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映画の感想

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『酔拳2』 DRUKKEN MASTER U ,1994

 ジャッキー・チェン出演、ラウ・カーリョン監督
 酔拳を使うことによる弊害を知らずに酔拳を憶え、それをむやみに使う息子と 酔拳の弊害を知っていて、息子の身を心配する父親の絆がある。 息子の味方である母親と厳格な父親が息子のことを心配する姿がコミカルに描かれている。 拳法ものであるので、敵と格闘するシーンなどは描かれている。 大義名分がありそれにより戦うことによる精悍さがある。

『スウィングガールズ』 , 2004

 上野樹里、貫地谷しほり、本仮屋ユイカ、豊島由佳梨、平岡祐太、あすか出演、矢口史靖監督
 東北の田園風景が広がる中、あるきっかけが降ってきて、なんとなく興味を持ち始めて、高校生がジャズバンドを組む過程を描く。
 人物などに焦点の中心があり、音楽の練習や演奏にはそれほど時間が割かれていない。 しかし、高校生の勢いやあふれる若さがとてもよく表現されているように思う。 毎日平凡で、赤点を取り、夏休みに補習を受けなくてならなく、何も目的意識及び問題意識も無く高校生活を送るよりは、どんなことでも一生懸命になれることに時間を費やしたほうが後悔は無いだろう。 それが、バンドであっても、部活であっても、やり通したものは、その時代の自分に何かしらのものが残るであろう。 なお、立場が同じである同年代との繋がりは、コミュニケーション能力も磨かれるように思う。 人生において、何も分からないからこそ、どんなことにでも打ち込める若さがとても必要であり、それが若さの証拠なのかもしれない。

『スカートの奥で』 ENTRE LAS PIERNAS/BETWEEN YOUR LEGS, 1999

 マヌエル・ゴメス・ペレイラ監督
 スペイン映画
 セックス依存症の男女がそれを克服するために設けられた会合で知り合う。しかし、克服するどころかその帰り道でセックスをしようとする。 セックスをしようとしていた車のトランクの中から男の死体が発見される。
 話の繋がりが理解しづらい。ストーリー展開が面白くない。スリルが感じられない。結末が納得しづらい。

『スカーレット・レター』 THE SCARLET LETTER, 1995

 デミ・ムーア、ゲーリー・オールドマン出演、ローランド・ジョフィ監督、製作
 ホーソンの同名小説の映画化
the capital letter A, the miraculous letter, a mark of shame, the ignominious letter
 adultery(姦通、姦淫)やadulteress(姦婦)の A を身に付けることを強要され、 姦通の罪を住民にさらされる。 身体的にも、精神的にも辛苦を背負わされる。 秩序を不完全な法律と宗教心に委ね、秩序を乱すと住民の宗教心を煽り吊るし上げる。 不完全な秩序と法律、インディアンとの不和から目を背けさせるために 宗教の名を借りた拷問が浴びせられる。 へスターの気丈さと美貌、純粋な宗教心とは裏腹に、人間の愛情、肉欲が苦痛の生活へと向かわせる。 牧師とへスターの愛情と、その愛情が宗教社会では成り立たない悲惨さがある。 牧師は秩序を与えるものであり、自らが秩序を乱す行為は許されない。 結果として不義を働き、自らの行為を責める。それと同時に罪を感じながら、 神に背いたことを悔いながらもへスターのことを愛しつづける。 ここに人間の融通さや柔軟さ、複数の信じるものを成立させる複雑さとあいまいさ、人間の恣意的な意思の存在を感じる。 相反するものを内在させ、それらを共存させて生きていける精神構造のぼんやりとした難しさがある。  へスターの最初の結婚とその夫の死の知らせ、束縛されていたものからの解放、 実は夫は生きていたことへの畏怖、一人の人間が与える人間の心の変化、その変化の過程、 精神的状態の不可解さを見られる。 ある行為があり、その一つの行為自体にそれぞれの人が意味を与え、 その複数考えられる意味を方向的にまとめるのが社会が持っている規則や秩序、法律である。 行為の意味は、その社会の人が作るものである。

『素顔のままで』 STRIPEASE, 1996

 デミ・ムーア、アーマンド・アサンテ、バート・レイノルズ主演、アンドリュー・バーグマン監督
 踊るシーンはあまり色っぽさを感じない。足が、筋肉質でセクシーさが無いように感じる。 完成されたスタイルはすごいが、それが魅力ある女性につながるかといえばそうではない。 ストーリーはよくわからない。わからないというよりも面白みに欠け、見所も無いように思う。 何かの取引があるわけではなく、職業上のプライドもあるわけではなく、 全てが中途半端な感じがする。登場人物の心の流れもなく、表層的な人物像になっている。 人物が薄っぺらく感じてしまい、人間味に欠けている。デミ・ムーアがダンサーになる必要性が無いように思う。 訴訟のお金を作るためという理由はあるが、その部分の「思い入れ」に欠けているので、鑑賞している人間にとっては、 納得のいくものとなっていない。

『過越しの祭り』 PASSOVER FEVER, 1995

 イスラエル映画
 事実がたくさん集まってもそれは真実になるとは限らない。事実を元に解釈するのは人間であり、 その人の感情が含まれる。人それぞれ、その人が持っている感情の基準はもちろん違う。 一つ歯車が狂い出すと、がたがたと崩れていく。 人それぞれの思いがぐるぐると渦巻いている。人がいることで幸せを感じ、人がいることで不幸せを感じる。 人それぞれの悩みや、不満がある。気持ちがいったん離れると確実に何かが壊れていく。 どれもちぐはぐになって、それぞれの妄想が膨らんでいく。何が違っているのかがわからずに、気持ちが浮ついてくる。 人の気持ちを修復することは容易ではない。膨らんだ妄想を壊すのはただ単に真実だけである。 人を慈しむ心が壊れかけた信頼関係を修復することになる。

過越祭(すぎこしさい)
ユダヤ教三大祭の一つで、イスラエルの民が神によってエジプトから救い出されたことを祝う祭り。 エジプト人の長子と家畜の初子を滅ぼした神の使いが、イスラエル人の家を「過ぎ越し」たことに基づいた名称。(出12:23-27) ニサンの月の14日(太陽暦では3月末から4月初めごろ)に小羊を屠って焼き、種なしパンとともに食して祝った。 イスラエル信仰の根源をなすエジプト脱出を祝うので、この祭りを忠実に祝うよう聖書記者は強調している。(出12:24、王下12:21、エズ:6:19-21)
『聖書』 日本聖書協会 1994

『スケアクロウ』 SCARECROW, 1973

 ジーン・ハックマン、アル・パチーノ、ドロシー・トリスタン出演、ジェリー・シャッツバーグ監督
 "dawn"  (夜明け)はどこでも同じように見えると言ったように、彼はいつでもどこでもどういう状況であっても 新たな出発をすることができると言っているように行動する。 夢を持ってさえいればどういう過去を持っていてもやり直せるということを信じて行動する。 いつでもどこでも人を笑わせるようなことをやっている彼だが、それからは想像できない不安と悩みを彼の内側に持っている。 彼はある種の「引け目」を持っていたので、それを表面に出すことをせず逆に道化を演じて人とは争わず和やかな雰囲気を作り出そうとしていたのだろう。 彼は旅の間プレゼントが入っている箱をずっと持ち歩いている。 旅が進むにつれその箱がだんだんと汚れてくる。その箱の汚れ具合に比例して彼の不安が増幅していく。 彼の心境を目に見える形で示すバロメーターのようである。 その箱は彼の人生のようにだんだんと気づかずうちに壊れていく様を映し出している物のようだ。 彼の内側の様子を外界にあるプレゼントの箱がそのまま反映していたように思える。
 また、彼の相棒の靴に一つの秘密があることによって、最後のシーンでその相棒の愛情の深さを感じることができる。

『スターリングラード』 Enemy at the Gates, 2001

 ジュード・ロウ ジョセフ・ファインズ、レイチェル・ワイズ、エド・ハリス出演、ジャン=ジャック・アノー監督
 一人称の視点は狙撃するときのものがほとんどで、それ以外は三人称の視点で描かれているものではない。 このところが、淡々と事実だけを伝えるのでもなく、どこか他人事で訴えかけてくるものがないように感じさせてしまう。 死体などごろごろと横たわっていたり、撃ちぬかれて死んでしまうのだが、どこか規則正しいもののような印象が残る。 一場面や特定の人物に焦点を当て、全体をつかんだり感じたりするように表現することはできるのだが、 この映画はどこか平坦で抑揚にかける。 社会情勢としては、物質的な平等を求めるあまり、精神的な不協和を増幅させる。 士気の低下や向上心をそぐような社会である。 人を愛する気持ちが自分を破滅に導かせるような道へ向かわせるのなら、それは正常ではないのであろう。

『スタンド・バイ・ミー』 STAND BY ME, 1986

 ウィル・ウィートン、リヴァー・フェニックス、コリー・フェルドマン、リチャード・ドレイファス出演、ロブ・ライナー監督
 「子ども」はそれほど賢くない分だけ夢を持っているのだろう。 情報が少ない分だけ想像力がわいているのだろう。情報が少ない分だけその情報に敏感になる。 情報がない分だけその情報のことをもっと深く知りたくなるのだろう。 インターネットの普及やテレビの多チャンネル化など情報が多いというのは逆に情報の価値をどこかで損ねているのかもしれない。 情報量が多いとそれらの情報に散漫になる。 自分が情報を処理できるキャパシティが決まっているとしたら、少ない情報量では選別するざるの目を細かくできるが、多い情報量ではざるの目を大きくせざるを得ない。 エネルギーではなく、現代では「情報を浪費」しているのかもしれない。 少年期の好奇心や探求欲など大人になったら薄れてしまいがちな気持ちをこの映画はうまく描いているように思う。 子どもだけの冒険は少年期にとっては一大事であろう。 大人になったら、たいした事のない些細なことなのかもしれない小旅行だろう。 しかし、多くのことを知らない少年達にとってはとてつもない大きな事をしている気でいることだろう。 人生の中では短い少年期だが、密度の濃く毎日が新鮮な時間をおくっていたという懐かしさを思い出させてくれるような映画である。

『スチームボーイ』 STEAMBOY, 2003

 声:鈴木杏、小西真奈美、中村嘉葎雄、津嘉山正種、児玉清、沢村一樹、大友克洋 監督
 アニメーション
 19世紀、ロンドン万国博覧会会場で巻き起こる兵器のデモンストレーションを兼ねたアメリカとイギリスの戦争の中で、 兵器開発の動力源となるスチームボールを発明した祖父と父、そして巻き込まれた感じのその子どもの三代が「科学とは何か」の理念をぶつけ合い、理念に沿って行動する。
 映像はかなり緻密であり、マニアック的な感じがしてとてもよい。 ストーリーは冒険的な要素を含めるか、または、善と悪を明確にしたヒーロー的な感じを出したほうがよい感じがする。 声優に関しては、個性的な人材が多いが、少ししっくり来ない感じがした。

『スティグマータ 聖痕』 Stigmata, 1999

 パトリシア・アークエット、ガブリエル・バーン出演、ルパート・ウェインライト監督
 ある日突然、聖痕者(スティグマータ)となった女性がいた。そしてその聖痕(十字架上で死んだキリストの五つの傷と同一形状のものがカリスマたる 聖人に現れる現象)が本当かを調べる神父が彼女の元に訪れる。 神父が調べていくうちに、聖痕の数が増え、その裏に隠されていたものを知る。
 「神の王国は汝のうち、汝の周りにある。木や石の館にではない。薪を割ればそこに私はいる。石をどかせばそこに私がいる。」がテーマであろう。 また、そのメッセンジャーとして学者が無神論者にとりついた。宗教と金、権威という問題が絡み合っていて、そこに教会自体の存在意義が問われる内容となっている。

『スティング』 The Sting , 1973

 ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード、ロバート・ショウ、チャールズ・ダーニング、レイ・ウォルストン出演、ジョージ・ロイ・ヒル監督
 詐欺師の腕の見せ所が満載である。だまされる、かもにされる相手は、それなりの理由があった。 詐欺師達は殺された仲間の弔いを果たそうとする。一人の男を騙して金を巻き上げる為に、大人数で大規模に、役を作り上げ、演じ、刑事までも騙してまんまと大金をいただく。 騙す為にはそれなりの度胸と風格、偽りの権威が必要である。その立場の人間になりきる事が必要である。 また、それなりの地位を設定し、それを納得させるためのお膳立てが必要となる。 相手を騙すには、言葉に対する、または、行動に対する根拠が必要である。 根拠があるから、人は信じてしまう。嘘を当然のこととしなければ、人はだまされない。 猜疑心を払拭しなければ、人は信じようとしない。そのために、いろいろな役割を作り、役割を果たす。一人よりも二人、言葉よりも物証が騙す行為の効果を増幅させる。とても見やすい映画である。

『ステューピッド in NY』 KICKED IN THE HEAD, 1997

 ケヴィン・コーリガン、リンダ・フィオレンティーノ、マイケル・ラパポート、ジェームズ・ウッズ出演、マシュー・ハリソン監督
 なんら計画もなく、ただ漠然と考え、その考えもまとまらず、何をしたいのかわからず、ただ状況的に生きている青年の4日間を描く。 アパートを焼け出され、守護天使が迷子であるという遊びのおみくじに気をとられ、自分の守護天使を探そうとする。 考えもめちゃくちゃ、人間関係もめちゃくちゃ、生活の状況もめちゃくちゃである。頭を蹴り飛ばしてよく考えろと言わんばかりの内容である。

『ストーカー 危険な関係』 STRANGERS, 1990

 指輪を身につけることで自分が相手とつながっていると思いこむ。 売り出されてた家を買うことは、中身が備わっていないのに箱を整えようとしていて彼女の人間関係を象徴しているようだ。 気持ちが無いのに、体だけを束縛するような関係をあらわしているようだ。 最後のシーンで彼の恋人だけが生き残るのはなんだか釈然としない感じがする。 薬指の指輪を取るときに、薬指ごと切り落とすのかと思ったら指輪だけ取るのはなんだかすっきりしない。 善悪の判断がつかず、目的を達成するためにむちゃくちゃな手段を講じているのに、 あれだけの奸計を考え出せることはよくわからない。

『ストレンジャー』 never talk to staranger, 1996

 レベッカ・デモーネイ、アントニオ・バンデラス出演、ピーター・ホール監督
 犯人の意外性はない。ひとりの人に、明瞭に区別される2つ以上の同一性、 または人格状態が存在する解離性同一性障害(多重人格)の患者を扱っている心理学者ということでむしろ犯人を探し出しやすくなっている。 人物像として性的により積極的、開放的な人格状態を示したり、何らかの情緒的ストレスがトリガー(引き金)になり 気絶、閉眼、脱力したりして人格交代がおこる。
 幼児体験に起因する職業を選択するというところはとてもよく分かる。 それぞれの登場人物の性格の厚みをもっと出せば、もっと複雑になり見ごたえがある映画になるように思う。

『ストロベリーショートケイクス』 , 2006

 池脇千鶴、中越典子、中村優子、岩瀬塔子、加瀬亮出演、矢崎仁司監督
 4人の大人の女性を描く。
 心の隙間を埋め、満たすことができない。満足できる生活ではないから、明確なものが無いまま何かを求め続ける。 いわゆる良くも悪くも無い状態。充足していない状態だから平凡な生活だと思う。 マイナスではないから、平凡な生活でも決して悪くは無い。
 しかし、平凡以上の生活を求める。やはり、「寂しい」という気持ちでいっぱいなのだろう。寂しくて何かにすがりたくて何かをつかもうとするが、その行為がさらにむなしいと感じてしまう。 彼女たちは、これまで十分に愛を与えられてこなかったのかもしれない。 だから、人前で化粧を直したり、トイレで故意に吐いたり、安易な妊娠や、大人になってから何かを飼ってもその生き物を死なせてしまうのかもしれない。
 それぞれ表面上は人間関係を構築し、日常の社会生活をおくることはできるが、そこには心からの信頼があるわけではない。 体の関係はあっても、心のつながりは無い。寂しいもの同士の共感は今後本当のつながりになりうるだろうか。

『スナイパー/狙撃』 SILENT TRIGGER, 1996

 ドルフ・ラングレン、ジーナ・ベルマン出演、ラッセル・マルケイ監督
 イギリス/カナダ
 組織の命令に従ってターゲットを暗殺する仕事を請けるスナイパーとその補佐的な監視役の女がターゲットを捉え狙撃しようとするが邪魔が入り撃たなかった。 撃たなかったことで反対に組織に狙われることになる。
 スナイパーという日本題であるが、全く狙撃はしない。タイトルは間違いのような気がする。 原題をそのままカタカナにしたほうがよいと思う。 アクションはあるが、それほどスピードのあるアクションではない。少し重たい感じのするアクションである。 はめ込み的な爆破の炎は迫力が失われている。ストーリーはわかりにくい。

『スナッチ』 Snatch, 2000

 ベニチオ・デル・トロ、デニス・ファリナ、ヴィニー・ジョーンズ、ブラッド・ピット出演、ガイ・リッチー監督
 大粒のダイヤをめぐって、また、ボクシングの八百長試合をめぐって奇妙なつながりと大混乱が巻き起こる。
 かなりごちゃごちゃした内容である。出来事に関して妙な感じでつながりをつけているので、なんだか変な感じである。 なお、コミカルな感じでバカさ、まぬけさが表れている。つまらない映画である。

『スネーキーモンキー 蛇拳』 蛇形拳, 1976

 ジャッキー・チェン、ユアン・シァオ・ティエン、ユアン・シァオ・ティエン出演、ユアン・ウー・ピン監督
 香港映画
 蛇拳の使い手を根絶やしにしようとする鷹拳の使い手を、猫の要素を取り入れた蛇拳で倒す。 肉体を使って闘うシーンも見所だが、修行で鍛えられているシーンも成長ぶりがよくわかってよい。 弱そうに見えて、強かったりというギャップや、弱い者を助けたり、悪を退治するという正常なところが良い。 何かを身につけたり、習得するという人間的な行為が描かれていて、擬似的な達成感を感じることができる。

『スネーク・アイズ』  Snake Eyes, 1998

 ニコラス・ケイジ、ゲイリー・シニーズ、ジョン・ハード、カーラ・グジーノ、スタン・ショウ出演、ブライアン・デ・パルマ監督
 ボクシング会場での国防長官の暗殺に絡み、その裏に陰謀が隠されていた。市警の刑事が陰謀にかかわるうちに犯人に近づき、追い詰めていく。
 基本的にわかりやすいストーリーである。もっとだまし合いがあってもよい感じもするが、ごちゃごちゃしていなくてすっきりとした展開である。 ゲイリー・シニーズは良いが、ニコラス・ケイジの服のセンスはどうなのだろう。

『素晴らしき哉、人生!』 It's a Wonderful Life, 1946

 ジェームズ・スチュアート、ドナ・リー、 ライオネル・バリモア、ヘンリー・トラヴァース、トーマス・ミッチェル出演、フランク・キャプラ監督
 父の意志のために自分の旅行や進学を犠牲にし、弟の幸せのために自分の夢を犠牲にし、会社を守るために新婚旅行を犠牲にして守って続けてきた会社がついに廃業に追い込まれる。 そこで自暴自棄になり、そもそもこの世に自分がいなかったらということを願う。願ってから自分が存在しない町を見て、その町での自分の存在の大きさに気づく。
 自分ががんばって皆の幸せのためにやってきたことに対して、町の皆はそのことを決して忘れていないし、感謝の念を持っていた。 自分が思っているよりも周りの皆を幸せにしていたし、幸せになることに影響を与えていた。 そのことを感じたことによって、会社が廃業に追い込まれることなどは大切なことではなく、自分の周りにいる家族を含めて町の皆が幸せでいることに感謝をする。 私利私欲ではなく、皆の幸せを願うことにより、皆も幸せになり、結果として自分も幸せになるように感じる。

"Remember no man is a failure who has friends." 友人がいるような人は決して失敗者にはならないという感じがする。

『素晴らしき日』 ONE FINE DAY, 1997

 ミシェル・ファイファー、ジョージ・クルーニー、メイ・ホットマン、アレックス・ディー・リンツ出演、マイケル・ホフマン監督
 わがままで、自分勝手な子どもをそれぞれ持つ男女が出会って恋愛に発展するストーリーである。 とても短い時間で恋愛が成立する話である。なぜあんなわがままな子どもであるかといえば、 それぞれの子どもの両親が子どもにあまりかまわなかったからであろう。子ども達が言う事を聞かないのは わがままをし、誰かを困らせ、その人達の「注意」を引くためであろう。大人たちにかまってもらえないことの寂しさから 大人達の注意を引くためにあんなにしつけのなっていないような子どもに育つのであろう。 また、それに気づいていない大人たちだからこそ、安易な恋愛を発展させるのだろう。 自我ばかりを主張して、他者のことを全く思いやらない。1人で生きていくのならともかく、 家族を持ったわけだからそのような恣意的な考え方は慎むべきであろう。 それぞれの子どもを持つ男女は、そういう意味で似ていたから反発もし、その反動でくっつきもするのだろう。 似ているがゆえに相手の言動に腹も立ち、同時に共通点も見出すのだろう。 一時の気の迷いとも取れなくもないが、気が強く自分だけが何かをやっていると錯覚に陥っている傲慢さを持つ人間は 比較的似ている人間を毛嫌いするか、安易にくっつくものだろう。

『スパイ・ゲーム』 Spy Game, 2001

 ロバート・レッドフォード、ブラッド・ピット、キャサリン・マッコーマック出演、トニー・スコット監督
 窮地に陥っている部下を救う為に部下に関する情報を上層部へ提供する。 回顧しながら抑揚もなくストーリーは進む。 何をするかは初めからわかっていたのだが、身内をだましながら計画を進める。 緊張感や切迫感を感じることはなく、過去の独白のように淡々と進む。文書偽造とか命令違反であったりするように思うのだが、 人間が持っている人情がかかわっているように思う。大義のために何かに役に立つというわけではなく、 個人的に情がわくということなのだろうと感じる。

『スパルタンX』 Wheels on Meals 快餐車, 1997

 ジャッキー・チェン、元彪、洪金寶、ローラ・フォルネル出演、洪金寶監督
 遺産目当てにシルビアたちを狙う叔父から彼女たちを助け出す。 見所は、キッチンカーで逃げるシーンと、シルビアをめぐる二人の男のやり取り、最後の古城でシルビアたちを助けるためにそれぞれが戦うシーンである。 笑える部分もあり、切れ味のいい格闘シーンもある。

『スピーシーズ 種の起源』 SPECIES, 1995

 研究者も当の怪物も学んでいることと学んでいないことの差が激しすぎる。 両者とも非常に間抜けに思えてしまう。研究者なら短絡的で安易な考えを捨てるべきではなかろうか。 あれだけの洞察力があるのなら、どうして対象者が危険だということに気づかないのだろうか。不思議である。 脱皮して大人になったのなら、また脱皮して老人にでもなるのだろうか。 受精卵から子どもへと成長した時間と、子どもから大人へと成長した時間を考えたときに、 大人から老人へと成長(退化)するのは間も無いことではないだろうか。寿命はどれくらいなのだろうか。 また、時間もかからずに成長が止まるような生物ならもっと下等なのではないだろうか。 生物のことはよくわからないが、この映画のこともよくわからない。

『スピード』 SPEED, 1994

 キアヌ・リーブス、サンドラ・ブロック出演、ヤン・デ・ボン監督
 カメラアングルがよい。動く対象とは別の方向にカメラが動いてその対象を追う。 とても動きが感じる。緊張感やスピード感がある。しかし、 あれほどぶつかったのにバスがあまり壊れていないのは不自然な気がする。 スピードメーターや、ヒューエルの残量など気にするところはいい。 サンドラ・ブロックはとても愛らしいさばさばした女の子役を演じている。 危険な状況を共有したその範囲にいた人間たちが結束力を持ち慣れ親しむ感じが出ている。 痛みを一緒に共有した人間たちは初対面であってもかなり親近感を持つことは表現できている。

『スピード2』 Speed 2 : Cruise Control, 1997

 サンドラ・ブロック、ジェイソン・パトリック、ウィレム・デフォー、テムエラ・モリソン出演、ヤン・デ・ボン監督
 会社への恨みにより自分が担当したシステムを積む豪華客船を利用して私利を得ようとする。 偶然乗り合わせたカップルがその男の計画を打ち砕く。 速度としての度合いは数字として出ていたが、スピード感はそれほどない。緊迫感もない。 アクションとしてはつまらなくはないが、それほど特質的なものは感じられない。 最初のバイクのシーンはよくわからない。アクションをするために内容が作られているような感じがしてしまう。 アニー(サンドラ・ブロック)の人物像がよくわからない。警官じゃない男を選べばいいのに。

『スフィア』 Sphere, 1998

 ダスティン・ホフマン、シャロン・ストーン出演、バリー・レヴィンソン監督
 SFサスペンスということで、全体的には、現実味はない。 当たり前ですけど・・・。 何かの警句的になっているかと言えば、最後の方に、「人間の美しい部分ではなく、醜い部分を映した。」 という言葉があったが、それぐらいだ。 最後のところで、爆破装置は解除できなかったのだろうか、という疑問が残った。
 疑惑が新たな疑惑を誘うのは興味深かった。シェイクスピアの『オセロー』のように、ノーマンがオセローに、ベスがデズデモーナに、ハリーがイアーゴーになるのかと思った。 しかし、そうではなく、みんながみんなで互いに疑念を持っていた。けん制しあっていた。お互いにJerryがHarryと解読ミスをしていたのは、なんだか途中から分かってしまったので、このあたりの映画の作り方を上手にしてくれた方が、見ているものにとってはありがたい。 最後は人間の美徳を表に出す形で終わっている。

『スプラッシュ』 SPLASH, 1984

 ダリル・ハンナ、トム・ハンクス、ユージン・レヴィ、ジョン・キャンディ、ドディ・グッドマン、リチャード・B・シャル出演、ロン・ハワード監督
 8歳の時に海に落ちて人魚と遭遇する。そして大人になってから偶然海で再会した後、地上で数日間二人で生活することになる。
 ファンタジーとしてなら見られる。また、想像上の恋愛ということなら理解できる感じである。 同棲はしていても愛しているわけではない関係を解消し、これからの人生は一人ぼっちであると落ち込んでいた時にある岬を見に行く。 そこである意味運命的な出会いをし、数日間夢の中にいるような生活を送る。 幼いときに感じたものを大人になった時でも引きずるということはあることだろう。 また、理想の人に関しても、恋愛に関しても幼少時代の体験が影響することは分かるように思う。 過去にどこかで受けた印象というものは、記憶の中に残っているものだろうし、それをダブらせて現在の印象として感じることはありうることだろう。

『すべては愛のために』 Beyond Borders, 2003

 アンジェリーナ・ジョリー、クライヴ・オーウェン、ライナス・ローチ、テリー・ポロ、ノア・エメリッヒ、ティモシー・ウェスト出演、マーティン・キャンベル監督
 ロンドンで難民キャンプの子どもの死に直面したことで、恵まれない子どもへの救済へ目覚める女性の活動を描く。
 難民キャンプを維持させるためなどの慈善事業は難しいと感じる。現地へ届くまでに物資の略奪、横領、横流しがあり、 ボランティアの側の立場であっても、目的のためには不正にも目をつぶらざるを得ない。 そういう状況が存在するのは事実であろうし、私財を投じて物資を買おうとしてもそれはほんのわずかにしかならない。 自分は私財を投じたからといって、他人に他人の私財を投じるように強要することはできないし、 すべての人が慈善事業に興味を持つわけではない。 自分がどのような産まれになるかなどは分かるわけではないので、豊かな生まれとなった人間が貧しい国で生まれた人間の手助けをすることは当然かもしれない。 しかしながら、一部の人間のみがそのように行動しても世界を救えることにはならない。

『すべてをあなたに』 THAT THING YOU DO!,1996

 トム・エヴェレット・スコット、リヴ・タイラー、ジョナサン・シェック、スティーヴ・ザーン、イーサン・エンブリー、トム・ハンクス出演、トム・ハンクス監督
 怪我をしたドラマーの代わりに演奏したコンテストでバンドが優勝をする。そこからいっきにメジャーデビューするが、すぐに解散してしまう。 60年代を舞台にした群像劇。
 ある人から、金、女、ツアーなどの理由でバンドは解散する危険がある、といわれる。しかし、演奏している限りは次がある、という。 結果的には、解散してしまうロックバンドであるが、個性が違う者が集まれば、ぶつかり合ったりすれ違ってしまうことは当然あるだろう。 スマートに考えれば、どうするべきなのかはわかるのだが、若さの勢いで突き進んでいく。 いろんな人生があると思えば、ロックバンドを解散して、次へ進んでいくということも良い選択肢なのだろう。すっきりした映画である。

『スペース・カウボーイ』 Space Cowboys, 2000

 クリント・イーストウッド、トミー・リー・ジョーンズ、ドナルド・サザーランド、ジェームズ・ガーナー、ジェームズ・クロムウェル出演、クリント・イーストウッド監督
 過去に訓練をしていたチームが、ロシアの通信衛星を修理するために老人になってから再度集結し、宇宙でのミッションを行う。
 宇宙へ行くまでのストーリーはとても面白く、引き付けられるが、宇宙へ行ってからの展開には満足感があまり無い。 ハイテクとアナログの対比として描かれている部分は面白いが、宇宙へ行ってからの自己犠牲的な要素には少し違和感が残る。 大きな問題を抱えて解決するのだが、それほど緊迫感が無いところが残念である。人間の叫び、心の叫びのような心情があまり感じられなかった。

『スペシャリスト』 The specialist, 1994

 シルベスター・スタローン、シャロン・ストーン出演、ルイス・ロッサ監督
 女性が殺人を依頼する動機は示されてるが、その動機は簡単に示されているだけで、 あまり深刻さを感じ得ない。フラッシュバックはあるが、もっとその動機の部分と女性のその苦悩を細かく描いてもよいと思う。
 声がよいといっているがあまり良いとは感じない。また、前半部分を声だけしか出さなかったほうが効果的ではなかっただろうか? CIAの工作員のわりには、人物が結構難ありと思う。もっと、CIAは人選を慎重にすべきだと感じる。 ちょっと疑問に感じる。
 二人が恋愛に発展する要素が乏しいように感じるのは私だけであろうか。

『スミス夫妻』 Mr. and Mrs. Smith, 1941

 キャロル・ロンバード、ロバート・モンゴメリー、ジーン・レイモンド出演、アルフレッド・ヒッチコック監督
 行政上のミスで、法的な婚姻関係が成立していなかったことから巻き起こる夫婦の騒動を描く。 再びプロポーズされることを期待するが、思い通りの展開とならなかったことが発端で二人は喧嘩をし、妻のほうは意地を張ってしまう。 また、別の男と結婚しようとまでするが、元の夫が邪魔をする。 しかし、生来的な女の性質によって、結局は元の鞘に納まる。 恋愛の駆け引きや、意地を張って自分の気持ちを素直に表現できないじれったさが表現されているようにも思われるが、結末としてはコミカルな印象が残る。 軽い感じのする調子がヒチコック的なのかもしれない。

『スライディング・ドア』 SLIDING DOORS, 1997

 グィネス・パウトロウ、ジョン・ハンナ、ジョン・リンチ出演、ピーター・ハウィット監督
 地下鉄に乗れるか乗れないかによってパラレルワールドが生じてしまう。 男の浮気に早く気づくかどうかによって自分の時間が変わってしまう。 結果的には出会うべくして出会うのだが、それまでの道のりの変化を表している。 ロングのグィネスもとても愛らしいのだが、ショートのグィネスはとてもチャーミングである。 人間関係と、人との出会いによって自分の人生が変化するのは良く分かる。 自分のターニングポイントをどこに設定するのかを迷うことはある。 自分で決めなくとも、勝手に動き出すこともある。 自分で決めるときの判断基準とタイミングはとても悩む所である。 結局は自分が主体的に生きていればなるようになるような気がする。 何かや誰かに依存するのではなく、自分自身を信じるほうが進歩的かもしれない。

『THREE/臨死』 STRIKING DISTANCE, 2002

 キム・ジウン、ノンスィー・ニミブット、ピーター・チャン監督
 韓国、タイ、香港の3つの国で制作された作品のオムニバス。
 テレビドラマの『世にも奇妙な物語』のような感じの映画である。なかなか面白い内容である。 それぞれの国の雰囲気が(表現されていた者が正しいかどうかは定かではないが)それぞれの国っぽい感じがした。 一つは、シャープなはっきりとした感じ、もう一つは、粘着的なじっとりとした感じ、最後は、乾いたぎっとりした感じがある。 内容とは全く関係ないが、それぞれのお国柄?みたいなものを感じた。

『スリー・リバーズ』 STRIKING DISTANCE, 1993

 ブルース・ウィリス主演
 自分にとって近い人物が犯人だというありがちな設定でストーリーが展開する。 あまり面白くないプロットであるので見ていて時間がたつのが長い。 短絡的な恋愛が成立するところはよくわからない。犯人を探し出して、追い詰めるというものではないので、 さらに面白くない。犯人を本人が突き止めるというプロットではなくアクションも別に無い。 何が見所かと疑問に思う。事件の詳細も深刻性もなく、犯人も簡単にわかるので見ていてしらけてしまう。 カメラアングルも特異性がなく、きれいな自然も映っているわけではない。何かの主義主張が含まれているものでもない。 何も伝わってこなかったという印象がある。


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