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映画の感想

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『ブーメランのように』 Comme un Boomerang, 1976

 アラン・ドロン、カルラ・グラヴィーナ、シャルル・ヴァネル、シュザンヌ・フロン、ルイ・ジュリアン出演、ジョゼ・ジョヴァンニ監督
 フランス映画
 殺人事件を起こした息子を助けるための父親の行動を描く。  基本的に悪いほうに悪いほうに事が進む。ある程度まで忍耐強く行動し思考を凝らすのだが、あるところから極端に衝動的な行動をとる。 ぐるぐると渦を巻くように犯罪を大きくする。後戻りが決してできないようなところまで落ちていく。 また、それとは反対に権力を持っている人間たちはとても意地が悪く、偏見に満ちているように、嫌みたらしい言動している。 息子を思う父親の愛情を描いているようにも思えなくもないが、父親を通して一度罪を犯したら二度と戻れない厳しい現実を描いているように思う。

『ブエノスアイレス』 Happy Together, 1997

 レスリー・チャン、トニー・レオン出演、ウォン・カーウァイ監督
 香港映画
 モノクロになったり、カラーになったりして雰囲気が出ている。 カメラアングルがとてもよい。背景の絵がぼかしてあったり、くっきりと鮮明になっていたりして、とても面白い。 カメラアングルと人物の視線が一致しているところもかなりあって、迫力が出ている。ネオンや、夜の街の明かりがごっちゃになっている。 それも、街の雰囲気を出している。また、要所でスローになるところも、人物の意思がたくさんつめ込められているようで良い。
 キッチンでダンスの練習をしているのは、少しグロテスクに感じもするが、色々な人間の生き方を感じる。
 生きることが精一杯にみえる状況で、自暴自棄的な行動を繰り返している。 色々な欲望が渦巻いている世界で、やりたいままに生きている様子。アイデンティティや、環境問題という言葉さえ彼らにはないかもしれない。 しかし、結局は自分を探す旅をしている。自分が帰属する場所を求めて、または、それを確かめているように感じる。 食肉工場で牛の肉の血を洗い流したり、雨の中でぬれたり、滝のしぶきをそのまま受けていたり、 これまでの自分をすべて洗い流そうとしているようにおもえる。 今までの自分から、少しでも変われるように何かをしているように感じる。

『武士の一分』 , 2006

 木村拓哉 、檀れい 、笹野高史 、岡本信人 、左時枝 、綾田俊樹出演、山田洋次監督
 毒味役で失明し、そのため暮らしに不安を覚える。安定した暮らしを維持しようとしたために妻は騙されてしまう。妻と離縁し、妻と関係を持った男と果し合いに挑む。
 武士の強さや武士の覚悟、ひたむきさが伝わらない。 気位が低い印象がある。こざっぱりしすぎていて安っぽく格好が良いと感じない。人物像が軽々しく、内から湧き上がるようなものが無い感じである。また、言葉遣いが妙である。 格闘シーンは少ししかなく、無い格闘シーンも拙い感じである。 家の中での明暗や映像はやはりなかなかである。しかし、印象的なシーンが無いのが残念である。

『ブラインド・デート』 Blind Date, 1987

 キム・ベイシンガー、ブルース・ウィリス、ジョン・ラロケット出演、ブレイク・エドワーズ監督
 仕事の都合で女性同伴で食事をしなくてはならなくなったが、その女性の都合がつかず、急遽紹介してもらった女性と波乱がありながらも結ばれるまでを描く。
 この作品でもかなり日本に対する時代錯誤がある。それはともかくとして、お互いに魅力を感じたところはどのあたりだったのだろうかと疑問に思う。 ストーリーの構成だけで、アイデアや内容のない作品はそれほど面白いものでは内容に思う。

『BROTHER』 BROTHER, 2001

 北野武監督
 この作品の社会的評価や、監督のこれまでの作品の経緯などを考慮しなければ、 単なるやくざ映画のような気がしてならない。 これまでにずいぶん描かれてきたような内容というような感じがする。 舞台が海外であるということぐらいが物珍しさを感じさせるだけである。 やくざの慣習やならわし、同情や義理、人情など日本人の美徳としてこれまでいろいろなところで 描かれてきたものを単に作品の中に詰め込んだという印象が残る。 豪華なキャストではあるがそれがかえってごった煮状態のように感じる。 音楽も久石さんが担当しているのだが、それほど感動を呼ぶものでもないし、 さらっと受け流せるほどのさりげなさも感じない。全体的にこれまで描かれてきたやくざ映画の域を脱しない のではないかと思う。

『ブラザーフッド』 TAE GUK GI, 200

 チャン・ドンゴン、ウォンビン出演、カン・ジェギュ監督
 韓国映画
 朝鮮戦争の政治的、歴史的な流れを知らなくても案外見られる映画である。朝鮮戦争や韓国の軍隊の階級的な部分を知っていればもっと分かりやすいかもしれない。 軍隊として将校の存在が殆ど無く、指揮がどうなっていたのかが分かりづらかった。 また、部隊としての任務が不明確な感じがした。 タイトルからすると、軍隊での生活を通じて兄弟の関係を表現するという事であろうから、軍組織を明確に描く必要は無かったのかもしれない。 家族を思いやったり、兄弟がお互いに思いやる部分はよく分かるが、それが感動に結びつくかどうかでは、感動にはたどり着けなかった。

『ブラック・ダイヤモンド』 Cradle 2 the Grave, 2003

 ジェット・リー、DMX、マーク・ダカスコス、アンソニー・アンダーソン、ガブリエル・ユニオン出演、アンジェイ・バートコウィアク監督
 ブラックダイヤモンドと呼ばれる物質が台湾から盗み出さる。それらを取り戻すために台湾からやってきた情報部員の男と、 さらにそれらを盗もうとした盗み専門の男女のグループがブラックダイヤモンドを取り戻す。
 冗談を言わない東洋人と冗談を言うアメリカ人が対照的でよい。アクションとコメディがありそれほど飽きない映画である。 しかし、武器や爆薬がそれほど使われていないので派手さは無い。派手さやスタイリッシュを好むのであればインパクトにかける映画かもしれない。 シンプルで分かりやすい映画である。

『ブラックホーク・ダウン』 Black Hawk Down, 2001

 ジョシュ・ハートネット、ユアン・マクレガー、 トム・サイズモア、エリック・バナ、ウィリアム・フィクナー出演、リドリー・スコット監督
 1993年のソマリアで起きた市街戦の一部を描く映画である。
民族紛争を解決する手段としては、他国家が武力で制圧することはとても困難な時代となっているだろう。 槍や弓や棍棒で闘っていた時代なら圧倒的な武力で鎮圧することはできたかもしれないが、大量に正確に殺すことができる兵器がある時代では1人の人間だけでも多くの人間を殺すことができる。 また、子どもでさえ簡単にその武器(兵器)を扱うことができる。指一本で殺すことができ、思考回路や今後の見通しなどは全くお構い無しである。 実際、起きている人の死を目の当たりにし、条件反射のように人を殺してしまう。 その民族を根絶やしにしない限り他国家などが介入することは今の時代では解決の手段にはならないように思う。 正義や大義がそこにあるのかどうかは不明である。
 最後のシーンで、「何のために戦うのか」という問いかけと、その答えが、この映画のテーマであろう。戦っている兵士には大義などなく、状況として戦っているのである。  

『ブリジット・ジョーンズの日記』 Bridget Jones's Diary, 2001

 レニー・ゼルウィガー、コリン・ファース、ヒュー・グラント、ジム・ブロードベント、ジェマ・ジョーンズ出演、シャロン・マグアイア監督
 30歳代独身女性の日常を描いたとされる映画である。
 皮肉で、何も考えることができない無能な女を描いているのならとても評価ができるが、警句的でもなく、単にバカ女を描いているのなら見ていて退屈な映画である。 結婚したいのなら、結婚したい理由を描くべきだし、さびしい中年女を描くのならもっと切実に現実的に描くべきであると感じる。 単に人の言うことを鵜呑みにして真実を見出すことができない受動的な人生を描いている。 この日常に共感を得る女性は、本当に何も思考することができな女性のように思えてしまう。 全く思考が停止していて、無計画で、感覚的で動物と同じように本能で行動しているとしか思えない。この映画を見て、こんな女に見られたくないと主体的に行動しようとする女性が増えることを望んでしまう。

『ブレイド』 BLADE, 1999

 ウェズリー・スナイプス、スティーブン・ドーフ、クリス・クリストファーソン出演、スティーヴン・ノリントン監督
 吸血鬼と半吸血鬼の戦いを描く。 吸血鬼に襲われた女性を仲間に入れ、その女性とともに吸血鬼を殺していく。女性は吸血鬼に血を吸われたが、 女性は研究者で遺伝子を操作して自分を吸血鬼になるのを防いだ。 その女性に血清を作らせるとともに吸血鬼がいる限りずっと殺しつづけようとする。 吸血鬼が昼間に活動するシーンがあるが、 紫外線よけの日焼け止めを塗っているとはいえ、眼や口の中は紫外線を浴びてもいいのだろうか。 最後の剣で戦うシーンが見所かもしれない。画面がよく揺れているが、そういうシーンばかりだと ごちゃごちゃしすぎてわかりにくくなるように思う。登場人物の視点の時のみに使ったほうがいいように感じる。

『ブレイブ』 The Brave, 1997

 ジョニー・デップ、マーロン・ブランド、エルピディア・キャリロ出演、ジョニー・デップ監督
 自分の命と引き換えに、家族のためにある仕事を得る。1週間後の仕事までの間、家族や地区に住む人と一緒にすごし、彼は仕事に出かける。
 家族のためなのか、運命なのか。自分を売り、仕事を得る。現在住んでいる境遇から抜け出すために彼は仕事を引き受け、家族のことを考える。 妻のことを思い、子どもたちの将来のことを案ずる。 がんばったらその分だけ報われる世界ではないのかもしれない。その世界から抜け出すためには、命を捨てる覚悟が必要なのかもしれない。 家族のことを思い、自分の命を犠牲にする。刑務所や酒場にいる時間が長く、ろくに家族と過ごしたことがない。 そういう状況から抜け出すためには、まともな仕事が必要であるが、皆失業であり仕事などない。 立ち退きにより家が取り壊されるのを目前に、彼は家族のために覚悟を決める。 お金より愛が必要であるが、愛のみでは生きてはいけない。そういう貧しい状況であり、部族である。 そういう状況から抜け出すためには、手段は一つなのだろうか。 きらびやかな富裕層の生活と、その反対には生活用水も満足に得られない貧困層の生活が存在しているところに虚無感や閉塞感が残る。

『ブレイブ ストーリー』 BRAVE STORY, 2006

 声:松たか子、大泉洋、常盤貴子、ウエンツ瑛士、今井美樹、田中好子出演、千明孝一監督
 アニメーション
 ワタルの両親が離婚をして父親が出て行き、母親が倒れてしまう。その状況を変えたいと願い、運命が変えられるという別の世界で旅をする。
 運命とは何かという問に対する答えを見出すというストーリーである。 運命を変えるということは、誰かに頼むのではなく、自分自身で変えるということという1つの答えを出す。 喜びがあれば悲しみもあり、幸福があれば不幸もある。それらをすべて含めて運命であり、それらを受け入れる必要がある。 喜びや幸福のみが自分たちの人生ではなく、負の要素も含めすべてが自分たちの運命であり人生である。 誰かに運命を変えてもらってリセットしたとしても、次に運命を変えたいと願えばまた誰かに頼らなくてはならない。 そうではなく、自分の運命は自分のものであり、自分で変えていく必要がある。 自分にとって負の選択をしなくてはならない場合もあるが、自分で決断することが求められる。 その時にはある種の勇気が必要なのだと思う。 何もしないで空を見上げていても、空からは何も降ってこないということだろう。
 黒と白の自分が闘うところは心の問題を表しているシーンであろう。映像は凝っている部分もあるが、話は素直である。  

『ブレイブ ハート』 Brave Heart, 1995

 メル・ギブソン、ソフィー・マルソー、パトリック・マクグーハン、キャサリン・マッコーマック出演、メル・ギブソン監督
 1280年以降のスコットランド地方が舞台。
 全体的にバグパイプが物悲しさを表わしている。 テーマはそのもの、勇気と頭脳と自由であろう。"Your heart is free."
 不合理なおきてを行使する支配階層の人間。それらに、支配される者達。 自由( our freedom )を求めて戦う人間達。その過程において、裏切りや騙まし討ちがある。  血による血統、貴族と平民の対比。
 神、御告げ、信じるもの、信じないもの。誰のために戦うのか。自分達のために戦う者。 誰かの犠牲になって戦う者。自由の民("Free men, you are.")を求めて戦うもの。肉弾戦。血しぶき、血に染まった剣。 吹っ飛ぶ首。矢が刺さる臀部(でんぶ)。 空を飛び交う矢。鋭い音。倒される馬。落馬する兵士。振りかざす斧。 鈍い音。
 戦う前は顔にブルーをぬったけど、戦いの後には返り血を浴びて赤い色も混じる。
 自由を求めて、虐げられない生活を求めて戦う。相手にも自分にも屈しない。  信じていたものを失う時、一時、自分の士気が落ちる。打ちひしがれた感じがする。やるせない気持ち。
 一人の男の死が新たな勇気を生む。真実をかけて戦う。"mercy"ではなく、"freedom"を望む。愛する者の幻覚を見る。 彼の魂が満足している証拠だろう。
 身は滅ぶとも、意志は滅びない。剣が空を舞う、宣戦布告。

『ブロークン・アロー』 BROKEN ARROW, 1996

 ジョン・トラボルタ主演
 核弾頭を強奪する動機がとても弱いような気がする。地位や名誉よりも金銭を重んじることの根拠もとても弱いような気がする。 根拠など全く無く、精神異常者の犯行としたほうがよっぽどすっきりするように思う。 精神異常者が軍で昇進していくということはとうていありえないだろうが。 こういう作品は、銃撃戦をして、殴り合いをして、スピード感を出して、高いところから飛び降りたり、 爆弾を爆発させたりするだけなら特に根拠も動機も無くていいのかもしれない。ストーリーを重視するものではないのだろう。 結果的に悪が負けて、正義が勝つといった方程式を作り上げればこのような作品はそれでいいのかもしれない。 このような作品はいかにスリルを表現できるかといったことしかないように思う。 いかに臨場感を出して観客を楽しませるかという問題だけのように感じる。

『ブローン・アウェイ 復讐の序曲』 BLOWN AWAY, 1994

 人種や宗教、大義を無視した個人的な復讐で自分の身を果たさせるのはそれはそれで良いことなのだろうか。 そういうことよりも大義を持って活動したほうが良いのではなかろうかと思う。 宗教や民族がらみの抗争は矛盾していることが良くあるように感じる。 個人的な復讐の動機は理解できるが、やっていることは本来の目的とはかけ離れている事に犯人は気づくべきだろう。 そのようなことに使うために自分の爆弾作成の技術を磨いたのではないだろう。 仕掛けや爆破シーンなどは見所のあるものだと思う。爆弾処理時に緊張感をもっと欲しいように感じる。 過去のある人間が警察に採用されるものかどうかは疑問が残る。

『プライベート・ライアン』 SAVING PRIVATE RYAN, 1998

 トム・ハンクス、マット・デイモン、エドワード・バーンズ出演、スティーブン・スピルバーグ監督
 無機質のような、感情が押し殺されたような銃撃戦である。 一対一のような個人の戦闘ではなく、多数対多数である。一つの戦場では終わりの見えない感じを持つ。 敵を殺すことにためらいを持たず、仲間が殺されることにも麻痺していく。 しかし、個人的な思い入れのある部隊などの人間ではそうはいかない。 知らない敵、知らない部隊の人間が死ぬのは無関心でいられるが、自分がいる部隊、自分たちが攻撃されている部隊には極度の感情を移入する。 ただ、それを個人的な感情として表に出すか出さないかの違いがある。 誰かが死ぬことへの無関心さ、意識して気にとめない状態がある一方、自分の部隊の人間が死ぬことへの極度の怒りと悲しみを感じる。 人間は感情を持つ人間だと感じるし、感情をコントロールもするが感情にも左右されるもののように感じる。 一人の人間の死でも、誰かにとってはぜんぜん平気だし、誰かにとっては絶望の淵に立たされる。 大尉の右手が動かなくなったことは、死のイメージとして残るものではないかと思う。 圧倒的な戦力のある戦車と人が装備できるだけの武器との戦力差がある。 無秩序の中で秩序を求めようとしてもそれは大部分の無秩序の中でかき消されてしまう。 多くの感情があるのだが、それが正常に表れず、もやのようにかすんでいる状態のように感じる。 国家のために一人の人物を助け、国家のために多数の人物が死ぬというやりきれない思いが残る。 全体的に人々の意思があまり感じられない。誰か一人の視点から見たものではなく、 誰かの回想でストーリーが展開するわけでもない。 人の意思によって感情移入するわけではなく、淡々と事柄を進めて全体を仕上げている。 作品には感情的に没頭するわけではなく、それほどあっさりと流せるわけでもない。 何か自分の中で不協和が起こっている感じがして、どこかで何かを考えてしまう。 人が死ぬということをあまりにもあっさりと当然のように感じさせてしまう戦争のことを考えてしまう。

『プリティ・イン・ニューヨーク』 YOU STUPID MAN, 2002

 デヴィッド・クラムホルツ、ミラ・ジョヴォヴィッチ、デニース・リチャーズ、ウィリアム・ボールドウィン、ジェシカ・コーフィール、ダン・モンゴメリー・Jr出演、ブライアン・バーンズ監督
 ロスへ有名になった恋人に会いに行ったら、恋人の浮気現場に遭遇してしまう。しかし、元恋人のことを忘れられない男が、その後ブラインドデートで知り合った女性にその元恋人のことを聞いてもらうようになる。 そして、そのうちに恋が芽生える。
 知り合ってから友達になる過程と、友達になってから恋人のようになる過程、恋人のような関係からいったん逆行するが、 いっきに関係が進むという過程がパターンとしてあるが、まぁ興味を持たせるように描かれていると思う。 若さを伴った美しさは未来永劫には続かないが、一時ではあるがとても良い物である。 ミラ・ジョヴォヴィッチはもっと天真爛漫な感じやじゃじゃ馬な感じのほうが良い気がする。

『プリティ・ウーマン』 PRETTY WOMAN, 1990

 リチャード・ギア、ジュリア・ロバーツ主演、ゲーリー・マーシャル監督
 現代のシンデレラ物語である。金持ちで学齢のあるハンサムな男が偶然であった娼婦を社交界に引き上げようとする。 お金を使って彼女を飾り立てる。彼女の性質も手伝って娼婦からレディに変身する。 全体的に夢のある作品である。偶然とはいえども人生には何かのきっかけがありそれが人を変え得るものになるということを感じられる。 夢物語のように感じるが人生に何かの期待を残すものとなっている。がさつで粗忽な女が変身する様はとても見物である。

『プリティ・ブライド』 Runaway Bride, 1999

 ジュリア・ロバーツ、リチャード・ギア、ジョーン・キューザック、ヘクター・エリゾンド、リタ・ウィルソン出演、ゲイリー・マーシャル監督
 印象として心地よさが残るかどうかは微妙なところである。 結果として無意識でも、故意でも誰かを傷つけているので、当人同士が幸せになろうとも、後味の悪さは拭いきれない。 ジュリア・ロバーツは魅力的な感じがとてもよく出ているが、彼女の外見的な部分などに終始していたように感じる。 卵料理がポイントとなり、本当に好きな自分の卵料理を見つけることで、自分の好みを認識し、それにしたがって選択する。
 書いたコラムが結果として正しかったということが証明でということでも面白いように思う。

『プリティ・ベビー』 Pretty Baby, 1978

 キース・キャラダイン、スーザン・サランドン、ブルック・シールズ、フランセス・フェイ出演、ルイ・マル監督
 彼女は売春宿で育ち、売春婦として仕事を取るようになる。 売春婦のまわりで育ち、それらの状況が当たり前のように感じてしまう。 売春婦としての初めての客を決める場面がとても印象的である。 オークションをして、彼女の値段を決める。値段が決まり彼女の前で売春宿の経営者と客がお金の受け渡しをしている。 そのときに彼女はいったいどういうことを思ったのであろうか。 彼女は売春することに何も抵抗がなかったのであろう。今まで、売春をしているのを見てきたし、 そういう女を自分の母親としてきたのだから。
 かって気ままに育ち、早くから売春をして金を稼ぐことをしていた彼女にとっては売春宿以外の生活は落ち着かない。 読み書きもできず、自分の若さと美しさを持て余している。彼女は自分が若いということを全く意識していない。 若さを今の自分の武器だと全く気づいていない。しかし、彼女に惹かれる男はそのことに気づいている。 彼女のまだ薄汚れていない少女らしい美しさに惹かれている。 自分にはもうないみずみずしい柔らかさを彼は求めている。 少女独特の無邪気さに憧憬を持っている。自分が若かったときには今の彼女と同じように気づいていない穏やかな成長に魅了されていた。 緩やかな力強い成長の流れの中にいる彼女に魅せられている。
 しかし、そういうものに全く気づいていない彼女は、今までのように自分の感情に任せて物事を決めていく。 最後に、自分の母親を選んだところで、彼女の若さゆえの、生育環境ゆえの浅はかさを示している。

『プリティ・リーグ』 A league of their own, 1992

 トム・ハンクス、ジーナ・デイビス、マドンナ出演
 実話の映画化
 男の野球を女性のチームがリーグを作って行う。男性社会の象徴的なものを女性が代わりにやる。 いろんな属性の女性が偏見に取り囲まれながら野球を職業にする。 男性によって作られたチームとリーグで、男性に代わる見世物とされた。 いつ打切られるとも知れない状態で野球に取りこんでいた。 記録映画という意味では、時代による状況は良くわかる。 作品論としては、姉妹の葛藤や、時代による女性への偏見、差別などを扱っても良いと思う。

『プリンス・オブ・エジプト』 THE PRINCE OF EGYPT, 1998

 アニメーション
 旧約聖書の出エジプトの一部を描いている。モーセがナイル川に捨てられて助かる所から、モーセがエジプトのファラオに対して、 自分たちの民をエジプトから去らせろと嘆願する。そのためにカエルの災禍、ぶよの奇跡、アブの災禍などいくつかの奇跡を呼び起こす。 ヘブライ人がモーセに導かれエジプトを脱出するまでを描く。エジプトの圧制から逃れるヘブライ人(イスラエル人)とともに モーセが海を割るシーンが圧巻である。

『プルーフ・オブ・ライフ』 PROOF OF LIFE, 2001

 メグ・ライアン、ラッセル・クロウ、デイヴィッド・モース出演
 犯人との「交渉人」を中心にその家族と被害者の様子を描いている。 誘拐された人間は、家族や交渉人のことなど全くわからない。自分がどうなっているのか、 家族にとって死んだと思われているのかどうかもわからない。 自分はどうであれ、その家族が自分のことをどう思っているかどうか全く知ることができない。 そういう意味では、誘拐された人間は、家族のことを思いつつ、自分がそこから逃げ出すことを考えるしかできないと思う。 また、家族の側は、相手がどうなっているのかは、犯人達の情報からでしかわからない。 その情報が正しいのかどうかもわからない。情報に依存するか、誰か他者に依存するかは その家族次第である。お互いが、相手の感情を全く理解できない。 相手の気持ちを確かめることができない。そういう状況で話が進む。  互いの状況を第3者的に描写するのではなく、どちらか一方の視点だけで描写すれば、 なんだか、意味がわからなくて良かったかもしれない。第3者的に全てを見られるのではなく どちらか一方だけの心情などを中心に描いたほうが効果的に不安やあせりなどを描くことができるのではないだろうか。

『プレイス・イン・ザ・ハート』 Places in the Heart, 1994

 サリー・フィールド、ダニー・クローバー出演、ロバート・ベントン監督
 1930年代、保安官の夫が偶発的に黒人に撃ち殺された。夫を失った婦人が土地と家の支払のために綿花の栽培に長けた黒人を雇い奮闘する。  黒人差別は黒人差別として描かれている。盗みをした黒人を助けたことで、黒人の助けを得て綿花栽培をする。 盲目の白人も住人に加わり、家族のために稼ぎ、生き抜くことの厳しさを描く。

『プレシディオの男達』 THE PRESIDIO, 1998

 ショーン・コネリー出演
 若い刑事とベトナム戦争を経験している中佐が対比されている。 無鉄砲な刑事を思慮深い中佐が手助けしている。刑事は体で中佐は頭という感じである。 わけありの二人だが、感情的にばかりなっているわけではない。きちんとした理性と感情を抑制する自制心をある程度持っている。 その二人の間で揺れているのが中佐の娘である。刑事と恋仲になるが育った環境のために上手に自分の感情を表現できない。 自分の父親の中佐とも中佐の寄せ付けない厳しさのために素直になれない。 父親との関係を修復しつつ自分の感情を表現して掲示との関係を深めていく。 娘は直接ストーリーに関係しているわけではないが、刑事と中佐の人物像を作り上げる役割を果たしている。

『プレッシャー 壊れた男』 UNDER PRESSURE, 1997

 チャーリー・シーン、メア・ウィニンガム出演、クレイグ・R・バクスリー監督
 子どもの時に父親から受けた虐待を自分の妻子に同じように繰り返す。 不遇な生育歴を持つことで身体的、精神的障害を自分の妻子に追わせようとする。ゆがんだ子どもへの躾から夫婦は離婚する。 独身になったことでさらに倒錯が増す。自分が置かれている状況に、職務時の火事の現場で女性を見殺しにしたことが払拭できないことと、 隣人の家庭の騒々しさが加わって寝むれなくなる。 異常なまでの暑さも助長して異常な行動へと駆り立てられる。
 出来事の情報を集めて、それに基づいて想像することの危うさを見て取ることができる。 自己の経験だけに偏って判断することの恐ろしさを痛感する。 物事を判断するときに、客観的な目を持つことを忘れがちになる。 チャーリー・シーンが「説教」をするとき、もっと早口に言ったほうが人物像がもっと異常に感じられて良かったのではないかと思う。

『プロジェクトA』 PROJECT A, 1983

 香港映画、ジャッキー・チェン監督、主演
 とても楽しめるアクション映画である。正義が勝ってなおかつユーモアがある。 笑えるところもあり、見ていて飽きない。敵を捕まえるシーンなど痛快である。 酒場で喧嘩するところや、警察の訓練のシーンなどとても愉快である。 自転車で逃げるシーンや、時計台から飛び降りるシーンなど体を張っているように思う。 ストーリーなどもきちんとできているように感じる。

『プロジェクトAU 史上最大の標的』 PROJECT A U, 1987

 香港映画、ジャッキー・チェン主演
 効果音がとてもタイムリーに流れる。すこし効果音が過ぎるかなと思うところもある。 今回の作品もとても楽しめるアクション映画である。前回ほど派手さはないが、 今回は少し思想的な部分が含まれている。同じ組織内での正と悪が対決する構図となっている。 正義が結果的に勝つというところは新鮮さはないが見ていてスッキリとする。 多くのシーンが見所となっていて、見ていて飽きることはない。

『プロデューサーズ』 The Producers, 1968

 ジーン・ワイルダー、ゼロ・モステル、ケネス・マース出演、メル・ブルックス監督
 だめな脚本、だめな演出、だめな役者がそろうと皮肉で面白い舞台となる。 大金を集め、舞台を失敗させ、帳簿をごまかして金儲けをしようとする。 そのために絶対売れそうもない脚本を探し、脚本家に会い承諾を得る。 さらに奇妙な演出家に演出を頼み、役者を募集する。オーディションに間違ってきた男を採用し、万事舞台は大失敗する予定であった。 しかし、だめなものが掛け合わさり、娯楽の風刺劇のようになってしまう。舞台は大成功をする。 そして詐欺で裁判にかけられ有罪となるが・・・。

『PROMISE』 THE PROMISE/無極, 2005

 真田広之、チャン・ドンゴン、セシリア・チャン、ニコラス・ツェー、リィウ・イエ、チェン・ホン出演、チェン・カイコー監督
 女神が現れて、物質的に多くのものを手に入れる代わりに、真実の愛をつかむことができないという内容の約束をある少女がする。 また、その他、神によって運命づけられた人々が出会う。
 アクションというより、ラブストーリーのようである。アクションとしての見所はさほど感じられない。また、映像が現実さを表現していないので、とても嘘っぽく見えてしまう。 動きに新鮮さが無い感じである。自然さを感じさせない映像である。CGの多様をやめて、スケールを落としてでももっとリアリティを出したほうが良いと思う。 内容は非情さや格好よさというより、人の情が表現されているようである。運命という最初の設定がいまいち納得できない感じである。


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