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映画の感想

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『クイール』 , 2003

 小林薫、椎名桔平、香川照之出演、崔洋一監督
 盲導犬としての血統ではない子犬がクイールと名づけられ、盲導犬として訓練され、盲導犬になる。そのクイールの生涯を描く。
 それほど感動的な要素はないが、まともな話の映画である。 訓練時、待てという命令にずっと従っていたシーンは印象に残る。 盲導犬に頼っていなかった生活と、盲導犬とともに行動するようになった生活の差異がもっとたくさん表現されていると、目の見える人間の盲導犬に対する意識が変化するのではないかと思う。 盲導犬の訓練の様子をもっと取り入れるか、または、引き立たせる引き立たせないに関係なく、別の盲導犬との対比があっても良かった感じがする。

『クイック&デッド』 The quick and the dead, 1995

 シャロン・ストーン、ジーン・ハックマン、ラッセル・クロウ、レオナルド・ディカプリオ出演、サム・ライミ監督
 画像を見ていて緊迫感をほとんど感じられない。 撃ち殺すか殺されるかという緊張感が表現されているようには感じない。 カメラアングルがとても素直になっていて、 誰かがどちらかに顔を向けたらカメラもそれに従うという感じになっているので見ていて飽きてしまう。
 父と息子の対決もあまり深刻に感じない。息子のほうの感情があまり伝わってこないので、切実さを感じない。 息子のほうは父に認めてもらいたいのか、父を超えたいのか、どうしたいのかよくわからないし伝わってこない。 息子のほうはどこで腕を磨いたのかがわからない。
 父親の復讐だといって男と対決するが、表情とか態度にそれがあまり表れていないように思う。

『空中大作戦』 ESCAPE OF THE BIRDMEN, 1972

 捕虜の表情に注目すると良い。逃げ出せる希望を持つと、表情が生き生きとする。 生きる望みを持ち、自由への期待を持つようになる。 逃げ出すことに捕虜生活の中にやりがいをもたらす。 全ての仲間と結束をするわけではないが、ほとんどの脱走計画者と意見を一致する。 全ての人間が逃げ出せるわけではないが、一部の人間でも逃げ出せることに喜びを感じる。 実際に逃げ出した時の歓喜の声を聞くと、捕虜は生きる喜びを感じていることに違いない。

『空中庭園』 , 2005

 小泉今日子、鈴木杏、板尾創路、広田雅裕、國村隼、瑛太出演、豊田利晃監督
 『何事も包み隠さず、タブーを作らず、できるだけすべてのことを分かち合う、それが私たち家族の決まり。』
 なかなか衝撃的な映画である。映画が進むにつれ、ドキッとするようなせりふが多くなる。 こういう映画が評価されるようになる世の中になるならば、この世の中の今という時代は、暗闇の中へかなり急な坂道を転がり落ちている途中であるように思う。 思い込みにより自分を追い詰め閉じ込めていく。反面教師として、自分が大人になったら自分の家族、家庭を計画的に作ろうとする。 それはどこかいびつでねじれている。それを家族のその他は無意識に感じている。 ばれない嘘は嘘ではない。オープンな家族を保持しているようで実は誰にも言えないことをしている。誰にも言えないことを自分の中に隠している。
 『秘密を持たないという家族のルールを守ってよ!』は、母親にとっては本気なんだと思う。 小さな夢、はかない思い、それを達成、維持するために無理をしていても、そこに互いに相手を思いやる気持ちがあれば、その家族は間違いを犯しても維持できると思う。 とても複雑な気持ちになる映画である。

『靴をなくした天使』 Hero(Accidental Hero), 1992

 ダスティン・ホフマン、ジーナ・デイヴィス、アンディ・ガルシア出演、スティーブン・フリアーズ監督
 泥棒で裁判を受けている最中にも、自分の弁護士の財布からお金を抜き取る男が、飛行機の乗客を助ける羽目になる。 偶然、飛行機の墜落に出くわし、機内にいる乗客を泥まみれになりながら救出する。 本人は善意でやっている意識はなく、助けている最中にもまた、乗客のバックを盗んでいた。 その乗客のバックから抜き取ったカードが鍵となり、捕まりもするが、彼を本当のヒーローに導き出す。 名も告げないまま、事故現場から立ち去ったその男は、変える最中、ホームレスに事故の様子を話し、片方なくした靴を与える。 ホームレスはその話と靴を元に、救出したヒーローとしてマスコミに名乗りだす。 ホームレスと男は、取引をし、ホームレスをヒーローのままにしておき、その代わり、自分の息子の大学の費用を負担してもらう約束をする。 息子との動物園での話し、出来事は、その男の今後の考え方、生き方を示している。

『蜘蛛女』 ROMEO IS BLEEDING, 1994

 人生自体がまどろみのように感じる。制度自体も疲労しているが、人間自体も疲労している。 金属疲労のように制度も人間も時間が経つたびにだめになっていくような感じがする。 一部の社会や制度が腐敗して人間が堕落していく。人間が堕落していくから社会や制度が腐敗するのかもしれない。 可逆性があるものだろう。 また、人間にはそれほど多くのエネルギーがあるのだろうかと思う。 生きることに固執するエネルギーはそれほど膨大なものなのだろうか。 金や欲望によって自分の人生を破滅へと導いていく。金や欲望を利用して人に人生を破滅させる人間もいる。 金とリスクに対等な価値があると思っていても実は全然対等ではない。 命があるということが前提で金が価値を持つものであるのだから。

『雲の中で散歩』 A walk in the clouds, 1995

 キアヌ・リーブス、アイタナ・サンチェス・ギヨン出演、アルフォンソ・アラウ監督
 妙な縁で二人は出会い、それからぶどう園で過ごすことになった。 ぎこちなく、お互いの感情もはっきりしないまま時が過ぎ、 次第に出会ったときの感情とは違うものがあらわれてきた。理屈ではなく感情が二人を結びつける。 主義とか信条ではなく、人間的な心の流れのようなものが家族を少しずつ近づけていく。 味方になってくれる人や、どうにも納得がいかない人がいる。
 森の情景やぶどう園の風景などはとても素敵なものがある。西日を浴びているシーンは とても印象的なものとなっている。

『クライマーズ・ハイ』 , 2008

 堤真一出演、原田眞人監督
 群馬県御巣鷹山の日航機墜落事故を追う地元の新聞記者たちを描く。
 事故自体の原因究明や責任を追うストーリーではない。あくまで事故の情報を伝えようとする新聞記者、新聞社の姿を描く。 悪くない映画だが、感動する映画ではない。緊張感や臨場感を描くのではなく、新聞記者がどのような思いで記事を書こう、その記事をどのように紙面に載せようかと考える人間たちの姿が中心である。 全国紙と地方紙の対比なども描かれている。地方紙における共同通信社の地位も分かる。

『クラッシュ』 Crash, 2004

 サンドラ・ブロック、ドン・チードル、マット・ディロン、ジェニファー・エスポジート、ウィリアム・フィクトナー、ブレンダン・フレイザー出演、ポール・ハギス監督
 人種差別などから生じる問題をさまざま集めた映画である。 過去の経験と偏見により関係を悪化させ、悪いことを呼び込んでしまう。 「情けは人の為ならず」に期待したい感じもするが、現実的には、全く知らない人間を信じるということは難しいのではないかと思う。 必要以上に勘ぐることなく、人種により決めつけるのではなく、先入観無く行動できるようになる社会を作ることが必要ではないかと思う。

『クリフハンガー』 CLIFFHANGER, 1993

 シルベスター・スタローン、ジョン・リスゴー、マイケル・ルーカー、レオン出演、レニー・ハーリン
 主体的に事件にかかわったり、解決させる立場の人間ではなく、 事件に巻き込まれるという設定である。雪山を舞台に山岳救助隊員が活躍する。 雪山の風景がとてもすばらしい。ストーリー的には特に違和感は無いが、 あまり寒さを感じさせない映像である所に季節感が無い。 せっかくの雪山であるのだから気温の感覚をもっと表現して欲しいように感じた。 無理なく見られるところは良い。

『クルックリン』 Crooklyn, 1994

 アルフレ・ウッダード、デルロイ・リンド、ゼルダ・ハリス、デイヴィッド・パトリック・ケリー、カールトン・ウィリアムス出演、スパイク・リー監督
 母を中心に、家族の生活と、家族の絆を描く。
 売れない音楽家の父と働き者の母とその子どもたちの生活がある。自分の曲で売り出そうとする父親と、子どもたちの世話をしながらも働き出る母親、 喧嘩が絶えず母親の目を盗みながらテレビを見たりする子どもたちがいる。 子どもたちは生活の大変さを考えることなく、自分たちの意志のまま行動する。両親は金銭的に工面をするが、電気を止められたり、子どもたちを親戚のうちへ預けたりする。 その中で、子どもたちは成長し、母親の苦労を汲み取ろうとする。大切な人の死をもって、家族で団結しようとする。

『クレージーモンキー 笑拳』 笑拳怪招, 1979

 ジャッキー・チェン出演、監督
 殺された祖父の仇を討つために修行をして倒すストーリーである。
 痛みや苦しさを乗り越え、実感を伴う強さを手に入れるところがよい。悪は悪らしく、善は善らしく描かれている。見ていて飽きない。

『クレイマー、クレイマー』 Kramer vs. Kramer, 1979

 ダスティン・ホフマン、メリル・ストリープ、ジャスティン・ヘンリー、ジェーン・アレキサンダー出演、ロバート・ベントン監督
 父子の絆と愛情を描く。仕事仕事と妻や息子を省みないことによって、妻を失い、子どもまでも失いかける。 いままでも子どもはいて、突然子どもが降って来たわけではないのだが、 意思疎通がはかれない状態である。子どもの好きなものも知らないし、学校の事も知らない。 子どもと二人きりの生活に戸惑い、苛立ちさえ覚えるが、 しだいに子どもなしの生活が考えられなくなる。この点が本来の姿であり、いままで見失っていた点であろう。 妻が家を出て離れ離れに暮らしていた期間でお互いに変化をしたので 息子の事を思う気持ちは同じなのだから本当は夫婦が元通りになることが一番よいのだろう。 お互いに子どもを失うつらさを体験したのだから、相手を失うつらさも認識できればよいと思う。 このところが夫婦の難しさなのかもしれない。

『紅の豚』, 1992

 アニメーション
 「かっこいいとはこういうことだ。」というフレーズがあらわすだけあって外見的には格好よくない豚が活躍する物語である。 外見の容姿ではなく、そのもの個人をどう見るかという設定だろう。その者の内側が示す価値が重要視される。また若さゆえの勢いを感じる。 いろんな人間が出てくる。空賊、賞金稼ぎ、かたぎ。 それぞれの生き方。こだわりを持つ人間。賭けをする人間。 自分のスタンスをつきとおす人間。 自分のスタンスを持たない人間。 空中戦は迫力を出している。スピード感や、それぞれのプライドを表している。それぞれの思いを背負って戦う。 きちんとしたエンターテイメントになっている。

『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』 , 2002

 なんだか無茶な設定だが、脚本はきちんとしている感じである。時代考証はともかく、基本的なストーリー自体は身分の違う男女の恋で日本人向けの切ない感じである。 登場人物の死もあり、子供向けのアニメらしくない感じである。ラストは子供が見たら泣いちゃうような話である。

『クローンズ』 MULTIPLICITY, 1996

 マイケル・キートン、アンディ・マクドウェル、ハリス・ユーリン出演、ハロルド・ライミス監督
 3人のクローン人間を作り上げコミカルにストーリーが展開する。 核家族化で時間に追われる生活を改善するためにクローン人間を作ることを研究者に同意する。 最初は一人の予定であったが、オリジナル(本来の人間)の恣意的な考えで二人目を作ってしまう。 自分の生活を楽にしたいばっかりにやってはいけないこと簡単にをやってしまう。 全体的にコミカルに描いているので、クローン人間のタブーを深刻に受け止めるようにはできていない。 人間の複製を作ることの危惧を本当は感じなければならないのだろうが、淡々と面白おかしくストーリーが展開する。 しかし、結果的に3人のクローンを作り上げる人間のエゴの醜さを感じざるを得ない。 自分がいかに日常の煩雑さから逃れるかというためだけにクローンを作ってしまうあたりは人間のもろさを示しているように思う。 一人目のクローンからまたクローンを作った結果、かなり遜色が表れたことはとても危ぶまれることだろう。

『クロスゲージ』 Most Wanted, 1997

 キーナン・アイボリー、ジョン・ヴォイト、ポール・ソルビノ、ジリアン・ヘネシー出演、デイヴィッド・ホーガン監督
 大統領夫人暗殺の犯人にされた元海兵隊員が真実を追究する。
 政治的なことを織り込みながらストーリーが展開する。アクションもあり見飽きることはないが、それほどインパクトのある映画でもない。 女性が一緒になって逃げることになるのだが、多少無理があるような感じがする。 情報によって操作されることで、別の事実が作られるところはとても恐ろしいことである。

『クワトロ・ディアス』 FOUR DAYS IN SEPTEMBER, 1997

 ブラジル映画
 アメリカ大使を人質にとって自分たちの要求を政府につきつける。自分たちの要求が通り、 自分たちが勝利することとなるが、事が終わり熱が冷めると空砲を鳴らしたかのようにその虚しさが広がってくる。 現実を伴わない理想だけを持った中産階級の青年たちが現実という枠組みの中にいる意識の希薄さから 安易に革命運動へ足を踏み入れる物語である。 良いコミュニティ、国家を作り上げるのには誰かが犠牲になり血を流さないといけないのだろうか。 闘争することで桃源郷が作られるのだろうか。

『グース』FLY AWAY HOME, 1996

 ジェフ・ダニエルズ、アンナ・パキン、ダナ・デラニー出演、キャロル・バラード監督
 ハイテク時代にアナログ的なストーリーである。グースを中心に家族や仲間が連帯を強めていく。 無味乾燥とした現代でとても夢のある話である。学校での過去の人物の授業よりも今を生きている実感を学びたいものである。 夢のある生活や夢を持てる生活をおくりたいものである。 コンクリートで覆われた生活環境よりも森や草原で囲まれた生活環境の方が精神衛生上よいのであろう。 血の通っている動物や、機械と共存した人間の生活環境をもっと効率よく心地良く人間に当てはめられたらよいと思う。 自然の中で生きているエイミーとその仲間の開放感がとても素敵である。 極めて昔の人間的な感覚を持った自然な人間関係が魅力的である。

『偶然の旅行者』 The Accidental Tourist, 1988

 ウィリアム・ハート、キャスリーン・ターナー、ジーナ・デイヴィス出演、ローレンス・カスダン監督
 はっきりしない、あいまいであることから、形にすることで別な感情をおぼえる。 あいまいな感情自体が形となっていないことだから、形にしてみるまでは明確でないのは当然である。 形にしてみて初めて実体がともない、そこから動き始める。 動きを求めないのであれば、あいまいなままにしておくほうが良い。 はっきりさせることで否応なしに動き出さざるを得ない。 息子を失ったことの気持ちを処理しきれていない状態から、別居し、恋人ができ、離婚をしようと思う。 はっきりさせ、離婚をしようと思うことから別な展開が動き出す。

『グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち』 Good Will Hunting, 1997

 マット・デイモン、ロビン・ウィリアムズ出演、ガス・ヴァン・サント監督
 "restructuring" がテーマの一つ。人が仕事を失う(半分冗談)。自分の心を再構築する。
 2つの世界がある。教場で授業を受ける人間の世界と、警察で取り調べを受ける人間の世界。 やがて二つの世界が一つになる。 考える人間と、覚える人間。 感情を出せる人間と、感情を出せない、出さない人間。 実体のともなわない感情。体験をともなわない感情。 自分との関わりあいのない知識。体験をともなわない知識。 自分に結び付けられない、故意に結び付けない。
 可能性が目の前にぶら下がっていても掴まない人間。可能性がなく、喉から手が出そうなほど可能性をほしい人間。 必死にその可能性を見出そうとする人間。 一つのものに対する人それぞれの価値。自分に無いもの。自分には必要の無いもの。自分に必要なもの。 他者には必要なもの。期待する人間。期待すらしない人間。人それぞれの地獄。
 失望することを恐れて、何もできずにいる。積極的に生きられない。失うことを恐れて行動できない。 人それぞれの自分の弱み。それを人に見せられずにいる。どこか、人におびえている。人を信じていない。
 一枚の絵に関してセラピストと話す場面で、どちらがセラピーを受けているのか分からなくなる。 一つの絵が二人の共震を呼ぶ。 人それぞれの、弱み、奢り、うぬぼれ、自信のなさ・・・、結局は、積極的に生きられないでいる。そして、自分の可能性を潰している。しかし・・・。

『グッドマン・イン・アフリカ』 A GOOD MAN IN AFRICA, 1994

 コリン・フリールズ、ショーン・コネリー、ジョン・リスゴー出演、ブルース・ベレスフォード監督
 人の人生から学ぶことは多いだろう。しかし、よい影響を得るころができる人間とあうことはあまりないだろう。 自分の人生で節目となる人に出会うことはあまり無いだろう。 もしそういう出会いがあったなら、大切にしなければならない。 偶然が重なりある人とつながりができる。それは、当人にとっては一生を左右する出会いである。 精神的に彼に取込まれて自己を改める。初めは仕事の都合でとてもいやな会いかたをするが、 最後に会った時には自分から求めて彼に会いに行く。 精神的なつながりでこれからの自分の人生を悔い改めることになる。

『グラディエーター』 Gladiator, 2001

 ラッセル・クロウ、ホアキン・フェニックス、コニー・ニールセン、オリヴァー・リード出演、リドリー・スコット監督
 扉を開けると、その向こうには・・・。 一筋の道が見えなくなるまで先へ伸びている。 愛するものたちがいて、実りがあり、そこが home である。

愛する者、愛される者、憎む者、憎まれる者。

信じる者、信じられる者、裏切る者、裏切られる者。

殺す者、殺される者、救う者、救われる者。

自由を奪う者、自由を与える者、自由を奪われる者、自由を得る者。

影と塵を光と生命へ変える。 風が吹き、緑が揺れ、愛と信頼、栄誉と名誉をもって再興する。

『グランド・コントロール 乱気流』 GROUND CONTROL, 1998

 緊張感や緊迫感が感じられる。2次元の世界ではなく、3次元の世界のことである。 画面上では2次元で表示されるが、頭の中では3次元でイメージされる。 他人の命を左右する仕事にやりがいを感じもするが、そのプレッシャーに苦しめられもする。 一度ミスを犯すとそれにとらわれ気があせってしまう。 事故は自分のせいではないとわかっていても、その「結果」に取りつかれてしまう。 事故が起こったときの状況がフラッシュバックでよみがえってくる。 当時の航空機との交信の模様が聞こえてくる。乗員乗客の人数に敏感に反応する。 当時の記憶に惑わされながら、疑心暗鬼になる。感覚鈍麻や過覚醒になっているわけではないが、 当時の記憶に関わることに過敏に反応する。そういう管制官が 幻聴やプレッシャーによって適切な判断をすることができなくなることを克服して見事に飛行機を無事に着陸させる。

『グラン・ブルー グレート・ブルー完全版』 LE GRAND BLEU, 1988

 フランス映画
 感情の抑揚が感じられず、平坦な人間関係のように感じる。 映画の世界観が広く、まとまりが感じられず焦点がぼやけているように感じる。 出来事が全て盛りこまれているようで、見ていて親切過ぎる。人物の表面だけをなぞっているような感じがして、 身体的にも精神的のも躍動が感じられない。 彼らの何かに固執する理由が見当たらない。また、恋愛感情の発展がよくわからない。 人間的魅力を描ききれていないので、そのあたりがはっきりしない。 この映画の見所がどこなのかよくわからない。テーマが2,3つも含まれているようで、しかも、それらが 深く描かれていないので全体的にぼんやりした映画に思える。

『グリーン・デスティニー』 Crouching Tiger, Hidden Dragon, 2000

 チョウ・ユンファ、ミシェル・ヨー、チャン・ツィイー、チャン・チェン 、チェン・ペイペイ出演、アン・リー監督
 中国映画
 時代は19世紀初め、400年前に作られた剣グリーン・デスティニーを北京のティエ氏へ預けるが、賊に盗まれてしまう。
 アクションはかなりすごいものである。しかし、ワイヤーアクションは極限まで抑えたほうがもっと迫力が増すように思える。 男女の恋愛に関しては、関係に違和感が残る部分はあるが、アクションは大変見ものである。

『グリーンマイル』 THE GREEN MILE, 1999

 フランク・ダラボン製作・脚本・監督、スティーヴン・キング原作、トム・ハンクス主演
 最後の締めというか、結末があまり面白くなかった。 グリーン・マイルを歩くこと、死へ向かう道、その受難をどうすごすか、 どう感じるか、それまでどう生きるかというところがあまり感じられなかった。 また、その切実さを感じられなかった。 生きること、普通の人間、特別でない人間、貴重な体験、 奇妙な体験、それぞれどのように感じるのだろう。 感じたことと、それの結果、何かを表現できたのだろうか。 妙な体験をしたことだけが印象に残ったのだろうか。 犯罪を犯す人間の刑の執行をするより、犯罪を犯す前の人間に 携わるという感情とその態度に現れているのだろうか。 体験、感じたことと、それにともなる次なる行動、感情がもっと 表現されていて、それを見て感じたかった。

『グリンチ』 THE GRINCH, 2000

 ジム・キャリー、ジェフリー・タンバー、クリスティーン・バランスキー出演、ロン・ハワード監督
 表と裏がある。クリスマスの華美な部分とその後にある裏の問題も含まれている。 装飾、イルミネーション、プレゼントや賞など華やかで浮かれる表面的な部分と、本来の持つべき人間の心の部分も描かれている。 物質的なきれいさと身体的な汚さ、物質的な豊かさと精神的な貧しさがある。 身体的な汚さと精神的な貧しさが精神的な豊かさ、暖かさを思い出させてくれる。 ディケンズの小説『クリスマス・カロル』のような感じがするが言いたいことが素直に伝わってくる。

『グローリー』 Glory, 1989

 マシュー・ブロデリック、デンゼル・ワシントン出演、エドワード・ズウィック監督
 まず、戦争という時代と、民族という問題がある。 南北戦争 the civil war  のなかでの黒人と白人の問題がある。 それと、戦争独特の何のために戦うのかということがある。
 どの時代でも同じかもしれないが、最初に表面的な仲間意識を持ち、それから、それが猜疑心等により だんだんと歯車が崩れていき、それから、本当に信頼できる関係へとだんだんと進行していく。 自分の志を見せて、それを実行した時に信じられる人間になる。 そういう、白人と黒人の関係、または、上官と部下の関係にいろいろと現れてくる。
 異常な状態だから、あのような気高い精神が生まれるのかもしれない。 正当な権利を持っていないときの状況が人間を気高くするのかもしれない。 虐げられた人々の持つ、圧力が反発しているのかもしれない。 今という平和な状態では高貴な精神は生じる可能性が少ないかもしれない。 自分の置かれていた状況と差し迫った状況の身をおくことになった状況の違いを認識できずに、 意識レベルを低いままにしている。その甘さが、一歩一歩死に近づく事になる。 自由を求めて自分を持っていない人間とそれを求める人間があつまる。 自分の権利を求めて、人の権利を求めて戦うことが描かれている。 自分の考えるままに行動する。それが正しいということを求めて実行する。 現代の平和ボケしている世界観を持っている人間には新鮮に移るかもしれない。

『グロリア』 GLORIA, 1998

 シャロン・ストーン、ジェレミー・ノーザム、ジーン・ルーク・フィゲロア出演、シドニー・ルメット監督
 男の身代わりとして罪をかぶり刑務所に入っていたが、3年間の刑期を終え出所した。 刑務所に入る前の取引として金をもらう約束であったが、昔の仲間のところへ戻ったがそれは実行されなかった。 たまたま居合わせた男の子の親は殺され、その男の子も殺される話を聞いたので、その身を案じ仲間を裏切りその男の子を連れ去った。 その男の子は、仲間の犯罪の情報が入ったフロッピーディスクを持っていたので、仲間の組織が男の子とそのフロッピーを取り戻そうとし、追われる身になってしまった。 連れ去ったはいいが彼女は子どもを持ったこともなく、子どもの扱いに困っていたのだが、次第に母性を感じその男の子の母親代わりになる決意をする。


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