なことだった。しかし、管理する学校や保護者にとってはもろ手を上げて推奨する行動ではなかった。 両親や、その他の先生と意見を違えるが、自分の道を模索し始める青年たちの前途多難であり、 前途有望な人生の発端を描いている。

『妹の恋人』 BENNYY & JOON, 1993

 エイダン・クイン、メアリー・スチュアート・マスターソン、ジョニー・デップ出演、ジェレマイア・S・チェチック監督
 精神病患者の妹と読み書きができない青年との繋がりを見せる。 妹を思う気持ちと自分自身の人生を考える。自分よりも妹のことを優先させてきた。 しかし、自分自身の人生を考えたときに、心配する気持ちもさることながら、疑問を持つ。 妹を保護することと妹を独立させ、自立させることは表裏一体だが、妹のことを考えると妹の意思を尊重する。 病状の是非はともかく、妹を思う気持ちはよく分かる。

『依頼人』 THE CLIENT, 1994

 スーザン・サランドン、トミー・リー・ジョーンズ主演
 少年が運悪く自殺者と関わってしまうことでギャングに命を狙われることになる。 議員殺しの情報を自殺者から知らされてしまったことで、ギャングに追われ、FBIにも追求されることになる。 自分と家族を守るため1ドルで弁護士を雇い、その弁護士と事件を解決させる。 弁護士は自分が弁護士になるきっかけをこの子どもの家庭環境と重ねたのだろう。 重ねることにより、感情的にもなるが、弁護に力を入れることができた。 インテークを築き上げるために弁護士は自分の過去や思い入れを少年に話す。少年はそのことにより心を開く。 一緒に自殺を目撃した弟は直後に退行があらわれ、治療が必要になった。 治療と家族のために少年保護プログラムを受け入る事を決め、ギャングと立ち向かう。

『イレイザー』 ERASER, 1996

 アーノルド・シュワルツェネッガー主演
 データをコピーする部屋に監視カメラがあることを疑わないのは少しおかしな感じがする。
 身分証を廃棄したり、偽造したり、作り出したりする。個人の存在が極めてあいまいになっていくように感じる。 人と面と向かって接触する機会が少なくなればなるほど、何かの証明証に頼ることが多くなる。 対面して人の顔を見る機会が少なくなり、顔見知りなどなくなる。 人と接触する機会に反比例して、身分証明証を使用する頻度が高くなる。メディアが発達すると、 範囲は広がるが、深い人間関係が欠如するような印象を持つ。
 法廷から出てきた時に、爆破された車のそばには慣習が誰もいないのは少し不自然な気がする。 悪役の3人が違う意味で「消去」される落ちがある。

『イングリッシュ・ペイシェント』 The English Patient, 1997

 レイフ・ファインズ、ジュリエット・ビノシュ出演、アンソニー・ミンゲラ監督・脚本
 この映画はとてもplotがよい。一人の死に行く男性と一人のこれから生きて行こうとする女性の対比がある。 一人の男の回想を通じて物語が続いて行く。なぜ、「イギリス人患者」というタイトルなのかも話が進むにつれてわかる。 愛する人を想い、愛する人のために助けを得ようとする。 しかし、味方に信じられず、彼女から遠く引き離される状況となる。状況から逃げ出し、 地図と引き換えに飛行機を得る。その飛行機のために味方に撃ち落される。 一人の男の死を見つめることで、自分の生を見出すことができた女性がいる。 日本人向けの哀愁のある映画。映像はとてもきれいである。

『インサイダー』 The Insider, 1999

 アル・パチーノ、ラッセル・クロウ、クリストファー・プラマー出演、マイケル・マン監督
 テレビ番組のプロデューサーと、脅迫におびえながらもタバコの人体への悪影響を告発するタバコ会社の元重役の話である。 タバコ会社を解雇され、会社の保障によって子どもの医療費などを支払っている。会社との守秘義務契約を破れば、当然保障は打ち切られ、契約違反として賠償請求される立場となる。 契約違反を犯してまでタバコ会社で行われている利潤追求をインタビューで告発するかどうかを迷う過程があるが、結果としてインタビューを受けたり、証言をする。 また、プロデューサーはその番組を作り上げ、放送しようとするが、会社の思惑や番組司会者の虚栄心にさえぎられ番組を放送することができずにいた。 その間に、別の報道機関から渦中の元重役の過去の汚点が放送され、彼の証言自体の信憑性を疑問視させられるような報道がされる。 プロデューサーは火消しに回り、真実を放送しようと決心する。
 脚色はあるが事実に基づいた映画だけあり、見ていて興味がわく。くじけそうになりながらもそれぞれの人の信念が描かれているように思う。 真実があり、そこに信念があれば人々を正しい方向へ導くきっかけとなる。 報道機関の内側の話が中心となっており、それぞれの報道によってさまざまな影響を受ける大衆の意思の変遷はそれほど描かれていない。

『インストール』 INDEPENDENCE DAY, 2004

 上戸彩、神木隆之介、中村七之助、菊川怜、小島聖、田中好子出演、片岡K 監督
ある女子高生が不登校となり、その間に知り合った小学生に、人妻に成りすましてチャットのサクラを頼まれる。
 原作を読んでいないが、つまらない映画である。全く現実感の無い映画である。 高校生が不登校になるような疎外感、孤独感、閉塞感、寂寥感などが感じられない。高校生は精神も肉体も健康そのものな感じである。 なお、高校生にサクラを頼んだ小学生が、商業的なエロを分かるとは思えない。 この小学生の家の押入れにパソコンを設置するのだが、パソコンの電源の確保や通信費の問題、換気もことなど不明な点が多い。

『インソムニア』 INDEPENDENCE DAY, 1996

 アル・パチーノ、ロビン・ウィリアムズ出演、クリストファー・ノーラン監督
 殺人事件の捜査をするために、ロスから刑事が二人やってくる。そして地元の刑事と共に事件を解決しようとする。
 刑事は、たたけばほこりが出る体であり、一貫して正義を貫くという立場ではない。この映画は犯罪を通じて、主義主張がないところが大して面白くないところだろう。 白夜であり、そこに自分の犯した間違いの不安が重なり、不眠となり、いらいらするところはよくわかる。 カーテンを閉め切っても煌々とした夜にいらだつ。時計を見れば見るほど余計に腹が立つ。眠ろうとしても眠れない。寝ようとすれば余計に目がさえてしまう。 うとうととして眠りそうになったところで起こされる。自分の調子が狂ってしまう。そういう面はよく表現されているように思う。

『インデペンデンス・デイ』 INDEPENDENCE DAY, 1996

 ウィル・スミス、ビル・プルマン、ジェフ・ゴールドブラム、メアリー・マクドネル出演、ローランド・エメリッヒ監督
 イギリスではなく、宇宙から独立戦争をするというストーリーである。 独立というよりは、初めから支配されていたのかなぁと思う。 スケールはとても大きい。エイリアンと戦うという現在では非現実的な構成であるが、 今までのUFOの疑問を絡めて現実性を持たせようとしている。 映像には迫力があるが、なんだか緊迫感がかける。 ユーモアを含んでいるので、なんだかあっさりとさらりとエンディングを迎える。 エンターテイメントとしては、特に物足りなさを感じない。 アメリカ至上主義を感じるような映画である。

『インドへの道』 A Passage To India, 1984

 ジュディ・デイヴィス、ヴィクター・バナルジ、ペギー・アシュクロフト、ジェームズ・フォックス出演、デイヴィッド・リーン監督
 E.M.FORSTER の同名小説の映画化
 仲良く、平和的な関係を築こうとするが、英国人と植民地支配下のインド人との間に微妙な心の隙間があった。 心のどこかに猜疑心があり、それが恐怖とともに暴走してしまう。 大衆の意思に巻かれてしまい、本来の自分の出来事とその意思を表現する事が困難となる。 事件自体は解決するが、支配、被支配、民族による軋轢は残ったままであった。しかし、誤解と意地によって作り上げられたわだかまりは事実を知る事によって解消される。 また、冷静になり素直な気持ちでもって手紙を出す事が出来るようになった。 植民地で支配する者と支配されている者が友好的な関係を築こうとすることの難しさ、全ての人が寛容であり、理解を示せる人であればいいが、そうではない状況下では、不協和が生じやすい。 表層的な部分では紳士的であったとしても、多かれ少なかれ心のどこかでくすぶっているものがある。そういうものを全て取り除く事は容易ではなく、とても時間がかかるものであろう。

『イン・ハー・シューズ』 IN HER SHOES, 2005

 キャメロン・ディアス、トニ・コレット、シャーリー・マクレーン、マーク・フォイアスタイン、 ブルック・スミス アンソン・マウント出演、カーティス・ハンソン監督
 高校の同窓会で酔いつぶれて、弁護士である姉に家まで送ってもらうが、素行不良が原因で家を追い出されてしまう。 しかたなく姉の家に居候するが、そこでもトラブルを起こし、また追い出されてしまう。彼女がたどり着いたのは、死んだと聞かされていた母方の祖母のところであった。
 ポテンシャル(潜在能力)がある。家族は、一番身近な存在である。さらに、家族の絆はとても深いものである。この映画は上記のことが重要なのだろう。 妹は外見は魅力があり、男を引き寄せる能力があるが、文字を読む能力など学力に自信が無い。 姉は弁護士だが、地味な服装をし、男性と必要以上のコミュニケーションをとることは無く、そのことをが気になっている。 姉妹は仲がとてもよい関係ではない。しかし、家を出た妹が残したことの後始末をするうちに心境の変化が起こり、姉妹の関係は改善されていく。

『インビジブル・ターゲット』 , 2007

 香港映画
 ベニー・チャン監督
 アクション映画。香港アクションの醍醐味である人対人の格闘がメインである。なお、警察官としての誇りや、恋人への想いなど人情的な部分の表現もある。
 身体能力がすごく、そんなに動けるのかという動きである。映画自体は少し長い感じもするが、見所もたくさんあると思う。

『陰謀のセオリー』 Conspiracy theory, 1997

 メル・ギブソン、ジュリア・ロバーツ出演
 痛快な結末があるわけではない。筋書きが良く分からなく途中でいらいらする感じがある。 派手なアクションがあるわけでもない。現実の事実を取り入れてストーリーを作り上げているのだが、 あまりリアリティを感じない。陰謀をたくらむ組織のことがぼんやりしてあまり切実な感じを与えない。


home page